自己点検・評価報告書(臨床心理士養成コース) 吉井健治

報告者 吉井健治

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画
  臨床心理士養成コースの大学教員としては,大学院生が心理専門職の基本的態度,心理療法の理論と技法,事例研究法を習得できるよう指導を行いたい。 そこで,こうした指導との関連において,自らの研究では,次のような目標・計画を立てた。自己心理学理論につながる研究・実践を行い,論文を執筆する。 また,不登校・ひきこもりの「訪問臨床」に関する論文を執筆する。
(2)点検・評価
  • 平成20年11月,日本臨床心理士資格認定協会第1回研究助成(重点領域)で,「スクールカウンセラーの評価システムの構築」(代表者:吉井健治,研究期間:3年間)が採択され,本研究の一部を進めた。
  • 本学の平成20年度教育研究支援プロジェクト経費で,「ひきこもり傾向の不登校児童生徒の訪問臨床に関する臨床心理学的研究」が採択され,本研究の中心的な役割を担った。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画
  教職の「カウンセリング論」の講義を充実するために,以下の点に取り組む。 1.授業内容は,これまで以上に,現代の学校のニーズや課題に対応したものにする。 2.授業方法は,実践力を高めるために,ビデオや事例などの具体的なものを精選して提示する。 3.成績評価に関しては,知的側面だけでなく,態度や価値観の形成につながるように工夫する。
(2)点検・評価
  • 学部授業の「カウンセリング論」の充実を図った。1.授業内容の面では,現代的課題である「スクールカウンセラーの効果的な活用」を取り上げた。 2.授業方法の面では,ビデオを活用し,不登校,いじめへの対応における実践力を習得できるように工夫した。 学生の感想からは,「分かりやすく,役立つ内容」という評価が得られた。3.成績評価の面では,質疑応答の時間を増やして,これを評価に含めるようにした。
  • 大学院授業の「教育実践フィールド研究」では,教育委員会や小学校校長の講演を通して,学校現場との連携について理解を深めることができた。また,先輩(M2)の実践から後輩(M1)が学ぶという方法を工夫した結果,両者にとって臨床実践への理解と動機づけが高まった。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画
  学生相談に関して,他大学の状況を参考にしながら,システム等の検討を行い,いっそうの充実を図る。
(2)点検・評価
  • 日本学生相談学会に入会した(平成20年4月)。日本学生相談学会(平成20年5月)に参加し,他大学の学生相談の現状と課題,学生相談に関する研究と実践について,情報収集と意見交換を行った。
  • 学部では,学校教育コース1年生9名の担任として,合宿や実習に参加し,また日常的な支援を行った。
  • 大学院では,2年生3名,1年生11名の指導教員として,修士論文の指導,臨床実践の指導,就職支援,等を行った。

2-2.研究

(1)目標・計画
  1. 自己心理学理論につながる研究・実践の論文を執筆する。
  2. 不登校・ひきこもりの「訪問臨床」に関する論文を執筆する。
  3. スクールカウンセラーに関する論文を執筆する。
(2)点検・評価
  • 平成20年8月に,論文(共著)1編が掲載された。教師へのコンサルテーション 現代のエスプリ別冊 臨床心理士によるスクールカウンセリングの実際 至文堂 pp.111-120 2008年
  • 平成21年3月に,論文(共著)を「生徒指導学研究」に投稿した。
  • 研究著書を執筆中である。

2-3.大学運営

(1)目標・計画
  1. 委員会の仕事に積極的に関わり,大学運営に貢献していきたい。
  2. 全国で臨床心理士養成指定大学院が増えてきたので,本学の臨床心理士養成コースの受験生および入学生が減少することがないように,広報活動に努める。 そして,本学全体の定員確保に貢献したい。
(2)点検・評価
  • 予算財務管理委員会の委員を務めた。
  • 教員免許状更新講習実施委員会の委員を務めた。
  • 第二期中期目標・中期計画策定プロジェクトチームにおける業務運営・財務・施設設備・安全管理チームの委員を務めた。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画
  1. スクールカウンセラー活用事業において,徳島県教育委員会と連携する。
  2. 不登校傾向の児童・生徒の「訪問臨床」において,徳島県教育委員会および徳島県立総合教育センターと連携する。
(2)点検・評価
  • 日本臨床心理士会代議員(徳島県選出)を務めた。
  • 徳島県学校臨床心理士担当理事として,徳島県教育委員会と連携し,スクールカウンセラー活用事業の運営に協力した。
  • 不登校傾向の児童・生徒の「訪問臨床」において,徳島県教育委員会,徳島市教育委員会,徳島県立総合教育センターと連携し,本事業の運営に協力した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  • 平成20年度は,日本臨床心理士会研究助成,科学研究費,教育研究支援プロジェクト経費,以上3件(学外2件,学内1件)が採択され,教育研究における貢献があったといえよう。
  • 臨床心理士養成コースの運営に積極的に取り組んだ。また,院生に対しては,修論指導,面接指導,外部実習指導,日常的な学生支援などで,一人ひとりと密接に関わった。
  • 地域貢献では,臨床心理の専門家として,徳島県・徳島市の教育委員会,小・中・高等学校,専門相談機関などと積極的な連携を図った。
最終更新日:2010年02月17日

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