自己点検・評価報告(教員養成特別コース,地域連携センター) 藤原伸彦

報告者 藤原伸彦

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画
(1)インターネットを活用した教師教育
  学部実地教育および教職大学院教員養成特別コース(いわゆるスーパールーキーコース)での教育において,特色GPの課題としても取り組んできた「授業実践映像データベース」を活用し,授業実践映像を用いた省察が,学生の授業実践力の向上にどのように寄与するかについて検証する.
(2)体験活動等の教育的な意味の検討
  これまで小中学生を対象として実施してきた,「子ども歩き遍路」や美術鑑賞活動の教育的意義について検討する.
(2)点検・評価
(1)インターネットを活用した教師教育
  教員養成特別コース専用のWebページを立ち上げ,そこに学生が実施した模擬授業の映像データを蓄積し,いつでも学生が参照できるように整備した。学生の自発的な活用を求めるだけでは学生が映像データを活用せず不十分であることが明らかとなった。授業等において活用する方策を検討していく必要がある。
(2)体験活動等の教育的な意味の検討
  「子供歩き遍路」参加者を対象としてアンケート調査を実施し,体験活動の教育的意味を検討した。(教育心理学会等で発表済)

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画
  1. 教育実習生に期待することとして,(ある題材あるいは一般的なレベルでも)子どもが学ぶということの意味を十分に意識した授業を実践する,ということを考えている.そこで,特に認知心理学の観点から,学ぶとは何かについて考えられるような授業を展開する.
  2. 具体的な授業場面を取り上げ,そこで子どもは何を学んでいるのかについて検討させる.
  3. 学びを,知識の獲得や学習内容の操作的な活用としてだけではなく,より本質的なレベルで理解したか否か(学問体系における位置づけ,生活体としての人間にとっての意味)により評価する.
(2)点検・評価
  上記1.3.について,学部3年生を対象とした教育実習事前指導において,子どもの学びをどのようにとらえ,記述するかについての解説を行った。例えば,認知心理学的な観点から,学びのプロセスを記述する方法について解説した。
  解説に際しては,これまで蓄積してきた附属小学校等での授業の一場面を映像で提示するなどして,学生により理解しやすくなるように工夫を行った。(この工夫は,上記2.に対応。)

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画
  1. 実地教育において,学生が実践的な力量を獲得できるよう,オリエンテーション等で指導する.
  2. 実地教育オリエンテーションでは,学生に,社会の一員として必要な礼儀等について指導する.特に介護等体験にむけてのオリエンテーションでは厳しく指導したい.
  3. 教職大学院教員養成特別コース(いわゆるスーパールーキーコース)の学生が実践的な力量を形成できるよう,指導を行う.
(2)点検・評価
  1. 学部生対象の実地教育関連講義(各実習オリエンテーション,教育実習事前指導等)において,実習録の記録方法等,実践的力量の獲得に結びつく内容について多く話をするよう心がけた。映像データベースの使い方について説明したことについては有益だったとする声が多かったが,実習録の記録方法についての説明は,もっと具体的にという声が聞かれ,さらなる改善が必要と思われた。
  2. 実習において「自主的にすること」「感謝の気持ちを持つこと」の2点について特に強調するように心がけた。(効果は測定できていない。)
  3. 教員養成特別コースの学生に対して,個別指導を行うなど,実践的力量の形成に向けて非常に多くの力をそそいた。

2-2.研究

(1)目標・計画
  1. 特色GPの一部門として取り組んでいる教育実習を支援する映像アーカイブシステムや知の総合化ノートの開発をさらに拡充し,学生の授業実践力の向上をもたらすかを検討する.
  2. 現代GP等で取り組んでいる小中学生を対象としたお遍路体験活動の教育的な意味について検討する.
(2)点検・評価
  1. 学部3年生対象の教育実習事前指導において,学生に映像アーカイブシステムの活用を促し,事後指導においてその効果に関するアンケート調査を行った。映像アーカイブシステムを活用したと回答した学生は,自身の実習に備えることができたなどおおむね好評であった。
  2. 「子ども歩き遍路」の教育的な意味について,「鳴門教育大学 教育と学校を考える会」の月例会において,「~考える会」のメンバーとの間で議論を重ねてきた。現在,学校のカリキュラムとして体験活動をどのように取り入れるかについての議論を継続して進めている。

2-3.大学運営

(1)目標・計画
  1. 実地教育担当教員として,実地教育の充実を図り,円滑な運営にあたる.
  2. 特色GP「現代的教育ニーズ取り組み支援プログラム」の企画・運営に携わる.
  3. 現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」の企画・運営に携わる.
(2)点検・評価
  1. 実地教育担当教員として,実地教育の充実を図るため,附属校園や教務課と密に連携を取り,企画・運営を行った。
  2. 3. 特色GP,現代GP,教職大学院GPなど,各種GPの実施に非常に多くの労力と時間を使った。特色GPについては映像データベースのコンテンツとなる学生の実習における実践の撮影やそれを実施するための連絡調整や準備,現代GPにおいては子ども歩き遍路の企画や実施,年度末のシンポジウムに向けての企画や準備にたずさわった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画
  1. 鳴門市教育委員会と連携し,本学の実地教育の充実を図る.
  2. 鳴門市教育委員会や徳島県教育委員会,徳島県総合教育センターと連携し,特にITの教育活用に関する領域で,鳴門市内の学校と徳島県内の学校を支援する.
  3. 全国の文化施設(美術館等)や徳島県内の美術館と連携し,小学校・中学校を対象とした教育活動を実践する.
  4. 徳島県内・他県の小中学生を対象としたお遍路プログラムを実践する.
(2)点検・評価
  1. 実地教育実施のため,鳴門市教育委員会や校園長会を訪問し,連携を図った。
  2. 徳島県総合教育センターと連携し,テレビ会議システムを活用した小・中・高と大学の連携について検討・実施した。
  3. 大塚国際美術館(鳴門市)と連携して,小学生を対象とした美術鑑賞ワークショップを実施した。
  4. 鳴門教育大学 教育と学校を考える会の企画として子ども歩き遍路を実施した。
  5. 徳島県の企画である「e-とくしま 教育ワーキンググループ」にかかわり,県内の教育場面におけるICTの活用について検討した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  昨年度,一昨年度に引き続き,GP関連の業務を非常に多く担当しており,その点では大学に寄与していると考える。
  また,教育実習の業務に関しても,業務の負担が担当者間でアンバランスであるため,その点においてもある意味で大学へ貢献していると思われる。
最終更新日:2010年02月17日

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