自己点検・評価報告書(特別支援教育専攻) 八幡ゆかり

報告者 八幡ゆかり

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

目標:障害児教育史研究と教育実践研究の両側面から研究を行う。

計画

  1. 障害児教育史研究について,知的障害児に焦点を当てて研究を行う。
  2. 教育実践研究については,文部科学省の科学研究費を使い,県総合教育センター特別支援教育課と共同で特別支援教育コーディネーター養成研修事業について研究する。
(2)点検・評価
  1. 知的障害児の進路指導の変遷について本学の研究紀要にまとめた。
  2. 教育実践研究については,文部科学省の科学研究費により,次のことを行った。(1)日本特殊教育学会(9月19日)の自主シンポジュウム「学校・教育行政・大学間のネットワーク作り」を企画・発表。(2)特別支援教育コーディネーター対象のアンケート調査,(3)市町村教育委員会対象の特別支援教育に関するアンケート調査。(2)と(3)については,3月に県教育委員会と県総合教育センターに報告書を提出した。
  3. 修了生との共同研究を次のように行った。(1)SNEジャーナルに重度重複障害児の教育について投稿し採択された(A論文)。(2)学校教育センター紀要に知的障害教育に関する個別の移行支援計画に関する論文をまとめた。(3)10月に,SNE学会で連名で福祉施設への移行支援について発表した。
  4. 日本教育大学協会研究助成金(平成21年度)に応募した。結果は,不採択であった。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

目標:授業内容や授業方法を工夫したり,成績評価を明示して学生の教育実践力を高めたい。

計画

  1. 授業内容について,基礎的知識を習得させるためにワークシートに毎回まとめさせ,感想や意見を書かせる。そして,教育実践力を身につけさせるために教育現場の実践課題について例示し,その課題について討議・発表させる。
  2. 授業方法を,学生主体・参加型で実施する。グループ討議を取り入れ,お互いに意見交換をさせる。そして,受講者の発言を促したり,発表を肯定的に受け止めて,発言しやすい雰囲気にする。
  3. 成績評価方法を明示する。毎回提出のワークーシートに評価をして返したり,評価の高い学生に発表させて,他の学生のやる気を喚起させると共に,自己評価や他者評価について客観性を保てるようにする。
(2)点検・評価
  1. 前期の授業評価は大学院で行った。計画に挙げていた,「授業方法を学生主体・参加型で実施して,受講者の発言を促すなど工夫する」といったことを実施した結果,(1)授業内容,(2)授業の進め方,(3)受講者の自己評価,(4)全体の満足度の全項目にわたって5の評価が最も多かった。
  2. 学部の授業で学生主体・参加型にするためにワークシートや小テストから,学生の習得状況を分析してグループで再確認するように促した。また,授業の学習目的を毎週,板書して,その結果を話し合わせて質疑応答の場を設けて学習の定着を図った。なお,授業評価結果は,後期のためまだ公表されていない。
  3. 成績評価については毎回,ワークシートの評価を返したことで速やかな成績のフィードバックを行ったり,高い評価の学生に発表してもらうことで,他者と自己との評価を可能にした。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

目標:学生が主体的に授業や学生生活を送れるよう,指導助言を適宜行う。

計画

  1. 学生が主体的に授業に参加できるよう,グループによる話し合いや発表の場を設定する。また,現職教員と学部生,ストレートマスターといった立場を超えた交流が授業をとおしてできるようにする。
  2. 学部1年生には教職への意欲を高めることを中心に展開し,学部3年生には授業内容をまとめる力や発表する力をつけさせて教育実践力を培う。
  3. 担任や指導教員として,学生の生活上の悩み等に適切なアドバイスができるよう,対面指導やメール相談等に応じる。
(2)点検・評価
  1. 学生が主体的に授業に参加できるように,大学院の授業では現職やストレート学生,といった立場を超えたグループ間の交流ができるように配慮し和やかな雰囲気で授業を展開した。
  2. 学部1年には,障害のある子どもの保護者に話をしてもらうなど,体験的学びを多くして具体的な教師像を描くように促した。学部3年には特別支援教育の最新情報や課題を示して,それらをまとめたり,発表して教育実践力を培うよう授業を工夫した。
  3. 学内で開催されたFDに出席して,自己の授業に関する振り返りをして次年度の授業計画を検討した。
  4. 指導教員として,学生の生活上の悩み等に応じ,アルバイトの世話や教員採用試験に備えたアドバイス等を適宜,行った。

2-2.研究

(1)目標・計画

目標:障害児教育史研究と教育実践研究の両面から研究を進める。

計画

  1. 知的障害児に関する歴史研究を行う。
  2. 特別支援教育コーディネーター研修事業計画について文部科学省科学研究費を使い,研修内容につい てアンケート調査を行い検討する。
(2)点検・評価
  1. 知的障害児の進路指導の変遷について本学の研究紀要にまとめた。
  2. 教育実践研究については,以下のように行った。
    1. 文部科学省の科学研究費により,次のことを行った。①日本特殊教育学会(9月19日)の自主シンポジュウム「学校・教育行政・大学間のネットワーク作り」を企画・発表。②特別支援教育コーディネーター対象のアンケート調査,③市町村教育委員会対象の特別支援教育に関するアンケート調査。②と③については,3月に県教育委員会と県総合教育センターに報告書を提出した。
    2. 修了生との共同研究を次のように行った。①SNEジャーナルに採択された(A論文)。②学校教育センター紀要にまとめた。③10月に,SNE学会で連名で発表した。
    3. 雑誌「徳島教育」9月に「特別支援教育の課題解決に向けて」と題して学校現場に提起した。
    4. 「特別支援教育学会誌」(2009年3月)に「交流及び共同学習」について助言した。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

目標:大学の一員として,運営に積極的に携わる。

計画

  1. 基礎・臨床系教育部の運営に積極的に携わる。
  2. 特別支援教育専攻の運営に積極的に携わる。
(2)点検・評価
  1. 基礎・臨床系教育部の運営に積極的に関わっている。特に,教員免許更新制や大学院教務委員としての立場から発言した。
  2. 特別支援教育専攻の運営に積極的に携わっている。特に,今年度立ち上げた「徳島特別支援教育事例検討会」の開催に向けて専攻教員と綿密に協議し,8月に開催できた。その他,特別支援教育に関する地域や附属との連携に関する議題について協議を行った。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

目標:附属特別支援学校や県教育委員会と連携して実践課題に取り組む。また,地域の特別支援学校等に赴き,指導・助言する

計画

  1. 附属特別支援学校と連携して,同校の実践課題について共同研究を行う。
  2. 県総合教育センター特別支援教育課と共同して現職教員の質的向上を高める研修に従事する。
  3. 教育支援講師・アドバイザーとして特別支援学校等に出向く。
  4. 現職教員を対象にした公開講座を開催して実践課題のアドバイスを行う。
(2)点検・評価
  1. 附属特別支援学校と連携して,研究主任と全体構想案を検討して研究方針の決定に携わったり,具体的な実践について中学部を担当して協議を行った。また,研究大会で中学部の助言を行った。
  2. 県総合教育センターの依頼を受けて「特別支援教育コーディネーター研修講師」や「就学指導研修講師」に従事した。また,県教育委員会から依嘱を受けて就学指導委員,教科書選定委員になった。
  3. 教育支援講師・アドバイザー講師として小・中学校,養護学校に年間6回出向いた。
  4. 本学公開講座について3回に分けたところ,担当日に希望者がいなかったため実施出来なかった。
  5. 県下の特別支援学校の研究大会(8月)で「交流及び共同学習」分科会で助言を行った。
  6. 鴨島養護学校の学校評議員として学校運営についてアドバイスを行った。
  7. 県教育委員会の依頼を受けて阿南養護学校の研修生にセンター的機能や学校経営マネジメントについて助言指導した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

外部資金として獲得した文部科学省科学研究費を有効に活用するために,県教育行政や附属特別支援学校や通常学校の教員と連携して協働研究を行った。その結果,附属学校や地域との連携を深めることに貢献できた。また,附属特別支援学校との協働研究を推進するために,附属特別支援学校のセンター的機能をテーマに,日本教育大学協会研究助成金に応募した。結果は,不採択であったが,今後も外部資金の獲得に向けて努力をしていきたい。

 

最終更新日:2010年02月15日

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