自己点検・評価報告書(幼年発達支援コース)  田村隆宏

報告者 田村隆宏

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

保育現場で子どものことばの獲得を促す指導に結びつけることを意図した幼児の語彙学習に関する研究をさらに進め,成果を学会誌に公表する。また,附属幼稚園との共同研究で保育の質の向上に関するテーマに取り組み,成果を附属幼稚園研究紀要に公表する。さらに,教育心理学の基礎知識を教育実践にどのように役立てるかをわかりやすく説明した著書を出版する。

(2)点検・評価

幼児の語彙学習に関する成果については,2008年8月発行の応用教育心理学研究誌(日本応用教育心理学学会編)第25巻第1号P3-14に「幼児と大人の相互排他性棄却に関わる語彙学習過程における状況依存性」と題した単著論文を発表した。さらなる成果を英文誌に投稿準備中である。附属幼稚園での共同研究の成果については附属幼稚園研究紀要第42巻P57-62.に「保育における予想外・偶発的な出来事と保育者の意図性・計画性との関係性」と題した論文を発表した。さらに附属幼稚園研究大会でこの成果を口頭発表した。教育心理学関係の著書については,2008年4月にナカニシヤ出版から公刊された「教育実践心理学」という著書の中の「学習理論・認知」の部分を担当執筆した。さらに現在,発達心理学に関わる著書も初校待ちの段階である。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

教育実践の前提となる子どもの発達理解に関する基礎的な知識の習得と,それに基づいた具体的な実践を明確にイメージできることを目指した講義・演習のあり方を模索する。具体的な授業実践のあり方としては,受講生に常に実践的な視点をもって研究成果を捉えるという態度を育むために,講義の中で話す内容も常に教育・保育実践と対応する観点を持つものにし,さらに実践的な視点からの討論活動を講義・演習の中で積極的に取り入れる。評価も単なる知識の獲得を問うだけではなく,討論活動の様子を加味する。

(2)点検・評価

特に保育実践と関わりの深い演習の科目「乳幼児心理学」で,子ども理解に関わる内容を受講生がグループ発表を行い,そのテーマについて発表グループ,聞き手のグループ,教員を交えて保育,教育実践との関わりを徹底的に討論した。この討論によって,乳幼児心理学の研究成果を実際の保育・教育実践にどのように生かすかを思索する力が養われたことが,授業後の学生の感想から示唆された。教員側からの一方的な教示よりも,討論によってこの思索力がより育成されたと考えられる。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

学生の就職活動に対しては,講座が収集している採用試験に関する情報を提供し,過去の卒業生,修了生の情報も積極的に提供し,就職に対する意識や意欲を高める。課外活動については,フットサル同好会の顧問として活動をサポートする。また,本学フィルハーモニー管弦楽団の演奏活動に団友として賛助出演し,直接的に活動を支援する。

(2)点検・評価

指導学生の就職活動について,情報提供や意識を高めるアドバイスは積極的に行った。その結果,学部生2名,大学院長期履修生1名の計4名がすべて幼稚園教員の正式採用(3名),及び公務員正式採用(1名)を勝ち得た。フットサル同好会の顧問を引き続き担当した。本学フィルハーモニー管弦楽団には2009年3月の定期演奏会に団友として賛助出演し,積極的に活動を支えた。

2-2.研究

(1)目標・計画

現在学会誌に投稿中で審査段階にある幼児の語彙獲得に関する研究論文の掲載を実現するとともに,最近の成果をまとめる。さらに学内プロジェクトで実施しているサークル活動の教育的効果に関する共同研究を実施し,成果を論文にまとめ,投稿する。

(2)点検・評価

語彙学習関係の論文は2008年8月発行の応用教育心理学研究誌(日本応用教育心理学学会編)第25巻第1号P3-14に「幼児と大人の相互排他性棄却に関わる語彙学習過程における状況依存性」と題して掲載を実現できた。サークル活動に関する共同研究の成果については,既に論文が完成し,学内紀要に投稿予定である。また,遍路体験と道徳性の関係検討した共著論文が教育実践論集に掲載予定で現在印刷中の段階にある。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

大学運営については,昨年度から任期期間中にある大学院入試委員会委員として大学院入試関係の運営に関わる。また戦略的研究開発室メンバーとして研究計画・立案に関わり,今年度のGP採用を目指す。さらに現在進行中の専門職GPの運営委員として研究の推進に関わる。これらを通して,大学運営に積極的に関わる。

(2)点検・評価

大学院入試委員会では,試験班の班長として試験問題のチェック,試験実施に関して積極的に貢献した。戦略的研究開発室メンバーとしてGP申請の研究計画・立案に関わったが,単独での採用は実現できなかった。ただし他大学が主幹の連携校として昨年度複数の戦略的GPが採用されたため,引き続き本学がGPプロジェクトに関わることができているのが救いである。進行中の専門職GPについては運営委員として積極的に研究の推進に関わった。また昨年度は幼年発達支援コースコース長としてコースの運営に対しても先導的役割を果たした。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

附属幼稚園との連携については,月に2~3回開催される合同研修会に参加し,保育実践に関わる共同研究に加わり,その成果を附属幼稚園研究紀要にまとめる。社会との連携については,昨年度に引き続き,鳴門市子育てセンター事業の運営委員長,教育相談カウンセラーとして,市内の公私立の幼稚園教育を支援していく。また,徳島県の事業「子育て支援の匠」に登録し,市町村や子育てサークル,子育て支援活動団体を対象に,子育て力を高めるための相談,研修事業を行う。さらに教育支援アドバイザーとしてテーマを掲げ,講演等の依頼に対して積極的に赴く。

(2)点検・評価

附属幼稚園で月に2~3回開催される合同研修会に参加し,保育実践に関わる共同研究に加わり,その成果を附属幼稚園研究紀要にまとめた。鳴門市子育てセンター事業の運営委員長,教育相談カウンセラーとして,市内の公私立の幼稚園教育を積極的に支援した。また,徳島県の事業「子育て支援の匠」に登録し,市町村や子育てサークル,子育て支援活動団体を対象に,子育て力を高めるための相談,研修事業に備えた。さらに教育支援アドバイザーとしてテーマを掲げ,講演等の依頼に対して積極的に赴いた。特に昨年度は保育所の「新しい保育所保育指針改訂のポイント」と題した講演は保育所や保育関係の連合組織など計7箇所から依頼があり,積極的に赴いた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

日本教育大学協会の本学の代議員として,全国レベルの会議に出席して,教員養成系大学の運営に関する有益な情報収集を行うとともに,四国支部の研究大会の実施・運営に積極的に関わった。

 

最終更新日:2010年02月15日

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