自己点検・評価報告書 (言語系(英語)教育講座) 藪下克彦
報告者 藪下克彦
1.学長の定める重点目標
1-1.大学の活性化を目指す教育活動
(1)目標・計画
- 授業外での学習を促すよう予習・復習のための宿題を課す。
- 学生が授業に主体的,積極的に参加するよう、一方的に講義するのではなく、学生の意見を求めたり、学生間で討論する機会を効果的に用いる。
- 科目ごとに,最初の授業で成績評価の方針、基準を受講生とともに確認し、学期中、学期後いつでも受講生の求めに応じ、それぞれの成績状況を開示する。
(2)点検・評価
- 宿題を積極的に課すことにより、当初の目的である授業外での学習を促すことができただけでなく、受講生の授業の理解度、知識の定着を確認することができ、授業内容・方法また定期試験問題作成にフィードバックすることができた。
- 教科書、参考文献に書かれている内容、事実をそのまま抜き出すことでは答えることができない問題を授業中に適宜発問し、論理的思考また討論の機会を与えた。積極的な発言を促すために、発言の回数・内容などを成績に反映させた。
- 各担当科目の最初の授業で、最初の授業で成績評価の方針、基準を受講生とともに確認した。そのためか、学期中学期後を通じ、成績のつけ方に関して、受講との間に疑義が生じる事態は全くなかった。
1-2.学生支援、地域連携活動
(1)目標・計画
始まったばかりの長期履修制度に学生、教員、大学全体がまだ慣れなくて戸惑いがあるのが現状である。ゼミ生に一人、長期履修生がいることから、ゼミの機会を中心に、就学また生活上の支援を手探りながら行っていきたいと思っている。
(2)点検・評価
平成18年8月21日付で内地研究員として大阪大学に赴任したため、それ以降は、学生と日常的に会う機会は無かった。論文指導は、週末、メール、電話を利用して行うことができたが、就学また生活上の支援に関しては十分行うことができたとは言い難い。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
- 高校までの勉強は受験勉強が中心のせいか、学部生、いわゆる「ストレート院生」、現職の先生に関わらず、授業中に問題を問われると、必ず「正解」が有ると思い込み、それは何かという事だけに興味がある受講生が大半である。学問では、問題自体、問題には唯一の「正解」が有るとは限らないこと、答えに至るプロセス、答えの検証、問題とその答えの示唆の検討が大事であることなどを理解してもらえるような授業をしたいと思っている。
- ゼミ生、担任をしている学生に限らず、研究室でお茶を飲みながらリラックスした雰囲気の中で、就職、進学、生活上の相談に随時応じるとともに、ときには、あるテーマで自分の意見を言ったり、論議する機会を提供したい。
(2)点検・評価
- 質問・問題を課すにあたり、ディベート形式、答えを板書してもらい、その後、クラス全体でその答えを検討するなどの形式をとることにより、ただ単に「正解」がわかれば由とするのではなく、その質問・問題の背景にある学問的枠組み、論証の方法、学問的・実用的示唆などに受講生が目を向けることのできるよう心がけた。
- 学生が研究室に訪ねてきてくれたときは、用事が済んだ後、お茶をすすめ、なにげない世間話をするようにした。世間話が、時には、就学上、生活上の相談、時事問題の論議に発展することもあった。学期に1~2回のコンパよりも、普段の研究室での「茶話会」のほうが、コミュニケーションを図る上では有効であると思われるので、教育と研究に支障が出ない程度に続けていこうと思っている。
2-2.研究
(1)目標・計画
- 内地研究員として大阪大学大学人間科学研究科での研究期間(平成18年8月から平成19年3月)に、中山康雄教授の指導のもと、従来からの研究テーマ「主題句の形式意味論・語用論的研究」をまとめ、専攻論文(モノグラフ)にまとめる予定である。
- 科学研究費補助金などの研究助成の公募に積極的に申請し、特に学外資金の調達に重点を置く。
(2)点検・評価
- 「主題句の形式意味論・語用論的研究」のテーマで専攻論文を完成させるべく研究活動、執筆を進めているが、この過程で、明らかになった研究成果を、フォーマルセマンティクス研究会(12月11日大阪大学豊中キャンパス於開催)、動的意味論研究会(平成19年2月10−11日鳥取大学於開催)、招待講演(平成19年3月15日ポツダム大学、3月16日ドレスデン大学、3月19日ZAS(ベルリン))で発表した。
- 今回は、「言語理論「ダイナミック・パラダイム」の構築と談話処理・談話教育への応用(科学研究費補助金( 基盤B )、研究代表者:大阪大学大学院言語文化研究科・助教授・緒方典裕氏、研究期間: 平成19年度~平成22年度)の研究分担者として科学研究費補助金の申請に加わったが、次回は、研究代表者として科学研究費補助金の申請をしたいと思っている。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
前年に引き続き、大学院教務委員会委員として、本学の運営に貢献する。
(2)点検・評価
内地研究のため、8月20日までであったが、前年に引き続き、大学院教務委員会委員として、本学の運営に貢献することができたと思う。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
- 授業(「教科教育実践」、研究授業)などのおりに、附属学校教員との交流を深め、共同研究の環境づくりに務める。(附属学校)
- 大学と地域・社会また留学生との交流、相互理解を図る事業に取り組みたい。(社会連携、国際貢献)
(2)点検・評価
- 内地研究のためもあって、計画していたほど、付属学校との連携・交流につとめることはできなかったが、鳴門教育大学英語教育学会夏の大会のシンポジウムに応牛教諭をパネリストとして招聘、また、附属中学校のLFタイムの講師として出向くなどした。
- それほどのことはできなかったが、それでも、授業の受講生であった(ムジトさん(インドネシア)、宋さん(中国)、金さん(韓国))の人たちを中心に、留学生と、日本とそれぞれの国の事柄などについて話したり、時には、帰国のための荷物を運ぶ手伝いなどして、交流を図った。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
- 第7回鳥取大学英語教育研究会(鳥取大学,鳥取市,12月16日)で、『「コミュニカティブ」な文法とはどんなものか?—情報伝達の観点からのひとつのアイデアー』のタイトルで招待講演を行った。
- ドイツの大学および研究所(ポツダム大学、ドレスデン大学、ZAS(ベルリン))で、内地研究中の研究成果の一部を発表する招待講演を行った(平成19年3月)。
最終更新日:2010年02月17日