自己点検・評価報告書 (言語系(国語)教育講座) 原卓志
報告者 原卓志
1.学長の定める重点目標
1-1.大学の活性化を目指す教育活動
(1)目標・計画
- 受講の目的意識をしっかりと持たせることにつとめる。そのために、模擬授業などの授業形式を取り入れるなど、学生参加型の授業を工夫したい。
- 受講学生同士の評価や、受講生の自己評価を取り入れた成績評価を工夫したい。
(2)点検・評価
- 授業開始時にシラバスを利用して、授業の目的、到達目標などの周知徹底を図った。その結果として、目的意識を持たせることについては期待通りの成果をあげることができた。また、模擬授業を取り入れた授業では、受講生同士の積極的な討議の場をつくりだすことができ、学生主体の授業とすることが出来た。今後は、模擬授業形式を取り入れていない授業について、どのように工夫するかを考えることが課題となる。
- 受講生同士の評価、受講生の自己評価を取り入れることによって、受講生の授業を見る目に変化が起こりつつあるように思われた。しかし、受講生の評価の観点や基準(規準)が明確でなかったために、統一性を欠いたものになった。今後は、その評価基準(規準)を明確化するように努めたい。
1-2.学生支援、地域連携活動
(1)目標・計画
教員採用試験合格のために、積極的な支援を行っていく。
- 個人・集団面接の指導や、模擬授業指導、指導案作成の指導など、個別に指導を行う。
- 各都道府県の教員採用状況を踏まえて、適切な指導助言を行う。
(2)点検・評価
- 就職支援行事の模擬集団面接・模擬個人面接の講師を2回(4月22日、8月16日)担当した。また、その他、自己アピール文の添削指導、面接指導などを個別に行った。その結果、2人の学部ゼミ学生のうち、1名が正式採用された(1名は、臨時採用待ち)。
- 国語科の地元志向の強い学生に対して、大阪府など大都市の受験を強く勧めた。その結果、何名かは地元を離れて受験し、正式採用されることになったが、何名かは地元にこだわるが故に、不合格となった。本人の考え方もあり、無理強いすることは出来ないが、今後も粘り強く、大都市圏受験を勧める。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
- 授業に、模擬授業や、グループ別の討議を取り入れて、学生参加型の授業展開を図る。
- 演習や模擬授業の担当者には、十分な事前指導を行うようにする。
- 学生の肉体的・精神的健康に対し、常に配慮して、共に学ぶ仲間意識を持たせるよう、工夫したい。
(2)点検・評価
- 模擬授業を取り入れた授業は、先述の通り、かなり充実した成果をあげることができた。グループ別討議を取り入れようと計画していた授業は、受講生が少なく、グループに分けるに至らなかった。しかし、全体討議の場では、TT形式の授業であることも手伝って、様々な観点からの積極的な意見が出され、これも充実した成果をあげることができた。今後は、グループ別討議が出来るくらいの人数を集めることが課題となる。
- 演習・模擬授業の担当者への事前指導は、学生との時間調整がうまくいかず、十分であった時と、不十分に終わった時とがあった。過密なスケジュールの中で、どのように調整するかが課題となった。
- 学生には、授業時間以外でも顔を合わせれば、何か声を掛けるように心がけた。特に担任するクラスの学生には、常に気を配って会話するように努めた。現在の所、不登校などの問題となるケースは見られない。
- 学生の自主的な学習(授業外)を促進することを目的として、国語学担当教員間で図書選定を行い、計画的に購入して、これを図書館に配備した。また、これらの図書については、積極的に紹介した。
2-2.研究
(1)目標・計画
- 現在の研究テーマである「行為指示型表現の歴史」について、中世・近世の資料をまとめる。
- 臨江山地蔵寺所蔵文献の整理と調査を続行し、本年中に、75パーセントを終了したい。
- 高知市自由民権記念館細川文庫所蔵の角筆文献調査を続行し、本年度中に調査を終了したい。また、この調査を基にした共同研究の立ち上げについて、関係の研究者と協議していきたい。
(2)点検・評価
- 「行為指示型表現の歴史」について、中世末から江戸後期の資料を分析中である。18年度中に成果の一部を論文として発表したかったが、論文とするまでには至らなかった。
- 臨江山地蔵寺所蔵文献の整理と調査を続行し、18年度末で、90パーセントを終了した。
- 高知県自由民権記念館細川文庫の角筆文献調査はほぼ終了したが、なお、確認調査の必要性が残されている。また、共同研究としては、一旦細川文庫を離れ、京都醍醐寺の宋版一切経の角筆文献調査研究を行うこととなった。この研究については科学研究費補助金を申請(代表者、小林芳規広島大学名誉教授で、分担者として参加)した。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
前年に引き続き、学部教務委員会委員として、本学の運営に協力していく。
(2)点検・評価
- 学部教務委員会委員として、本学の運営に協力した。
- 学部入試院会委員として、本学の運営に協力した。
- 附属学校運営委員会委員として、本学の運営に協力した。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
- 学部附属連絡協議会の一員として、研究協議に参加する。
- 県内小・中・高等学校からの授業・講演など協力依頼があった場合には、できる限り応じるよう努める。
(2)点検・評価
- 学部附属連絡協議会(国語科)の一員として、2回の研究協議に参加し、附属学校教員との連携を図った。
- 徳島市大松小学校からの出前授業の依頼を受け、19年2月20日、6年生2クラスで国語の授業を行った。
- 第7回徳島国語教育実践研究大会(8月19日、鳴門教育大学附属小学校)において、ワークショップ「古典と文法」の講師をつとめた。
- 阿南工業高等専門学校からのカリキュラム外部評価委員の依頼を受け、18年12月12日、同校の国語科カリキュラムの評価を行った。また、その際に、同校国語科教員との国語科授業のあり方や、カリキュラムの編成について有意義な意見交換の場を持つことが出来た。
- 18年7月3日に、本学を会場として開催された第5回日韓国語教育セミナーに参加し、積極的な国際交流に努めた。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
- 大学院生を確保するために、交流を続けてきた松山東雲大学から、18年度入学生として1名、19年度入学生として4名を確保することが出来た。また、広島女学院大学から19年度入学生として1名を確保することが出来た。いずれも、相手大学教員との関係構築が実を結んだものと考えている。
- 指導してきた大学院生を兵家教育大学連合大学院へ進学させることが出来た。ただし、主指導教員資格を持たないために、岡山大学に所属することになってしまった。
- 学部入試(前期日程試験)に関しては、特に貢献した。
最終更新日:2010年02月17日