自己点検・評価報告書 (言語系(国語)教育講座) 小野由美子

報告者 小野由美子

1.学長の定める重点目標

1-1.大学の活性化を目指す教育活動

(1)目標・計画

  • 学生中心の授業実践に努める。その方策は以下の通りである。
  1. 一方的な講義のみに終わらず、授業中の質問・対話・討議を促す。
  2. メールを活用して授業の振り返りや質問を促す。
  3. 体験的な活動(インタビュー、調査)を導入する。
  • 成績評価については毎回の発表、報告、リフレクション・メールなどで理解をチェックし、継続的評価を実施する。学生による自己評価と教師による評価を相互にチェックし、双方ともに納得のいく評価を行う。

(2)点検・評価

  • 1、2についてはほぼ実施できた。3については今年度は実施することができなかった。教員の工夫も必要であるが、受講生の性格やグループダイナミックスによって、授業の盛り上がり方が毎年異なるのは興味深い。その意味で、少し、盛り上がりに欠けていた。
  • 毎回送ったリフレクション・メールを授業の最後に通読し、自分自身が授業で何を考え、何を学んだかを確認し、評価する作業を実施した。自己評価と教員による評価とが食い違っていた例が一例あったが、資料をもとに本人に説明した。

1-2.学生支援、地域連携活動

(1)目標・計画

  • JICA長期研修員、外国人留学生の異文化接触に伴う異文化摩擦を軽減し、異文化適応がスムースに行われるよう、オリエンテーション、アドバイシングを行う。
  • 地域の学校における国際理解、異文化理科へ人材、教材の紹介を行う。
  • 日本語教育分野の教員、学生と協力して、日本語を母語としない子どもたちへの支援を充実する。
  • 南アのプロジェクトで蓄積した経験、知見をアフガニスタンの教師教育強化プログラムにおいて生かす。

(2)点検・評価

  • 研修員、留学生へのアドバイシングは、メール・口頭で、日常的に行い、環境への適応をすすめるために、懇親会などの企画も積極的に行った。
  • 公務による海外出張が多かったが、都合のつく場合には学校に出かけて生徒の国際理解を支援した(志知高校)。
  • 大学院生の修士論文のテーマとも関連させ、日本語教育の支援のため県内の小・中学校に院生を派遣した。
  • アフガニスタン教師教育強化プログラムは、現地カウンターパートからも評価が高く、JICA・STEPのプレゼンスを高めることに貢献した。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  • 大学院で担当している日本語教育は極めて実践生の高い領域である。日本語教師になることを希望している学生が、実際に日本語指導に携わる実の場を持つように努め、実践の中から課題を見つけ、授業で仲間とその課題を共有するとともに、仲間とともに解決策を考えるような授業を実践する。
  • 授業では、参加者が自分の意見を自由に述べることができる環境作りをする。またともに学ぶことを通じて、同じ志をもつ仲間のネットワークを形成するように支援する。

(2)点検・評価

  • 学内、学外で日本語教育の実践に関わり、community of practiceの中で学んでいけるように最大限配慮した。国内外の学会への参加発表を促し、全員、全国学会で発表し、ゼミ生4人のうち、2人は国際学会で発表する体験をした。
  • そうした学会、研修会への参加を促すことで、研究・実践のネットワークを構築しつつある。
  • 教職に就くことを希望している院生が、アメリカ研修に参加し、現地の第二言語習得のための実践についても、見聞を広めるように支援した。
  • 研究の進め方の基本を習得するように指導助言した。
  • 公務による海外出張中も、メールによる指導・助言は欠かさなかった。

2-2.研究

(1)目標・計画

  • 国際教育協力に関与する中で教師発達、現職教育制度に関して収集したデータをもとに論文をまとめ、専門誌に投稿する。
  • 日本語を母語としない子どもが増えるなど、変化に対応した養成教育のあり方について資料を収集し、学会で発表するとともに、専門誌に投稿する。
  • 授業改善に果たす授業研究の効果について、海外の研究者と共同研究を進め、その成果を逐次国際研究集会で発表する。

(2)点検・評価

  • Journal of International Cooperation in Educationと “Mathematics and Science Education in Developing Countries: Issues, Experiences and Cooperation Prospects”(フィリピン大学出版会、2007)にアフガニスタンの教師教育、南アフリカのMSSIプロジェクトについての論考が掲載(収録)された。
  • 日本語を母語としない子どもたちについて、教員養成学部生がどのような理解をしているかアンケート調査を実施し、その結果を、日米教師教育学会、日本教師教育学会で発表した。また、結果をまとめ直し、学会紀要に投稿した(審査中)。
  • 授業研究による生物の授業改善を、定性的、定量的に分析した論文を専門誌に投稿し、掲載された。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  • 現在、国際交流委員会メンバーとして本学の国際交流を積極的に推進している。
  • また、その他の学内各種委員に任命された場合には、所属することとなった委員会活動を通じて大学運営に貢献する。

(2)点検・評価

  • 出張と重ならない限り、国際交流委員として国際交流推進に協力した。特に、書類、書式の英訳などを依頼された場合、積極的に支援した。
  • 公務出張が多く、代理出席をお願いすることも多かった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  • 附属学校から国際理解に関する指導・助言に関する依頼があった場合には、積極的に受け入れ、協力支援する。
  • 徳島県、徳島県教委及び各種団体からの講演依頼があった場合にも、時間と能力の許す限り協力する。また、従来から教育支援アドバイザーの申し出が年間に3件程度あり、このことについても、協力を惜しまず、積極的に対応することとした。
  • 国際教育協力事業に関しては、これまでの経験を十分生かし、依頼があった場合には積極的に参加する。
  • 日米教師教育会議(JUSTEC)、ICETの開催に積極的に協力する。

(2)点検・評価

  • 附属学校からは特に依頼はなかった。
  • 志知高校からの教育支援アドバイザー依頼は、日程を調整して協力した。
  • アフガニスタン教師教育強化プログラム(STEP)副総括として、現地においで活動に従事し、高い評価を得た。また、アフリカ・アジア大学間対話では「授業研究」講師、ディスカッサントとしてウガンダ、広島での会議に参加した。
  • 広島大学教育開発国際協力研究センター10周年記念シンポジウムで、「国際教育協力における教員養成学部の役割」をテーマに発表した。
  • 南アフリカ、アフガニスタンから研修員を受け入れ、研修実施に全面的に協力した。
  • 日米教師教育会議では、院生と共同発表するとともに、ICETでは、理事として年次大会開催に協力した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  1. 本学留学生のケアー
  2.   受け入れに関係する相談、受け入れ後の教育・研究・生活面での問題の解決に貢献している。また、教員研修留学生を対象とした「日本の教育と文化」は本学独自のものであり、そのプログラム・コーディネーターとして、プログラムの企画立案を行った。
  3. 国際教育協力
  4.   アフガニスタン教師教育強化プログラム(STEP)では副総括としてコンサルタントと協力しながらプロジェクトの効果的な実施につとめ、同プログラムはアフガニスタンにおいて高い評価を受けている。また、授業研究というツールを用いて教員が継続的に授業改善に取り組むことを支援するため、ウガンダ、南アフリカで指導助言を行い、アフリカ諸国における本学のプレゼンスを高めることに貢献した。
  5. 学生への還元
  6.   国際教育協力で得た経験やリソースを本学学生に還元している。
最終更新日:2010年02月17日

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