自己点検・評価報告書 (授業開発講座) 伊東正貴

報告者 伊東正貴

1.学長の定める重点目標

1-1.大学の活性化を目指す教育活動

(1)目標・計画

  教育をめぐる状況の変化は激しく,また速いので,学部生,院生を問わず,この状況変化に流されることなく,教育の本質を理解し実践できるように,共に学び歩んでいく。そのために現象論としての教育学の基礎となるべき考え方・方法論の提案を目標に,授業内容を改善していく予定。また学生の意見を十分に引き出し,その内容に適切に応えていく工夫を行う。そのような対応は学生の意欲に結びつくと信ずる。またその意欲の表れを積極的に評価する。

(2)点検・評価

  教育事情の大きな変化に合わせ,その拠り所となる考え方,資料の提示,授業の進め方を大きく変えて,ゆとりを持たせた授業形態を試みたところ,学生の学習姿勢に大きな変化(熱意)が見られるようになったことから,この姿勢を維持していく。
  学生の能力はどこでも大きくは差はないので,当人に考えるきっかけを与えるように,十分に時間をかけている。結果として,熱意にあふれた(受講姿勢が大きく変わった)学生がでてきたことに,大きな手応えを感じる。(過去の授業内容は全て入れ替え,授業形態も変えた。) 成績評価に関しては,従って,支援する立場から,十分な時間的,思考する余裕を与える姿勢をとっている。

1-2.学生支援、地域連携活動

(1)目標・計画

  過去4回にわたって附属中学校LFタイムでお話とデモンストレーションを,また1回の大学地域開放事業を行ってきた(計4回の実施を経験)ことを基礎に,現代に,また近未来に生きる子どもたちに伝えるべき知識・技能の方向を学部学生,また院生に対しても伝えていく予定。これらの方向付けは,教職に就いたときに大いに役に立つはずである。

(2)点検・評価

  学生支援に関しては,講座所属の学生への支援,教員研修留学生への支援,学生支援委員会を通して考えたことを学生に戻したことなど,十分に支援を行ったつもりである。
  平成18年8月7日,8日,9日,10日の4日間にわたり,「10年目経験者研修会」講師を勤めた。
内 容:確かな学力の育成【1】,【2】 
学習指導の評価の歴史的変遷と現在の考え方
対 象:和歌山県 小学校,中学校,高等学校の計106名の教員(地域連携)
小,中,高校教員が一緒であり,多人数であったことは対応が大変ではあった。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  近年,教科教育に対する学生からの志望・人気は激減している。しかし,教科教育は学校教育の要であることから,その大切さを考えさせ,気づかせたい。そのために,これまでに研究・開発してきた教材等も演示する機会を設ける予定。

(2)点検・評価

  授業科目「教育課題探究」等で,これまでに工夫,作成してきた教材等を用いて,教育実践の重要性,身体を使った学びの導入の大切さを伝えることに務めた。
  この事に関しては,努力の割には,受け止めかたが少なかった。理由は,(1)学生自身,自分の身体を使う学びの経験が少ないこと,(2)出来るだけ言葉の上だけの学びに収めたい,ことにある。これらの問題点は正に現代教育で問われることであるが(知識はあっても,使えない),限られた時間と環境ではやむを得ない。根気強く,教育の改善を訴えていくより仕方ないと考えている。(真の教育は,総合的,全体的な成長,発達を支え,促すことにある。)
  分かり易く,楽しい授業に止まっていてよいかどうか,試みを継続する。

2-2.研究

(1)目標・計画

  急激に変わりつつある教育を取り巻く状況に対して,教育実践の本質・基本は何であるか,そのよって立つところを少しずつ明らかにしていくことを目標にする。

(2)点検・評価

  以下の研究発表を行った。
  • ICPE 2006 (TOKYO) 平成18年8月
  • 日本科学教育学会      平成18年6月
  • 第2回日中教師教育学術研究集会 平成18年10月
  永く,教員養成,教師教育研究に携わってきたので,限られた時間ではあるが,その成果を伝えておく努力を今後も継続する。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  これまでも多くのプロジェクト活動に参加し関与してきたので,その方向で同様に進める予定。本学に合った,必要とされるテーマの設定がされると,協力を仰ぎやすいと思われる。

(2)点検・評価

  教職大学院への再編,移行は非常に重要なことであり,協力は惜しまないが,直接の担当,責任が取れないために,支援に徹する。
  学生支援委員会委員として,学園便りの記事等,学生へのメッセージをどのような内容を伝えるべきか,変革の速い世界情勢を含めてまとめ,伝える努力をした。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  附属中学校で過去4回のお話を経験してきたので,その延長上のことは必要に応じて行う。
  社会的に参加する機会があれば,協力は惜しまない。
  国際交流に関しては,本年は特に二回目,日中の教師教育に関する研究集会があるので,参加する予定。

(2)点検・評価

  本年は附属校の都合で,お話の機会は次年度送り(平成19年7月予定)になった。
  「10年目経験者研修会」で講師を勤めたことは,翻って,本学の学生に対しても良い効果をもたらすことが出来た。
  教員研修留学生1名を指導,修了させた。また,第二回日中教師教育研究集会にて研究発表を行い,このことは授業等を通して,本学の学生にも良い効果を与えることができた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  本年度、ICPE研究発表,日中教師教育研究集会研究発表,学園便りをまとめるにあたり学生へのメッセージをまとめたことなど,主として授業を通して学生に,また大学に貢献したものと考えている。
  教職大学院に関して,本学の要であるだけに関わりたいが,担当出来ない以上,支援の立場に徹するよりやむを得ないことは残念。
  講座院生定員確保に関して,機会をつかまえて呼びかけ,案内を行ってきているのであるが,残念なことに,十分な実を上げていない。依頼先からの返事としては,現在就職状況が良いため,学生が居ないこと,及び,自講座の大学院へ進学させてしまう(乃至は,良く知っている,自講座に残りたい学生心理からの)ために,受験者が増えないことにある。
最終更新日:2010年02月16日

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