平成21年度特別表彰受賞者

所属・氏名 自然・生活系教育部 米延 仁志 准教授 米延先生(21).jpg
自己点検・評価書 http://www.naruto-u.ac.jp/information/08/011003007/009120.html
研究者総覧
データベース
http://www.naruto-u.ac.jp/edb/researcher/2010121603439/
選定理由及び
優れた教育手法
 米延仁志准教授は、年輪年代学、古気候学を専門分野とし、樹木の年輪パターンの分析による年代の科学的な決定や、それらを踏まえた地球上の環境変動の解明に、これまで多くの成果を発表してきた。さらに、近年は湖沼堆積物などの年層を手がかりとして、過去の気候変動(古環境の変動)の歴史を明らかにする先端的な研究に精力的に取り組んでいる。特に、平成21年度科学研究費補助金(新学術領域研究)において、米延准教授を研究代表者とする「年縞堆積物による環太平洋諸文明の高精度環境史復元」が採択された。この研究は、環太平洋地域の自然環境システムの変動を復元し、環境変動と人類の文明社会との相互作用を明らかにしようとする壮大なプロジェクトであり、その成果が注目される。米延准教授の研究活動は、学生たちの「科学する心」をも刺激し、教育効果は大であり、かつ外部からの大型研究費の獲得という面においても大学経営に大いに貢献した。
受賞者のコメント

(アピール)
 樹木年輪や湖沼の年縞堆積物を使った古環境の復元に取り組んでいます。現在,地球温暖化や環境破壊など,地球規模の環境問題の人類社会への深刻な影響が懸念されています。しかし,我々が知りうる過去の観測記録は古くまでさかのぼっても過去100年程度しかありません。さらに過去を見てみると現在より温暖であったり,急激な寒冷化が起こった時代もありました。そうした環境変動は,ときには人類社会を壊滅状態にしたり,逆に人間の生産活動が地球環境に影響を及ぼしたりしました。”温故知新”という「論語」の古い言葉がありますが,古環境復元の意義はまさにそういうことです。

 

(研究に関する情報公開)
 平成21年度から25年度の計画で,文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「環太平洋の環境文明史」が発足しました。この研究プロジェクトでは,環太平洋という広い地域に属するマヤ(中米),アンデス(南米),琉球列島の島嶼文明など古代文明の興亡と高精度で復元した環境史との比較研究から,地球環境の変動は人類社会にどのような影響をあたえたか,また文明はなぜ滅ぶかについて考えていきたいと思います。

 

最終更新日:2012年9月13日

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