3.附属図書館

1. 特記事項

平成21年度の特記すべき取り組み事項は,以下のとおりである。

 

  1. 休業期間中の平日の開館時間変更(8:45~17:30→8:45~17:15)
  2. 大村はま文庫学習記録閲覧室の利用開始
  3. 図書館保存書庫竣工
  4. 附属図書館企画展示「名所図会と徳島-阿波名所図会を楽しむ-」
  5. 総務部学術環境課学術情報チームから教務部教務課図書テームへ名称変更

2. 管理運営

  1. 附属図書館運営委員会
      附属図書館運営委員会は附属図書館長,各教育部から選出された教授等,委員11名で構成し,事業計画の策定や予算に係る重要事項等を審議している。
  2. 事務組織
      法人化後は図書購入に係る契約事務は会計課に一元化し,それまでの3係体制(管理,目録,サービス係)から資料係,サービス係の2係体制となっていたが,チーム制の導入に伴い平成19年7月から学術情報チームに変更した。平成21年4月から教務部教務課図書チームへ名称変更した。
  3.  

    【課題】
      昭和62年竣工時の図書収容力は約18万冊であったが,平成21年度末の配架資料は約31万冊である。ここ十数年閲覧席を減し書架を増設することで増加資料に対応してきたが,これ以上閲覧席を減すべきではない。今後の資料配架スペースを確保するために,資料の受入・保存基準を早急に整備し,狭隘化への抜本的な対策を講じることが喫緊の課題である。
     なお,平成21年度には人文棟北側にあるボイラー室を改修し,図書館保存書庫が竣工した。

3. 教育支援

  1. 蔵書
      日本の図書館2009(日本図書館協会)によれば,学生1人当り蔵書数は291冊で,国立教育系大学図書館の中では最多である。
      <参考 学生1人当たり蔵書数(90KB)>
  2. 学術資料の収集整備
      教員養成大学として幅広く各分野の資料を選定しており,学生図書は全教員の推薦により購入し,図書館に備える基本図書は学生の利用状況や蔵書構成を勘案して職員が選定している。また,授業に関わりのある参考文献や学生から要望があった資料を購入している。
      外国雑誌については,図書館購入の冊子体は少ないが電子ジャーナルについては約4,600タイトルを利用できる。
      教科書については小学校及び中学校用を改訂時に整備している。高等学校については徳島県内の高等学校が採択している教科書,指導書を基に整備している。「学習指導要領」,「学習指導要領解説」は教科書コーナーに別置している。
  3. 開館・利用状況
      平成21年度開館日数は328日である。授業期平日は8時45分から22時,土・日・祝日は11時から18時まで開館している。休業期間中の平日の開館時間変更(8:45~17:30→8:45~17:15)を平成21年4月から実施している。日本の図書館2009(日本図書館協会)によれば,利用者1人当り年間入館数は67回で,国立教育系大学図書館の中では最多である。
      <参考 利用者1人当たり平均入館回数(97KB)>
  4. 情報リテラシー支援(図書館利用指導)
      新入生オリエンテーションでは「図書館利用案内」を配布すると共に,図書館の紹介を行っている。4月には学部1年生(新入生全員)を対象とした「基礎情報教育」授業において,本学や全国の大学図書館で所蔵している資料や国内で発行している雑誌論文の検索方法について説明した。また,大学院生が受講する「臨床心理学研究法特論」でも,図書館員が1コマの授業を利用して,文献検索,資料の入手方法等について説明した。
  5. 図書館間相互貸借(ILL: Inter Library Loan)
      相互貸借や文献複写の申し込みは図書館ウェブからも可能となっている。ここ10年ほどの利用のピークは平成10年度であり電子ジャーナルの普及もあってか依頼件数は減少してきている。また,鳴門市立図書館と資料の配送システム等のデリバリーサービスを引き続き実施,利用者からは好評である。
      <参考 ILL(国内文献複写)件数(163KB)  ILL現物貸借冊数統計(84KB) >

     

    【課題】
      利用者への広報に務める。
  6. 利用者懇談会
      平成21年度の利用者懇談会(大学院生,学部生)を平成21年秋に開催した。そこで出された要望事項を検討分類し,その実現に向けての取り組みを続けている。

     

    【課題】
      土・日・祝日の朝の開館時間をもう少し早めて欲しいという要望があった。
  7. 館内環境の整備
    1. 学習環境の整備では,個人閲覧用机(キャレルデスク)の増設を行った。

       

      【課題】
        個人閲覧机を増設すること。
    2. 平成21年度末に人文棟北側にあるボイラー室を改修し,図書館保存書庫が竣工した。同書庫に図書館内の洋書,戦前・戦中・戦後図書等を移転した。
  8. 大村はま学習記録閲覧室が利用開始
      平成20年度概算要求事項が認められ,2階貴重資料室に所蔵されている大村はま文庫「学習記録」の複写物の作成(2,060冊)が行われ,平成21年4月から複製物は大村はま学習記録閲覧室に保管され,使用されている。
     平成21年度の利用状況としては,大学院・学部の授業,および課題研究の資料として,本学教職員の日々の利用はもとより,卒業・修了生のほか,毎年,筑波大学・広島大学等全国からの研究者(教員・院生等)を合わせた253人の利用があった。来学者が,本学所蔵の超一級資料として見学に訪れている。

4. 研究支援

電子図書館サービス機能の充実
  1. 電子情報サービス
      図書館ウェブページ学内の別サイトへリンクから本学研究成果としての学位論文要旨,教科教育実践学関係資料,後藤家文書画像データベース,子どもの心を理解するための絵本データベースを公開しているほか,PsycINFO等のデータベースと約4,600タイトルに上る電子ジャーナルを提供している。なお,本学所蔵資料の目録(OPAC)についてはデータの遡及入力を終え,図書館ウェブページから提供できている。
  2.  

    【課題】
      電子ジャーナルの安定した継続供給への努力が求められる。

5. 地域貢献

  1. 一般利用者(社会人,他大学学生,本学の卒業生・修了生等)への図書館利用サービス
      平成21年度は346人が利用登録を行った。この10年間において一般利用者への貸出冊数が約1.5倍に増加している。
  2. 附属図書館企画展示の開催
    1. 「名所図会と徳島-阿波名所図会を楽しむ-」
       江戸時代に出版された徳島の観光案内書「阿波名所図会」(本学図書館所蔵)の墨絵をカラー化した展覧会を鳴門市立図書館と共催で行った。展示されたのは「矢上の楠」など15景。B4サイズほどの原画を本学の学生たちがデジタル技術で彩色。眉山から眺めた桜,旅装中姿の人々などが再現された。来館者は熱心に見入っていた。会場は鳴門市立図書館ロビーで5月7日から6月3日まで開催した。
    2. 中国四国国立大学図書館貴重資料等共同展示「地域からみた江戸時代の四国遍路」
       岡山市デジタルミュージアム・岡山大学附属図書館主催の「池田家文庫絵図展」の開催会場に〔教育〕という共通テーマでパネル作成・展示を開催した。
       本学は近世後期の倒れ遍路とそれに対する村の対応を本学図書館所蔵「後藤家文書」を素材に紹介した。来館者は熱心に見入っていた。9月29日から10月18日まで開催した。
  3. 児童図書室学内の別サイトへリンクの利用サービス
      児童図書室長,専任の職員を始め学生のボランティアが交代で活動しており,開室23年を迎えた。平成21年度は延べ4,316人が利用し,図書貸出は 5,785冊であった。企画行事として,絵本の「読み聞かせ」やストーリーテリング,七夕会や冬のお楽しみ会,学外のボランティア団体によるお話会及び講演会を開催した。これらは,子どもの発達を支援するとともに,将来教師になろうとする学生にも生きた教育実践の場としても機能している。また,「子育て支援活動」及び地域住民との交流を促進することにもつなっがている。
最終更新日:2010年12月17日

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