自己点検・評価報告書(藤原伸彦)

報告者 藤原伸彦

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

①平成21年3月に終了する「特色GP」での取組を発展させ,各種メディアや映像をはじめとするデジタルコンテンツを用いて学生が授業実践力の向上を図ることが出来るようなシステムを構築する。具体的には,モバイルデバイス(小型ノートPC,携帯電話など)および紙ベースのメディア(実習録,手帳など)を活用し,学生が授業外の時間に自身の授業実践を省察することができるような方法論を構築する。また,これらのシステムを活用することにより,学生の省察力が向上するかについて検証する。
②「子ども歩き遍路」に参加した本学学部生・院生の学びの様相について検討する。学部生・院生が残した記録(フィールドノーツ/「出会い,かかわり,生きてゆく」体験活動というタイトルで報告書とした)を解析し,どのような学びがなされており,教員に必要な資質とどのように関連しているのかについて明らかにしたい。この研究は,教室場面とは異なる体験活動における子どもたちの学びの支援や,いわゆる「生きる力」を育むことにsensitiveな教員の育成につながる。

(2)点検・評価

①モバイルでバイスとしてiPod Touchを利用して,Webにある映像データをダウンロード,好きなときにそれを視聴できるシステムのプロトタイプを開発した。現在このシステムを,教職大学院教員養成特別コースの学生にiPod Touchを貸し出し,学生が実施した模擬授業を省察するのに活用している。

②「子ども歩き遍路」に参加した学生たちの記録した記録を,現在分析中である。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 平成21年度より地域連携センター(兼任)から高度情報研究教育センター(兼任)となること関連して,高度情報研究教育センターの教員と連携しながら,上記1-1「1.目標・計画①」の①として掲げた研究を推進したいと考えている。その研究の推進のために,科研費の申請を行いたい。

(2)点検・評価

 科研費を申請し,「Webビデオアーカイブとモバイル機器の連携による教育実習生の省察支援」という課題で助成を受けることとなった。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

 教職大学院は,ようやく2年目を迎える段階であり,学生が模擬授業や教材研究などを行う実践的研究の場や教材が十分に整っていない。そこで,教職大学院 教員養成特別コースの院生が十分に学習・研究活動を行えるよう,環境を整える。また,他大学から進学してきた院生に対しては,新しい環境での活動にスムーズに入れるよう,支援を行う。(特にICTの活用の面で行いたい。)

(2)点検・評価

教員養成特別コースの学生が十分に実践と研究を行えるよう,新たにPCを購入したり授業実践に活用できるICT機器(モバイル型の実体映写機など)を購入したり等,院生室(セ308)の環境を整えた。また,目標・計画①-(1)に関連し,学生が自身の模擬授業等を省察しやすい環境を整えた。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

 上記1-1「1.目標・計画①」の①として掲げた研究を行う。特に,認知心理学の観点から「思考力」をテーマにアプローチしたい。

(2)点検・評価

 附属幼稚園との連携により,附属幼稚園での実践映像をWeb上にデータベース化した。このデータベースには,附属幼稚園教員による実践事例についての解説も掲載している。解説に含まれる内容については,附属幼稚園教諭と大学教員による合同研究会で吟味されたものであり,幼稚園教諭を目指す学生にとって保育について考えるための非常に有用なシステムとなっている。なお,平成22年度6月に,学部生対象の授業においてこのデータベースを用い,学生の学びを支援するのに使えるかを検証する予定と成っている。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  従来同様,各種GPの取り組みや,徳島県の教員研修に関するプロジェクト等,大学全体の取り組みに寄与していきたい。

(2)点検・評価

・現代GPの取組の一環として,「子ども歩き遍路」を実施し,参加者からは非常に高い評価を得た。その内容についてはNHK総合「ホリデーにっぽん」の取材を受け,11/3に放映された。放映内容についての反響も多かった。

・香川がメイン校となっている「四国の知GP」に取り組んだ。平成21年度の主たる取組は,大学の授業の映像コンテンツ化である。阿波学をはじめとする授業の映像を撮影し,コンテンツとして整備した。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①特色GPの成果である「映像データベース」の運営を通して,附属学校と連携して学部生の教育実習を支援する。

②大塚国際美術館,鳴門市との連携のもとに,美術ワークショップ「N*CAP」を実施する。

③鳴門市コンピュータ推進協議会の委員として,鳴門市の情報教育に寄与する。

④徳島県が実施している「e-とくしま」の教育分野の委員として,徳島県のICT活用の推進に寄与する。(H21年度より教育分野の座長になる予定。)

(2)点検・評価

①附属校園と連携して,「映像データベース」の充実を図った。また,附属幼稚園とは科研費の助成を受けて共同研究を実施し,附属幼稚園の教諭による実践の映像とそれに関する解説を含んだ「遊誘財データベース」を構築した。

②大塚国際美術館,鳴門市との連携により,「N*CAP」を実施した。

③鳴門市コンピュータ推進協議会の委員として,鳴門市の情報教育の発展に寄与した。

④「e-とくしま」の教育分野委員として,徳島県のICT活用の推進に寄与した。(ただし,諸般の事情により,座長とはならなかった。)

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

①鳴門教育大学 教育と学校を考える会の「子ども歩き遍路」は,特にNHKで取り上げられて以降,他所からの反響も大きく,大学の広報として少なからず貢献できたと考える。

②特色GPで取り組んできた「映像DB」についても,奈良教育大学や愛知教育大学から視察があったりなど注目度が高く,この点についても大学の教育研究活動を他に知らしめる点で貢献できたと考える。

 

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