自己点検・評価報告書(廣瀬隆司)

報告者 廣瀬隆司

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 「算数教育における教師の質の検証とその向上に関する研究」
① 本研究の対象は, 小学校の現職教師・教育実習生・第6学年の児童である。
② 算数教育における資質を内的側面と外的側面に分けるとき, 内的側面は, 数学に対する信念・価値・素質・感情・態度という5つの観点から捉える。小学校の現職教師の外的側面は,全般的な授業実践力及び局所的な授業実践力, 教育実習生の外的側面は, 全般的な授業実践力, 児童の外的側面は, 授業理解及び内容理解という観点から捉える。
③ 調査を実施し, 調査結果の分析及び考察をから, 算数教育における教師が持つべき資質と目指すべき授業実践に対しての提言を行う。

(2)点検・評価

 本研究では, 以下に示した調査項目及び調査問題を開発し, 小学校の現職教師137名・教育実習生95名・第6学年の児童332名を対象とし, 調査を実施した。

① 教師と児童の数学に対する信念・価値・素質・感情・態度に関する5つの調査項目の開発 

② 教師と教育実習生の全般的な授業実践力及び局所的な授業実践力に関する2つの調査項目の開発

③ 児童の授業理解に関する調査項目及び内容理解に関する調査問題の開発 

 上述したそれぞれの調査結果を分析・考察し, 算数教育における教師が持つべき資質と目指すべき授業実践に対しての提言を含めた論文としてまとめ, 各学会に投稿した。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

① 目標・計画①で述べたテ-マ「算数教育における教師の質の検証とその向上に関する研究」については、 科学研究費補助金の申請及び教育目標・評価学会へ研究補助の申請を行っている。

② 上記以外の申請の機会があれば、積極的に申請を行う予定である。

③ さらに、各学会に対して、テ-マに関する論文の学会発表・学会誌への投稿を積極的に行うことを計画している。

(2)点検・評価

① 平成21年10月に申請した科学研究費補助金については, 平成22年~24年の3年間に亘り, 各年につき70万円・60万円・60万円の補助金が下りることとなった。

② 平成21年5月に申請した教育目標・評価学会へ研究補助については, 平成22年2月に平成21年度と平成22年度に各5万円の補助金が下りることとなった。

③ 各学会において, 4件の論文がA論文として掲載された。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

① 自主的な学習活動を促すために, 授業時におけるコミュニケーション活動・探求的学習等を取り入れた授業を展開する。

② 授業中, 授業に対する理解状況についてのレポートを作成させたりして, 授業内容・授業方法の改善を図る。

③ 学生及び院生の進路や悩み等の相談に随時応じる。

(2)点検・評価

① 授業時におけるコミュニケーション活動・探求的学習等を取り入れた授業を展開した。

② 授業中, 授業に対する理解状況についてのレポートを作成させたりして, 授業内容・授業方法の改善を図った。

③ 学生及び院生の教員採用についての相談に随時応じた。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

① 算数教育における教師の質の検証とその向上に関する研究

② 内包量の深層構造化に関する研究 

  ①・②について, 学会発表と学会誌への投稿を計画している。

(2)点検・評価

 以下の学会において, 投稿論文がA論文として掲載された。

①数学教育学会誌, Vol.49, No.1・2, pp.33-44.

②日本数学教育学会誌「算数教育」, 第91巻, 第8号, pp.2-13.

③日本科学教育学会誌「科学教育研究」, Vol.33, No.3, pp.277-287.

④日本教育実践学会誌「教育実践研究」, 第11巻, 第1号, pp.1-11.

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

 担当する委員会の委員として, 本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

 自分の担当する委員会については、できる限り積極的に参加し、その運営に貢献した。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

① 附属小学校の合同研究会への参加(附属学校)。

② 附属小学校の算数担当教員の協力を得て, 附属小学校での算数科の授業を行う(附属学校)。

③ 大学と社会との交流の機会を随時捉え, 社会に貢献していきたい(社会との連携)。

④ JICA等の国際協力事業に貢献する(国際交流)。

(2)点検・評価

① 附属小学校の合同研究会への参加した(附属学校)。

② 附属小学校の算数担当教員の協力を得て, 附属小学校での算数科の授業を平成22年2月に行った (附属学校)。

③ 平成21年7月と9月に, つるぎ町立貞光小学校において, 算数の授業を行った。また, 算数おもしろ教室において, 地域の児童と保護者に授業を行った(社会との連携)。

④ JICAの国際協力事業において, 大洋州・中東・西アフリカ・アフガニスタンの研修生を指導した(国際交流)。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 今年度は、「算数教育における教師の質の検証とその向上に関する研究」について、附属小学校及び貞光小学校の協力もあり、かなり研究が進んだ。この研究は、本学の教職大学院院生に役に立つと思われるので、科学研究費補助金の支援のもとに, 平成22年度も引き続き行っていきたいと考えている。 今年度は、本学の社会的貢献と国際協力事業にかなりの成果があったと考えている。

 

お問い合わせ

経営企画戦略課
電話:088-687-6012