自己点検・評価報告書(川上綾子)

報告者 川上綾子

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 「研究」の計画について主に示したい。自身の研究テーマは,大きく「小・中・高等学校における授業の開発・改善」に関わるものと「教員の実践的思考の発達や研修のあり方」に関わるものとの2つの柱からなる。本年度の計画としては,前者の柱については,交付2年目になる科学研究費補助金(基盤(C))の研究“課題様式と学習者特性に基づく協同性構築のための学習環境デザインに関する研究”に取り組み,授業における効果的な協同性構築のための諸要因について検討を進める。また,後者の柱については,教員用遠隔研修に関して,その方法論や研修課題の要件,学習者間の相互作用等をテーマとして,3年前から講師を務めている遠隔研修コースに本年度も引き続き関わりながら取り組んでいく計画である。以上の研究への取り組みを,院生・学部生への教育活動にも生かして行きたいと考える。

(2)点検・評価

 「目標・計画①」に記した2つの柱のそれぞれについて述べる。前者「小・中・高等学校における授業の開発・改善」に関しては,上記の科学研究費補助金(基盤(C))の研究として,平成20年度に引き続き調査や資料収集,並びに中学校授業に関する学習環境デザインの立案とその評価方法の検討等を行った。後者の「教員の実践的思考の発達や研修のあり方」に関しては,数年前から続く取り組みとして,熊本県教育センターのeラーニング研修の講師を務めることにより,当該センター関係者とともに遠隔教員研修の方法論について検討を進めた。 この取り組みについては,平成21年度,日本教育工学論文誌(第33巻2号,p.171-183,共著)に掲載された。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 科学研究費補助金については,平成20年度より3年計画で研究代表者として基盤(C)の交付を受けているため,本年度は研究分担者や連携研究者の要請があれば,積極的に協力していきたいと考える。また,その他の外部資金についても常に情報収集し,自身の研究と条件の合うものがあれば申請していきたい。 

(2)点検・評価

 「目標・計画②」に記した通り,平成21年度は研究代表者として科学研究費補助金基盤研究(C) “課題様式と学習者特性に基づく協同性構築のための学習環境デザインに関する研究”の2年目の交付を受けた。また,関西福祉科学大学の八田教授を研究代表者とする科学研究費補助金基盤研究(B)“中高年者の高次脳機能と筋運動機能および生活習慣との関連に関する神経心理学的研究”,並びに,岐阜大学の益子教授を研究代表者とする科学研究費補助金基盤研究(C)“インタラクションの活性化に基づく現職教師を対象とした遠隔学習コースの設計方法論”にも,研究分担者として参加し,分担金の交付を受けた。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

①授業については,理論と実践の関連づけになお一層配慮する。

②学部学校教育コース3年次生のクラス担当教員として,当該の学生たちに対し,社会人(特に教師)として必要なコミュニケーション力・人間性等を身につけることができるよう日頃から留意して指導に努めたい。

③学部生・大学院生ともに,学生の研究面・生活面・進路面等の相談には随時応じる。

④前年に引き続き学生総合相談室相談員として,学生からの相談に対応する。

(2)点検・評価

 上記の「目的・計画」に沿って述べる。

①学部の授業では,基礎的知識・理論に関する講義に加え,現職教員の研究成果や問題意識等の紹介に努めた。教職大学院の授業では,理論が具体的な実践と結びついた事例の提示,実践に根ざした研究(理論化)の紹介等を通して,受講生における理論と実践の融合が促されるよう心がけた。

②学部学校教育コース3年次生に対し,「学校教育実践Ⅱ」における学校訪問活動他を通してコミュニケーション力や社会性の育成に努めた。

③所属コースの学生やゼミの指導学生の,研究面・生活面・進路面等の相談に応じた。

④学生総合相談室アドバイザーを務めた。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

 上記Ⅰ-1で述べた本年度の研究計画に加え,これまでの取り組んできた研究成果の中で未発表のものについてまとめ,学会誌や紀要等に積極的に投稿する。

(2)点検・評価

 「日本科学教育学会研究会研究報告」に“科学技術と理科学習をつなぐ事例外挿法による教材開発の方法とその効果”を発表した(第23巻5号,p.27-32,共著)。また,「鳴門教育大学学校教育研究紀要」に“教職大学院における到達目標設定に関する考察”を投稿・発表した(第24巻,p.119-128,共著)。しかし,それら以外にも未発表のままの研究成果がまだ残っており,さらなる努力が必要である。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

①委員となった委員会(現時点では未定)において,本学の運営に貢献する。

②教職大学院コラボレーションオフィスコーディネーターとして,院生の実習の円滑な実施,連携協力校との連携・調整等に努め,当該専攻の運営に貢献する。

(2)点検・評価

 上記の「目的・計画」に沿って述べる。

①情報環境推進委員会委員並びに学生総合相談室アドバイザーを務めた。

②教職大学院コラボレーションオフィスコーディネーター,及び,1年次生・2年次生双方の担当教員(クラス担当教員相当)の一人として,本学教職大学院の運営面や教育活動の推進に尽力した。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①さまざまな教員研修への支援に取り組む。具体的には,鳴門市でのコンピュータの教育利用に関わる研修,県内・県外における校内研修会や教員研修セミナーの支援等に講師や助言者として積極的に参加する。(社会との連携)

②附属学校の研究発表会,授業研究会等に積極的に参加する。(附属学校)

③本学公開講座の講師を務める。(社会との連携)。

(2)点検・評価

 上記の「目的・計画」に沿って述べる。

①熊本県立教育センター共同研究推進員を務め,教員研修の支援を行った。

②附属学校の研究発表会には日程の都合が合わず参加できなかった。

③本学公開講座「脳科学・認知心理学からの学習者支援」の講師を務めた(2009.07)。

   これら以外に,徳島県立総合大学校の運営協議会委員を務めた。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 上記Ⅱ-3にも記載したが,本学教職大学院高度学校教育実践専攻のコラボレーションオフィスコーディネーター及び1年次生・2年次生双方の担当教員(クラス担当教員相当)として,専攻長・副専攻長・チーフコーディネーター・他のコーディネーターやサポートスタッフ,及び事務担当者とともに,開設2年目にあたる教職大学院の教育活動の推進に向けて各種企画・実務に尽力し,同専攻の円滑な運営に貢献した。

 

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