自己点検・評価報告書（村川雅弘）
報告者 村川雅弘
1．学長の定める重点目標
1－1．大学教員としての教育・研究活動①
(1)目標・計画
(2)点検・評価
学部は「教育課程論」と「教育評価論」、「生活科教育論」、「総合学習論」を担当した。実践的な力を育むために、研究過程において得た優れた実践事例を取り上げ、具体的な手だてを示すとともに学生自身に考えさせたり，協議させる活動を数多く組み入れた。ワークシートを作成し、考えをしっかりと文章化させる活動もほぼ毎回取り入れ、「教育課程論」では書きためたワークシートやレポートを総合的に関連づけ活用するテストを実施した。教職大学院の授業では、院生や学校現場のニーズを考慮しながら、これまでの実践的な研究の蓄積を改めて整理・検討し理論化・教材化を図った。ワークショップ型研修方法を授業の中でも活用し、学校現場に戻った際に学校や地域のミドルリーダーとして同僚をリードするための具体的な手法の習得をめざした。授業で協同的に作成した「新学習指導要領改訂のポイント整理」と「その実現化のための研修の開発」の成果物は実習や現場に戻ってから生かされることが期待される。
1－2．大学教員としての教育・研究活動②
(1)目標・計画
平成21年度より２年計画で科学研究費を申請しているが不採択の場合でも，学内外の資金を調達して，次の研究を展開する。これまで開発してきたワークショップ型研修は学校や教師のカリキュラム開発力向上の方法としてさらに研究を継続する。これらの成果を教職大学院の授業等で紹介・吟味する。また、学習指導要領改訂では全教育活動を通して子どもの思考力・判断力・表現力・言語力・協同性を育むことが求められているが、これまでの研究実績からワークショップ型学習の有効性が明らかになってきている。学校現場と連携を図り総合的な学習や教科等において効果的な学習方法の開発とその体系化を推進する。
(2)点検・評価
平成21年度より３年計画での科学研究費を取得することができた。他の科学研究費の研究分担者にもなり、学力先進国のシンガポールで調査を行うことができた。また、全国各地で先進的にワークショップ型研修を企画・実施している学校や教育センターを結んで、開発・実施の相互支援を実現するためのシステムを稼働させた。このネットワークシステムを活用することで、ワークショップ型研修及び学習の開発や評価に関しての日常的な情報交換や研究協議が可能になっている。実際、このネットワークを活用して編著書を１冊刊行し、また次年度にも刊行予定である。ワークショップ型研修については、筑波中央研修や教育センター、学校現場での研修の場で開発・実施する機会に多く恵まれ、学校や教師のカリキュラム開発力向上の方法としてさらに研究の継続を行っている。
2．分野別
2－1．教育・学生生活支援
(1)目標・計画
平成17年度の「総合演習」をきっかけにサークル（劇団「どゃ！」）が誕生し、その顧問となった。21年度においてもこのサークルを支援していきたい。文部科学省研究開発学校制度創設（昭和51年度）以降の各校の研究報告書の大半を所蔵している。20年度に集中管理を行うことができた。教職大学院も２年目を迎え、この資料の重要性が高まっており、本格的な資料公開を進める。これまでに指導した院生・学生は100名近くになる。これまで十数年にわたって年2回程度「鳴門セミナー」を実施し、修了生等の研究・実践交流の場としてきた。18年度より通信ネットワークを活用した支援を開始し、修了生へのアフターサービスを充実させつつある。彼らの仲間や後輩との新しい繋がりを得ることで大学院の学生定員の充足にも貢献したい。
(2)点検・評価
学生サークル劇団「どゃ！」の公演（12月の鳴門演劇祭及び２月の定期公演）については出張と重なり直接観ることができなかったが、団長をはじめ団員から適宜様子を伺っている。文部科学省研究開発学校等の研究報告書は教職大学院生を中心に開放している。今年度も８月に１泊２日のセミナーを実施した。修了生を中心に約85名が参加し、実践報告と研究協議が行われた。通信ネットワークを活用した修了生へのアフターサービスは稼働中である。
2－2．研究
(1)目標・計画
専門である生活科や総合的な学習、カリキュラム開発は常に流動的に動いており、教育行政や学校現場との連携が重要である。平成21年度からは学校現場においても移行措置が始まり、本格実施へと向かっていく時期である。教育委員会や学校現場との共同研究を図りつつ、次期学習指導要領のモデルとなる授業やカリキュラムの開発を行いたい。これらの研究成果は研究報告書にとどまらず、編著書や論文、学会発表等で公開していく。なお、21年度は生活科や総合的な学習の編著書として２冊程度の発刊を計画している。
(2)点検・評価
今年度も教育委員会や学校現場との共同研究を図りつつ、次期学習指導要領のモデルとなる授業やカリキュラム及びその開発や実践のための教員研修の開発を行ってきた。その成果の一部は、全国レベルの学会（単独２本，共同２本）で発表した。総合的な学習に関する編著書『中学校 総合的な学習 ビジュアル解説27』（日本文教出版）を６月に発刊した。また、文部科学省の総合的な学習の時間事例集の作成を通して全国の専門家との協議を通して知見を広げている。その成果物は22年度の７月頃に書籍として発刊される予定である。
2－3．大学運営
(1)目標・計画
授業実践・カリキュラム開発コースのコース長として他の教員との連携・協力関係を密接にしつつ魅力あるコースづくりを進めていく。21年度は学生が15人定員に近づく予定である。今後も入学希望者増加に向けて、スクールリーダーに求められる授業実践力・カリキュラム開発力の重要性について広く伝えていきたい。また、東京学芸大学との連携GPの実質的な大学代表としてその任務を全うしていきたい。それ以外に委員会等、大学運営にかかわる依頼があるときには、可能なかぎりにおいて貢献したい。
(2)点検・評価
コース長として他の教員との連携・協力関係を密接にしつつ魅力あるコースづくりを進めてきた。今年度は新入学生が14人となり、定員充足までもう一歩のところまできている。各地の教育センターでの講演や指導の際には、本学や教職大学院全体の広報だけでなく、本コースの意義や内容を理解してもらうために、スクールリーダーに求められる授業実践力・カリキュラム開発力の重要性について広く伝えている。特に、一期生の研究及び実践の様子を講演の中で取り上げるようにしている。東京学芸大学との連携GPの実質的な大学代表としてその任務を全うしている。 また、教職大学院においては指導教員として９名の現職を抱えている。修了生の３名は立派な報告書を仕上げた。彼らの勤務校へ挨拶や説明、指導等に出かけるだけでなく、県内外の教育委員会にリクルート活動にもかかわった。八戸市及び沖縄県には大学院の宣伝も兼ねた出張講演も担当した。
2－4．附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
附属学校からの指導・支援の依頼はできる限り引き受けたい。文部科学省および教育関連の各種財団の委員、独立行政法人教員研修センターや教育委員会、学校からの指導等の依頼は本務に支障のない範囲で引き受け、社会貢献を果たすとともに、可能な限り本学の大学院学生充足や教育活動等に反映していきたい。
(2)点検・評価
附属学校園からの指導・支援の依頼はなかったが、附属中学校の公開研究会には参加し、コメントを行ってきた。文部科学省および教育関連の各種財団の委員、独立行政法人教員研修センターや教育委員会、学校からの指導等の依頼は本務に支障のない範囲で引き受け、社会貢献を果たしている。
3．本学への総合的貢献（特記事項）
追加事項は特にない。
