自己点検・評価報告書(宮下晃一)

報告者 宮下晃一

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 教育学部に属する機械工学を専門とする研究者として,ものづくりの面で学校教育に貢献できる研究を推進したいと考えている。一方,中学校技術科の授業時間が削減される上に,必ずしも十分なものづくりの経験を有していない教員が増えつつあるのが現状である。
そこで平成22年度は
 ① 中学校技術科において様々な機構を簡単に組み立てることができる教材の開発。
 ② 小中学校の技術や理科,図工などの授業において,生徒が短時間のうちに簡単に動きのあるものづくりを実践できる教材キットの開発とそれを用いた研究授業の実施。
 を実施する計画である。

(2)点検・評価

 中学校の技術科で使用することを想定して機構学習キットの開発を進めている。21年度は,西条市立西条西中学校の協力を得て,このキットを用いた研究授業を実施した。

 中学校側との打合せの結果,授業を4人一組10班体制で実施することとし,教員用の1セットを含めて11セットのキットを製作した。基盤の素材は厚さが比較的均一であるシナベニヤ,その他のおもな部品はデルリンを用いて,3次元造形装置による切削加工で製作した。また,歯車については市販品を使った。

 研究授業では,教師が種々の組立図を描き各班(生徒たち)に配布し,生徒たちが組立図に従って製作を行った。その結果,1時間の授業内で全ての班が機構の組み立てに成功し,短時間での機構学習に効果があることが確認できた。

 の発想で動く機構を組み立てることによる教育効果を検証する。それに向けて,現在,授業に必要な11セットのキットを製作するとともに,授業の準備中である。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 平成20年度から3年間にわたって科学研究費が交付されており,この研究を引続き推進していく。さらに,これまでに培った研究成果を生かして特許申請の可能性を探る。 

(2)点検・評価

 昨年度から継続して科研費の交付を受けており,22年度の期間終了に向けて研究を遂行中である。また現在の研究から派生した新たなテーマで科研費申請を計画しており,23年度の獲得を目指して準備を進めている。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

○技術科教員志望の学生に対して,「ものつくり」を充分に体験できるように,実習の要素を多く取り入れた授業を実施する。

○教員採用試験を受験する学生に対して適切な受験指導を行える体制を整える。

(2)点検・評価

 機械基礎(実習を含む。)では,スクーターを分解し,構造を調べる内容の実習を行っている。これを通して,学生が正しい工具の使い方や,身の回りの機械の仕組みを身につけることを期待している。

 初等中等教科教育実践Ⅱではロボット製作を題材として授業を展開した。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

○小,中,高等学校において「ものづくり」の要素を取り入れた授業方法を検討する。特に中学校技術科の授業において機構の学習を行うためのキット教材の開発とそれを用いた研究授業を行い、教育効果を調べる。

○中学校技術科の授業においてCADやCGと3次元造形装置を結んだ新しいものづくりを学習できる指導方法を検討する。

○中学ロボコンにおけるキット教材の使われ方を調査・分析する。

(2)点検・評価

○当研究室で開発中の機構学習キットを用いた研究授業を,西条市立西条西中学校の協力を得て,実施した。研究授業では,教師が生徒に機構例を紹介するためにこのキットを用いたり,生徒が自らの発想で動く機構を組み立てることによる教育効果を検証した。

○現職の技術科教員に対して,CADの操作方法を習得していただいている。

○附属中学校におけるロボット製作を支援している。1月にロボコン全国大会があり,その場で他校のロボットについて情報収集する。現在,その結果を集計中であり,今後,県下の中学校に情報提供を行い,技術レベルの向上を支援する予定である。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

 高度情報研究教育センター所長を担当している。平成21年度はその2年目として,センター業務が滞らないよう運営することはもちろん,近い将来の本学の情報基盤整備の方向性を明らかにして行く。

(2)点検・評価

 年度途中に補正予算が配分され,学内の情報ネットワークの充実や学生向け情報提供環境の向上を図った。

 第5期情報システム導入に先立ち,メールシステムを新規構築した。これは学内サーバーのシングルサインオン化や教員向けグループウェアの導入に関連する措置である。

 第5期情報システムへの更新を2月に行った。その際には,新しい業者との事前の意思疎通が不充分であったために,移行の時間を要している。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

○附属中学校や地域の小中学校で行われる「ものづくり」関連の授業等を支援する。

○実地教育等の機会を通して、学校現場を訪問する機会を多く持つ。

(2)点検・評価

○附属中学校におけるロボット製作の授業ならびにクラブ活動を支援している。

○とくしま環境県民会議のストップ温暖化部会長を務めて,民官学の連携のもとで県内の温暖化防止を推進している。また鳴門第一小学校が行うエネルギー学習のスーパーバイザーを務めている。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 四国の知GPの委員長を務めていることに関連して,本学におけるe-ラーンニングの在り方,特に手間を掛けないで見易い授業コンテンツを作成する手法を検討している。そのために一部の教室に電子黒板とカメラを設置して,実験を進めている。

 

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