自己点検・評価報告書(綿引勝美)

報告者 綿引勝美

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 教員養成に対する社会的な養成のレベルが格段に向上していること,それに対応した学習指導要領の更新による,教科内容の高度化と複雑化,さらに,体育科教育の基礎理論としての,トレーニング科学の急速な深化にともなって,既存の教科内容と教科指導法の背景になっている理論が時代の要請に応えられないものとなっている。ドイツにおける先進的なトレーニング科学と身体運動能力の発育発達理論を渉猟し,そこから,あらたな教科内容学と教科指導論の再構築のための手がかりを得る。本年度も引き続き,トレーニングの負荷構成理論を分析し,初等中等段階での身体運動面の発達課題を明確にし,教科内容の系統化にむけた理論的な見通しを得る。

(2)点検・評価

 国際的なトレーニング科学の急速な進展を視野にいれるという点から,ドイツの国立トレーナーアカデミーの教科書トレーニング科学を翻訳し,その背後にある,スポーツ指導者に必須となっている実践的な知の分析をおこなっている。教科内容学や教科指導論の再構成という点から多くの示唆をえた。とりわけ,児童期における身体運動の発達状態についての,科学的な研究を基礎とした,動作調節能力の形成に関する理論と指導法については,示唆するところが多くあった。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 過去四年間にわたって国立スポーツ科学センターとの共同研究事業を継続し,研究調査資金の運用を円滑に行なう。また,既存のスポーツ文化事業をおこなっている諸団体との研究調査上の連携をふかめ,子供のスポーツ文化の向上とともに,研究資金の確保をはかる。とりわけ,地方の自治体,プロスポーツ団体がおこなっている,選手の発掘・育成事業との研究面での連携をすすめていく。 

(2)点検・評価

○国立スポーツ科学センター関連では,ドイツカヌー連盟のトレーニング法調査関連で,2006年班の「カヌー競技のトレーニング」を委託翻訳した。

○徳島県関連では,徳島県バトミントン協会の一貫指導プログラム作成の作業にかかわった。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

○自然体験と実業体験を重視するという立場から,地域の農林業従事者との交流を積極的にはかれるような場をつくる。

○スポーツ活動の社会的な広がりのなかで,学校外のスポーツ事業に関心をもたせるような指導を行う.とりわけ、地域総合型スポーツクラブとのネットワークを構築する。

○moodleを活用した,コラボレーションサイトを充実させる。

(2)点検・評価

○農林業従事者との交流については,間伐作業の体験活動の基礎調査をおこなった。

○徳島県バトミントン協会の一貫指導プログラム作成にかかわることができた。

○コラボレーションサイトについてはひきつづき充実につとめている。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

○ドイツの選手選抜制度・トレーニング科学関連資料の収集と解析

○国立スポーツ科学センターとの共同研究プロジェクトの推進

○スポーツトレーニングに関連するNPOやベンチャー企業との共同研究に着手する

○Webを活用した,研究成果のデータベース化と公表。

(2)点検・評価

 ドイツトレーナーアカデミー関連の教科書,関連資料の収集と解析をすすめている国立スポーツ科学センターの以来によって,2006年版教科書「カヌー競技のトレーニング」を翻訳した。ラプチヒスポーツ科学交流協会との共同研究を継続し,NPO化にむけた取組みをおこなっているドイツスポーツトレーニング科学関連資料の電子化をすすめている。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

○鳴門教育大学の知名度をあげるため広報活動(体育スポーツ関連雑誌への投稿)

○学術推進委員として,研究環境改善に積極的に取り組む。

○文部科学省等のプロジェクト予算獲得にむけた取組みを強化する(GPなど)。

(2)点検・評価

○以下のような取組みのなかで,広報活動につとめた。兵庫県体育協会主催の指導者講習会で講演をおこなった。ユーハイム主催のコオーディネーションを学ぶ会に指定討論者として参加した。芦屋市での子供の体力向上プロジェクトに助言者としてかかわった。

○学術推進委員として,研究環境改善にとりくんだ。

○科学研究費,民間研究費,国立スポーツ科学センターの委託研究費,などへの応募をおこない,国立スポーツ科学センターからの委託研究をおこなった。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

○ライプチヒスポーツ科学交流協会を通した,トレーニング科学の国際的な交流を促進する。

○地元の農林業従事者との積極的交流を推進する。

○地域総合型スポーツクラブとのネットワークを構築する。

(2)点検・評価

○ライプチヒスポーツ科学交流協会主催の国際集中講座に,本学から二名の大学院生を紹介した。

○農林業者との交流をおこない,間伐作業や里山再生に関心をもつ,地域住民とのネットワーク構築につとめている。

○徳島県バトミントン協会の一貫指導プログラム作成にかかわることができた。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

○国立スポーツ科学センターからの委託をうけて,ドイツ語の教科書「カヌー競技のトレーニング」(2006)を翻訳した。ドイツ国立応用トレーニング科学センターのカヌー競技担当部長のエングレルト氏の招聘にかかわり,本年1月に国立スポーツ科学センターでおこなわれた,「ドイツにおけるカヌー競技のトレーニング操作法」の研究会で,国内のカヌー競技指導者に翻訳資料として配布した。

 

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