自己点検・評価報告書(頃安利秀)
報告者 頃安利秀
1.学長の定める重点目標
1-1.大学教員としての教育・研究活動①
(1)目標・計画
(2)点検・評価
発声法に関する研究では,人間にとって自然で且つ合理的な発声法の理論と実践が自分の中で明らかになってきた。今後,このことをいかなる手段,また方法によって発声法のテキストにするかについて検討を行っている。文章表現だけで,はたして音楽表現に関することが十分に伝わるかどうかということが問題点となるので,DVD等の使用についてこれから検討を始めるところである。
この研究の成果は,学部及び大学院における授業において十分な効果が現れており,教育面においても有効であることがわかった。
1-2.大学教員としての教育・研究活動②
(1)目標・計画
上記のような教育・研究活動を進めるために特別な設備を必要とするわけではなく,現在ある環境の中で十分対応できる。必要なのは研究する時間を確保することである。特に声楽の実技という分野においては,自分のからだが実験室でもあり,日々自分のからだと向き合いながら声を出すことができる時間が必要である。幸い本学においては従来からの設備や研究場所は確保されているので,そのなかで十分に研究活動を行うことが可能であると考える。そのため外部資金の獲得については考えていない。
(2)点検・評価
外部資金の獲得に関しては,目標・計画②に説明したとおり,今のところ教育・研究に関してその必要性がないので個人的には動かなかった。
但し,音楽コースとして「学生たちの自己省察力の育成をめざした音楽科教員養成カリキュラムの研究」というテーマで平成22年度科学研究費補助金の申請をし,その代表者を務めた。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
指導する学生が,学内外で演奏活動が行えるように支援していきたい。学生は,人前で演奏することによって技術的にもまた精神的にも成長していくことができる。またそのことを通して,社会に貢献することができ,学生の人間的な成長を支援することにもなると考える。 課外活動サークルである合唱団タドポールの活動が,団員数の減少により鈍ってきているので,これを活性化していけるよう指導していきたい。
(2)点検・評価
大学院の学生を中心に,学外で演奏できる機会を与えるために演奏会を企画した。また学内の演奏会にも積極的に参加できるよう支援を行った。その結果,学生自らも学外で演奏活動や合唱団の指導等も行えるようになった。
課外活動サークルにおける合唱団タドポールの活動に関しては,大塚国際美術館におけるシスティーナ歌舞伎公演のコーラスを担当することができ,合唱団員にとって貴重な体験となった。また定期演奏会が開催できるように支援を行った。
2-2.研究
(1)目標・計画
Ⅰ-1.大学教員としての教育・研究活動①で述べたように,「人間としてのあり方を基にした発声法」の研究を進めていくことと同時に,それを生かした演奏活動が必要である。従来から行ってきたJ.S.バッハの作品の演奏を中心にしながら,ドイツ歌曲,さらにはイタリアやフランスのオペラの歌唱による演奏にも範囲を広げて研究・演奏活動を行っていきたい。
(2)点検・評価
発声法の研究とともに,演奏活動についても東京,名古屋,神戸,松山,鳴門など合計11回の演奏会を行い,J.S.バッハの作品を始め,ヘンデルの作品,またそれ以外の歌曲やオペラの抜粋などの演奏を行うことができた。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
担当する各種委員会委員,また部・コース内で与えられた役割を,誠意を持って全うできるよう努力する。
(2)点検・評価
担当する各種委員会委員をはじめ,部・コース内での役割を果たすことができた。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
附属学校に関しては,それぞれの授業研究会に積極的に参加し,また現在進行している教育実践フィールド研究に関わる附属校との連携をしっかりと取っていきたい。
社会との連携は,従来から理事として運営に参加しているNPO法人鳴門「第九」を歌う会での活動をより積極的に行っていきたい。具体的には毎年6月に行われる第九演奏会の企画と準備,合唱指導,また研修会の実施等に力を尽くすことである。
(2)点検・評価
附属小学校での授業研究会に参加し,また附属校園実習における指導助言者として協力した。
社会連携に関して,NPO法人鳴門第九を歌う会の理事として,また合唱指導者として活動に参加し,第九演奏会の独唱者として出演した。
鳴門市保育協議会主催の研修会において保育士の方々に歌唱表現について指導を行った。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
本学の公開講座「楽しい歌唱教室」の講師,また教育支援アドヴァイザーとして地域の教員の研修会や中学生の合唱指導を行った。
また第九を歌う会に関する合唱指導や演奏会への参加等,鳴門教育大学の教員として地域社会へ積極的に出ていくことにより,本学への貢献を果たしたと考える。