自己点検・評価報告書(町田 哲)

報告者 町田 哲

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 現代の地域が抱える問題点・課題をにらみながら、次の2点について、地元徳島に根ざした歴史研究を進め、地域の期待に応えたいと考えている。
①現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」のうち、「まるごと博物館」構想の部分について、推進委員として事業を展開させる。その中で、近世の四国遍路と地域文化との関わりついて考察を深める。
②「近世阿波における山村の生業と流通に関する構造的研究」と題して、科学研究補助金の新規申請を行っているが、その採択いかんを問わず、研究を進める。

(2)点検・評価

①現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」のうち、「まるごと博物館」構想の一環として、県内の八十八ヶ所霊場札所寺院24ヶ寺のうち、22ヶ寺の基礎調査を、徳島県と合同で行った。

②近世阿波山村の生業と流通に関する科研費申請を行った。また、研究成果の一部を論文化し、「近世阿波山村の名と『壱家―小家』関係の特質―美馬郡東端山の村落秩序―」として後藤雅知・吉田伸之編『山里の社会史』(山川出版社、2010年2月)に発表することができた。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 現在、「近世阿波における山村の生業と流通に関する構造的研究」と題して、科学研究補助金(若手研究B)の新規申請を行い、学外資金の調達を目指している。 万が一不採択となった場合には、より計画・組織を明確にした上で、再申請をし、資金を確保できるよう努力する。 

(2)点検・評価

 科学研究費・2010年度若手研究Bに「近世阿波における山村の地域特性に関する構造論的研究―生業・流通・社会構造―」との研究課題で申請した。 より内容を明確に示すために、題目や申請内容を訂正した。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

①社会科教育で重要な、地域史の方法と実践について、理解を深められるよう授業を進める。具体的には、地域で誠実に生きる人々の営みが歴史を動かしていることの理解が得られるよう努力する。

②社会科教育の教材(日本史)に関する担当講義の充実を図る。その際、通史的視点と、その時代の特徴を多角的に捉えるような視点、この2つを養うようにする。

③学生の自主・自立を尊重しながら、学生の進路・悩み等の相談に随時応じる。

(2)点検・評価

①日常の講義だけでなく、現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」を通して、学生・院生と共に調査活動を行い(札所寺院調査等)、地域史の方法と実践を深めるように努力しすることができた。

②担当講義では、浮世絵などの絵画資料を入り口とし、文字資料から当時の社会的諸関係を具体的に理解することで、通史的理解と 近世という時代の特徴を多角的に捉えるような視点を養うよう努力した。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

①鳴門教育大学附属図書館所蔵『後藤家文書』を使った研究を深め、四国遍路文化や藍作地域の構造など、徳島の地域に根ざした歴史研究を継続的に進める。

②「近世阿波における山村の生業と流通に関する構造的研究」と題して、科学研究補助金の新規申請を行っているが、その採択いかんを問わず、研究を進める。

(2)点検・評価

①鳴門教育大学附属図書館所蔵『後藤家文書』を使った研究を深め・「近世後期徳島城下近郊における『胡乱人』対策と四国遍路」と題して、第11回国際日本学シンポジウム(主催お茶の水女子大学比較日本学教育研究センター・大学院教育改革支援プログラム「日本文化研究の国際的情報伝達スキルの育成」女性リーダー育成プログラム、テーマ「日本近世港町の社会・文化構造」、2009年7月4日、お茶の水女子大学)で報告し、さらにその内容を深めた「近世後期阿波における『他国無切手・胡乱者』統制と四国遍路」を、第47回部落問題研究者全国集会・分科会①歴史Ⅰ〈テーマ 近世身分社会把握の深化へむけて〉(2009年10月25日、立命館大学・衣笠キャンパス敬学館)で報告した。いずれも論文化が進んでいる。

②研究成果の一部を「近世阿波山村の村落秩序とその展開―東端山の場合―」として第5回山里研究会(2009年4月11日、東京大学文学部)で報告した。その後論文化し、「近世阿波山村の名と『壱家―小家』関係の特質―美馬郡東端山の村落秩序―」として後藤雅知・吉田伸之編『山里の社会史』(山川出版社、2010年2月)に発表することができた。またその成果をさらに展開するために科学研究費・2010年度若手研究Bに「近世阿波における山村の地域特性に関する構造論的研究―生業・流通・社会構造―」との研究課題で申請した。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

①社会系コース、人文・社会系教育部の一員として、所定の各種会議に参加し、職務を遂行する。

②四国遍路に関する現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」事業に参加し、推進させる。また最終年度の取りまとめを行う。

(2)点検・評価

①社会系コース、人文・社会系教育部の一員として、コース幹事・就職委員を勤めている。

 また、創立30周年事業の一環で、大学史の編さんにも委員(学長指名)として参加し、事業を進め始めている。

②現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」プロジェクトの最終年度報告にむけて、12月の報告会および報告書(史料集・調査報告等)の作成を進めた。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」事業や、鳴門史学会等における研究活動を通じて、地域との人的、学術的な交流を図る。

②附属小中学校の実習・研究会等にできるだけ参加・支援する。

(2)点検・評価

①現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」プロジェクトで、徳島県との合同の札所調査、および鳴門史学会での例会報告などに参加し、地域との人的・学術的な交流を図った。

②しかし、①の調査と重なり、附属小中学校の実習や附属小学校・中学校の研究会には参加できなかった。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 現代GP「遍路文化を活かした地域人間力の育成」プロジェクトに、遍路地域の「まるごと博物館」構想の担当として、事業推進に努力した。

 

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