自己点検・評価報告書(原田昌博)

報告者 原田昌博

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 研究活動としては、歴史教育の基本である実証性を重視した、生の史料を用いた研究をドイツ現代史において実践する。この史料を収集するため、夏期に渡独し、ドイツの文書館で未公刊史料の収集に努める。
 教育活動としては、教員養成系大学の外国史担当教員として、教員養成のための外国史の講義について、社会科授業の教材研究に資することを目的に、外国史の講義内容に関して、一方で通史として長期的な視点からマクロに捉える内容、他方で一つの時代を多面的な視点(政治・経済・文化など)からミクロに捉える内容を設定し、学生の歴史的関心の喚起と歴史的思考力の涵養に配慮する。

(2)点検・評価

 夏期には当初の予定通り渡独し、ベルリンの公文書館・図書館に保存されている未公刊史料の状況を調査し、新しい研究テーマ(ワイマル共和国期ドイツにおける右翼労働運動の展開)に関する史料収集を行うと同時に、その分析を進めた。

 教育活動としては、講義科目「外国史概論」においてフランス革命から冷戦期に至るまでの西洋近現代史をマクロに捉える講義内容を設定・実施した。他方、講義科目「外国史特論」では1930年代から第二次世界大戦に至るまでの短期間の歴史を政治・経済・文化・社会など多様な視点からミクロに捉える講義内容を設定・実施した。講義に際しては詳細な講義レジュメと資料を準備し、学生の授業理解の一助とした。さらに、ビデオ教材や実際のヨーロッパの写真、現物資料を積極的に活用したが、これらは平面的な言葉だけの授業を立体化させる役割を果たした。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 本年度は平成19年度に採択された科学研究費補助金(若手研究B)の3年目にあたり、同補助金を継続申請する予定である。 

(2)点検・評価

 科学研究費補助金を申請(継続)・受給するとともに、新規の同補助金を申請した。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

①進路や日常生活の悩みなどについて学生からの相談があった場合、随時積極的に応じ、適切な助言を行う。

②情報提供や日常の対話などを通じて、指導学生の就職指導を行い、特に教員採用試験の受験または本学大学院への進学に対する動機づけをはかる。

(2)点検・評価

①授業・ゼミ・会議以外は研究室を開放して、ゼミ生や講義受講者などの質問・相談に随時対応した。

②教員採用試験を受験するゼミ学生には大学が行う諸行事・説明会への出席を促し、また研究室にも対策問題集を常設して可能な限りの補助を行った。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

①科学研究費補助金の申請(継続)を行う。

②従来からの研究テーマ(ワイマル共和国期ドイツにおけるナチズムの労働者政策)の研究を継続するとともに、新しいテーマ(ワイマル共和国期ドイツにおける右翼労働運動の展開)に関して夏期休暇中に渡独して史料収集を行い、その分析を進める。

③これまで収集した史料と併せて分析・検討を加えていき、可能であればその研究成果を公表したい。

(2)点検・評価

①科学研究費補助金を申請(継続)し、受給した。

②夏季休暇中に予定通り渡独しベルリンの公文書館・図書館に保存されている未公刊史料の状況を調査・収集し、その分析を進めた。

③研究成果を学会発表や学会誌を通じて公表した。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

①学内での委員としての職責を果たし、本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

①教員免許状更新講習実施委員会、戦略的研究開発室(研究開発検討部会)、安全管理委員会の各委員として委員会に出席し、教育部・コースとのパイプ役として双方の意見反映に努めた。また、コース内では会計担当として、コース予算の管理を行った。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①評価授業の参観や附属学校教員との意見交換などを通じて附属学校での実習指導を支援する(附属学校)。

②鳴門史学会での活動を通じて、地域社会との人的・学術的な交流を推進する(社会連携)

(2)点検・評価

①指導学生の附属学校での教育実習の授業を参観し、授業終了後、適宜学生への指導と附属小・中学校教員との意見交換を行った。

②鳴門史学会代表として研究大会および例会(4回)を企画・運営し、地域社会との人的・学術的連携を図った。特に、研究大会に関しては、徳島県立文書館との連携で「ヴァイマルからナチズムへー日独近代史の転換点」と題して、ドイツと日本の近代のあゆみとその歴史的位置付けを考える講演会を企画・実施し、多くの一般市民が来場した。さらに、大学・地域連携講座の一環として松茂町図書館で「20世紀ドイツの歴史」と題した講演を行った。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

特に以下の3点で貢献した。

①授業の充実(方法・教材など)を積極的にはかり、学生の外国史への理解を可能な限り容易・具体的にするように努め、結果として授業アンケートなどで学生の高い評価を獲得することができた。

②科学研究費補助金を獲得し、本学の外部資金獲得に貢献した。

③ドイツで未公刊史料の収集を行い、新たに発見した史料を用いて学会報告と学会誌への論文投稿を行った。

 

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