自己点検・評価報告書(木原克司)

報告者 木原克司

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

①日本都城の構造とその発展過程について、中国・朝鮮といった東アジア諸国の都城と関連させて研究を進める。
②難波京の立地する大坂平野については、難波京を中心とした律令期大坂平野の歴史的景観の復原をさらに深める。
③東アジア三国における条坊制都市成立の政治的背景について検討する。
④①~③をまとめて学位取得に努め、著書出版の準備を行う。
⑤上記研究と平行して、従来から進めている古代阿波国の条里と交通路の復原研究を行う。

(2)点検・評価

①については、日本都城の構造と発展過程を中国・朝鮮の都城と関連させ論文としてまとめ、学位論文の第7章とした。

②についても、新たな資料を付け加えて再度考察し、学位論文の第2章として完成させた。

③については、①でまとめた論文の中で考察した。

④についても、2月に学位論文を東京の某大学に提出し、4月に受理され、5月以降審査が行われることになっている。学位を取得できた時点で、著書として来年出版の予定である。

⑤については、平成21年度に美馬市において条里と交通路の復原を行い、阿波学会の報告書に論文として発表した。現在は阿波市の考察を進めている。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

①科学研究費については、20年度にも「律令期阿波国の条里と道路体系の復原的研究」と題する研究テーマで申請したが、もし不採択となれば本年度も同じようなテーマで申請する予定である。

②科研費確保に向けてテーマに関連する研究成果の蓄積に務める。

③科研費獲得に向けて近畿圏の研究者との共同研究を進める。 

(2)点検・評価

①については、申請したが不採択となった。

②については、テーマに関連する研究を継続し、美馬市域について成果をまとめ論文として報告した。

③大阪歴史博物館都で2ヶ月に一度開催される都城制研究会に出席し都城に関する共同研究を進めた。その成果は21年度に完成させた学位論文にも盛り込んでおいた。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

①学生が主体的に授業に参加し、授業内容をよく理解できるように、従来から試みている実習型式の授業方法を継続し、さらに調べ学習・討論を中心とした演習型式の授業も取り入れてみたい。

②学生の授業への関心度や授業内容理解度を向上させるために、これまでにも試みている休日を利用した授業内容に関連する現地巡検をできるかぎり実施したい。

③特に担任として学生の進路、悩み事等の相談に応じるとともに、勉強方法を指導し、社会人としての常識についても身につけさせるよう指導するつもりである。

(2)点検・評価

①については、学部授業の地理学概論や考古学で実践し、学生から高い評価を得た。

②についても、大学院の地理学研究Ⅰで例年どおり夏休みに飛鳥・藤原・平城京への巡検を実施し、学部の考古学や博物館特論で鳴門市内の遺跡調査現場の見学や徳島県埋文センター資料館の見学などを実施し、学生から高い評価を得た。

③については、2年生の担任として学生の指導を積極的に行った。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

①従来からの研究テーマである日本・東アジア都城について総まとめを行い学位論文を作成する。

②従来からのもう1つの研究テーマである古代阿波国の条里と交通路についての論文を作成し、学会誌に投稿する。

③科学研究費補助金の申請を行うとともに、近畿圏の研究者との共同研究を進める。

(2)点検・評価

①については、既に述べたように、2月に「難波宮・京と宮都の歴史地理学研究」と題する学位論文を完成させ、東京の大学に申請し受理された。

②についても、21年度は美馬市域を調査し、阿波学会の報告書に論文としてまとめ、阿波市域の調査研究を進めた。

③については、科研費申請をおこない、近畿圏の研究者とは大阪での都城制研究会で共同研究を進めた。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

①前年度に引き続き、学部教務委員会委員として、本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

①については、学部教務委員会委員として所属部会等の業務を遂行し本学の運営に貢献した。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①前年度に引き続き、地域・社会との交流、連携を積極的に行い、地域社会に貢献する。

(2)点検・評価

 徳島県教育委員会が主催する「いにしえ夢街道県民会議」の副委員長、同第3部会委員長、同第2部会委員として、県内の文化財の積極的活用事業に指導・助言を行った。

 名西郡石井町の国指定史跡阿波国分尼寺の保存整備事業に会長として委員会に参画し、当該事業を進めた。

 美馬市の郡里廃寺国指定史跡の郡里廃寺保存整備事業に会長として委員会に参画し、当該事業を進めた。

 鳴門市文化財審議会の会長として、鳴門市の文化財行政に指導・助言を行った。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 大学院の定員充足に対して、学会・研究会出席や大阪府域の教育委員会での埋文資料収集活動の機会を活用し、社会系コースを中心に他大学や教育委員会関係者に学生や現職教員の派遣積極的に依頼した。その結果、今年度はコースとしてなんとか20名近くの院生を確保出来た。

 

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