自己点検・評価報告書(伊東治己)

報告者 伊東治己

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 研究の基軸は「英語コミュニケーション能力育成のためのカリキュラム・指導法研究」であるが,ここ数年は英語コミュニケーション能力の育成に多大な成果を上げているフィンランドの英語教育,その中でも特に小学校での英語教育に着目している。幸い,平成19年度より,3年間の科研費を頂いているが,本年はその最終年度であり,3年間の研究の集約を行う。具体的には,3年間の研究結果をまとめて出版できるよう努力する。

(2)点検・評価

 目標に掲げている「フィンランドの英語教育についての研究」に関しては,これまで(平成21年10月現在)に以下のような研究業績を積み上げている。

論 文

①「世界の小学校英語教育事情:フィンランド」『子ども英語』(アルク)2009年11月号, pp.12-13, 2009年11月. (単著)

②「フィンランドの小学生の英語学習に対する意識に関する調査―教科としての指導は英語嫌いを生み出すのか―」『日本教科教育学会紀要』第32巻第3号,2009年12月(出版予定).(単著)

③「フィンランドの小学校の英語教科書分析-Autonomyの視点から-」『小学校英語教育学会紀要』第10号(2009), pp.37-42, 2010年3月. (共著)

④Perceptions About English Language Learning Among Finnish Primary School Pupils: Does English Language Teaching, Annual Review of English Language Education in Japan, 21(2010年3月,出版予定). (単著)

⑤「Diversity and Consistency of Foreign Language Education in Finland and its Implications for English Language Education in Japan」『鳴門英語研究』第21号, (2010年3月,出版予定).(単著)

学会発表

①「フィンランドの小学生の英語学習意識―教科としての学習と学習意欲との関係に焦点を当てて―」第21回四国英語教育学会徳島研究大会(鳴門市,鳴門教育大学,2009年6月).(単独)

②「フィンランドの小学校の英語教科書分析ーautonomyの視点からー」第9回小学校英語教育学会(JES) 東京大会(東京都,東京学芸大学,2009年7月).(共同)

③「フィンランドの小学生を対象とした英語学習意識調査―教科としての指導は英語嫌いを生み出すのか―」第35回全国英語教育学会鳥取研究大会(鳥取市,鳥取大学,2009年8月).(単独)

④「今,求められる英語力とは-確かな英語力を目指した授業づくり-」第38回四国英語教育研究大会(高知大会) シンポジウム(高知市,高知工科大学,2009年8月).(単独)

 なお,「フィンランドの英語教育についての研究」以外の研究業績としては,論文3編を口頭発表し,4編の論文が学会誌・月刊誌等に掲載された。

 科研費で行ってきた研究成果の公表については,現在,その準備を継続中である。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

①本年度は科学研究費補助金の基盤研究の最終年度に当たるため,新たな課題で科学研究費補助金の基盤研究に応募する。

②本年度は科学研究費補助金の基盤研究の最終年度に当たるため,3年間の研究成果をまとめて出版するために,研究成果公開促進費(学術図書)に応募する。 

(2)点検・評価

①本年度も,当初の予定通り,「フィンランドの学校英語教育の有効性に関わる要因分析的研究」という課題で科学研究費補助金の基盤研究(C)に新規に応募し,採用された。

②現在,本年度が最終年度となる基盤研究(C)「日本での教科化を見据えたフィンランド小学校英語教育に関する調査研究」の成果をまとめており,平成22年度の研究成果公開促進費(学術図書)に応募できるよう準備を進めているところである。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

①オフィスアワーやゼミ等をフルに活用し、個々の学生の能力や希望に応じた学習支援を行う。

②海外研修や留学に関する相談に随時応じて、学生による国際交流活動を促進する。

③学生海外派遣プログラムを実行し、本学学生に海外生活体験の機会を与える。

(2)点検・評価

①本年度も,当初の予定通り,オフィスアワーやゼミ等をフルに活用し、個々の学生の能力や希望に応じた学習支援を行ってきた。

②本年度も,当初の予定通り,海外研修や留学に関する相談に随時応じて、学生による国際交流活動を促進してきた。現段階で,ゼミ生の中の二人の海外留学が決定している。

③本学主催のオーストラリア研修(英語コミュニケーションⅤ)を企画・立案し,合計10名の参加者を得て,例年どおり実施した。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

①従来からの研究テーマ(英語教育学)をまとめ、学会で口頭発表をする。

②従来からの研究テーマ(英語教育学)をまとめ、学会誌に投稿する。

③科研費で行っている研究(フィンランドの小学校英語教育)をさらに進める。

(2)点検・評価

①7編(うち国際学会1編,全国学会3編,地区レベル学会3編,また7編のうち3編が単独発表,4編が共同発表)の論文を学会で口頭発表している。

②6編の論文を関係学会(1編は国際学会,4編は全国学会,1編は本学)に投稿した。そのうち,5編が採用された。

③3年間に及ぶ科研費での研究成果を集約し,来年には出版物として公開できるよう準備をしているところである。なお,国際交流のところでも述べるが,本年度はフィンランドから2組の小学校教員を本学に招聘し,本学の研究者及び学生・院生諸君,さらには一般市民を対象に2度の公開講演会を開催した。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

①人文・社会系教育部長及び教育研究評議会評議員として、大学の運営に参画する。

②連合大学院言語系教育講座の講座代表として、同講座のスムーズな運営に努力するとともに、同講座 における本学の存在感を強めることに努力する。

③コースの一員として,コース運営はもちろんのこと,大学運営にも積極的に貢献する。

(2)点検・評価

①人文・社会系教育部長及び教育研究評議会評議員として、大学の運営に参画してきた。

②連合大学院言語系教育講座の講座代表として、同講座のスムーズな運営に努力するとともに、同講座における本学の存在感を強めることに努力してきた。本年度の連合大学院入試に際しては,私のもとでの博士論文執筆を希望して現職教員1名が受験し,合格した。なお,本年度は講座代表としてだけでなく,『実践学論集』の編集委員として連合大学院に関わってきた。

③言語系コース(英語)の一員として,コース運営はもちろんのこと,大学運営にも積極的に貢献してきた。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

①附属学校教員と連携し、英語教育分野について協同研究を進める。(附属学校)

②大学と地域・社会との交流・連携を積極的に行い、社会貢献に努める。(社会連携)

③国際交流協定校をはじめとした海外の教育・研究機関との協力事業に貢献する。(国際交流)

(2)点検・評価

①本年度も,附属学校教員と連携し、英語教育分野について協同研究を進めてきた。特に,本学附属小学校とタンペレ大学附属ハメリンナ小学校との交流に対しては,現地から校長先生以下2名の教員を本学に招聘する事業において中心的役割を担ってきた。(附属学校)

②本年度も,大学と地域・社会との交流・連携を積極的に行い、社会貢献に努めてきた。具体的には,本年度も教育支援講師・アドバイザー等派遣事業や本学主催の公開講座や免許更新講習に参画するとともに,複数の都道府県教育委員会および研究会・大学主催の研修講座・研究会に講師・指導助言者として参画してきた。また,徳島県教育委員会による「英語教育改善のための調査研究事業」にも,運営指導委員として参画している。(社会連携)

③本年度も,国際交流協定校をはじめとした海外の教育・研究機関との協力事業に積極的に貢献してきた。具体的には,(1)本年度も英語コミュニケーションⅤ(海外集中講義)の実施のため,本学の国際学術交流協定校であるオーストラリアのアデレード大学に本学学生を派遣した。(2)言語系コース(英語)がオーストラリアのFaith Lutheran Secondary Schoolとの間で実施している日本語TA派遣制度で英語科教育コースの学生を1名派遣した。(3)平成21年10月にオーストラリアから研究者を招聘し,英語教育についての研究協議を重ねた。(4)平成21年11月にフィンランドの2つの小学校から教員(3名と2名)を本学に招聘し,講演会を組織するとともに,フィンランドの学校教育および英語教育について研究協議を行った。(国際交流)

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 

 

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