自己点検・評価報告書(原 卓志)

報告者 原 卓志

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 学部教育…これまで国語学(現代語)担当教員と共に整備してきた、教員養成のための国語学カリキュラムに基づいて、授業内容の精選と充実に努めたいと考えている。また、同教員と協同して、国語科教師教育という立場からの実践報告(学部国語学関係授業)を行うために、当該授業に関する授業研究を行うことを計画している。
 大学院教育…平成20年度後期からスタートした広領域コア科目「現代社会と情報・思考・コミュニケーション」の授業内容を見直し、「言語コミュニケーションの構造」「ことばの意味」などについて、言語学を専門としない多様な受講生でも、日常的な生活言語から問題の本質を理解できるような教材を発掘するとともに、特に記号論的視点・語用論的視点からの教材研究を行う。
 また、国語学(現代語)・日本語教育担当教員とともに、合同ゼミを開催し、大学院生の多角的な研究活動を支援していきたいと考えている。

(2)点検・評価

○学部教育…国語学(現代語)担当教員と連携し、授業内容の精選に努めた。また、その授業実践について、国語学(現代語)担当教員が筑波大学日本語日本文学会(9月)で報告した。

○大学院教育…広領域コア科目の授業内容の見直しを図り、「言語コミュニケーションの構造」「ことばの意味」などについて、言語学を専門としない多様な受講生でも、日常的な生活言語から問題の本質を理 解できるような教材を開拓した。

○後期からは国語学(現代語)・日本語教育学担当教員と連携して、大学院生合同ゼミを開催した。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 科学研究費については、現在研究分担者として参加している「醍醐寺宋版一切経」を中心とした調査研究(3年計画の最終年度)を継続していく。

 また、言語系コース(国語)所属教員と連携して、平成21年度科研費として申請した、「カリキュラム開発力を核とする国語科教員養成プログラムの開発に関する研究」(基盤C(一般)代表:余郷裕次)を中心とする共同研究を継続していきたい(特に、国語学担当教員の協同研究である国語学カリキュラムの整備と授業内容の精選については、①に述べたように取り組む)。 

(2)点検・評価

 科学研究費について、1.「醍醐寺宋版一切経」を中心とした調査研究(基盤研究(B)3年計画の最終年度・研究分担者)を終了した。加えて、第2次調査研究として基盤研究(B)「日本伝来宋版一切経の角筆点の発掘と東アジア言語文化交流の研究」(研究分担者)を申請した。2.言語系コース(国語)所属教員で連携し、「絵本の教材的価値に関する研究」(基盤研究(C)・研究分担者)を申請した。3.教育史担当教員と連携して、「国語史資料・学習史資料開発のための近世地方寺院伝存文献の調査研究」(基盤研究(C)・研究代表者)を申請した。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

 学部教育においては、「大学教員としての教育・研究活動①」にも述べたように、国語学(現代語)担当教員とともに、1~3年次生対象授業について、授業研究を行い、これまで整備してきた学部国語学カリキュラムを検証し、その成果と問題点を考察したいと考えている。

 また、就職支援活動として、平成20年度に行ってきたような模擬授業・面接指導を積極的に行う。

(2)点検・評価

1.学部教育で、国語学(現代語)担当教員と連携して、授業研究を行い、成果の一部を国語学(現代語)担当教員が筑波大学日本語日本文学会(9月)で報告した。また、同教員とのTT授業である2年次対象授業「国語学特論Ⅰ」(後期)において授業研究のための資料を収集した。

2.就職支援活動では、就職委員会委員として模擬授業・模擬面接を担当したほか、その他の機会を通して、教員採用試験対策の支援活動を行った。学部卒業生14名の内、正規合格者12名という好結果につながった。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

1.醍醐寺宋版一切経調査を継続する。6月・8月に行う2回の調査で、1次調査を終える予定である。

2.行為指示型表現の歴史的研究の成果の一部で、研究が遅れていた「「-てたべ」表現の位置」に関する論文を発表する。

3.国語学・日本語学分野教員と徳島方言に関する共同研究を進める。できれば、論文として発表する。

4.阿南市地蔵寺所蔵文献の調書の整理を行う。

(2)点検・評価

1.醍醐寺蔵宋版一切経604函6104帖の全帖についての1次調書作成を終了した。また、「東大寺図書館所蔵唐経『大安般守意経』角筆点の分析」(8月21日・於醍醐寺)、「醍醐寺蔵宋版『大安般守意経』角筆書き入れの分析」(12月13日・於広島大学)を発表した。さらに、第2次調査研究のための(科学研究費 基盤研究(B)研究分担者)を申請した。

2.言語系コース(国語)所属教員と連携して、「絵本の教材的価値に関する研究」(基盤研究(C)・研究分担者)を申請した。

3.教育史担当教員と連携して、「国語史資料・学習史資料開発のための近世地方寺院伝存文献の調査研究」(基盤研究(C)・研究代表者)を申請した。

4.国語学(現代語)・日本語教育学分野教員と連携して徳島方言に関する共同研究を進め、「徳島方言動詞「つまえる」の意味分析」(「語文と教育」第23号、8月30日)を発表した。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

 各種委員会委員として、大学運営に協力する。

(2)点検・評価

1.就職委員会委員として、模擬授業・模擬面接(計4回)などの諸行事に携わったほか、岡山県・山口県・ 広島県・広島市・愛知県・名古屋市・兵庫県・神戸市の各教育委員会を訪問し、教員採用についての情報収集を行った。なお、本委員会では副委員長をつとめた。

2.学生支援委員会委員として、本年度の「学園だより」編集委員長をつとめた。また、平成21年度学生指 導担当教職員研究会(9月3日)において「学生のコミュニケーション能力向上への支援」に関する発表を行った。

3.第二期中期目標・中期計画策定PTの一員として、策定業務に携わった。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

 学部附属国語科連絡協議会に所属し、附属学校園の教員と積極的に交流・連携し、実地教育などの教育を行う。 教育委員会、小・中・高等学校などからの協力要請には積極的に応える。

(2)点検・評価

1.学部附属国語科連絡協議会に所属し、附属学校園の教員と積極的に交流・連携している。附属小学校で開催された研究授業(9月18日)では、助言者をつとめた。

2.徳島市小学校教育研究会国語部会夏季研修会(7月23日、徳島市一宮小学校)で、小学校4年生を対象にした授業「ことばの勉強―何をあらわすことばかな」を行った。また、同校において講演「ことばとことばの力」を行った。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 国語コース所属学部学生の教員採用試験の好成績(Ⅱ-1)を挙げることができる。ひとえに学生の努力に依るとすべきであるが、就職支援室主催の諸行事への協力と、個別の模擬授業指導・面接指導・自己PR文の添削指導などの支援が生きたものと考えている。

 

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