自己点検・評価報告書(八幡ゆかり)
報告者 八幡ゆかり
1.学長の定める重点目標
1-1.大学教員としての教育・研究活動①
(1)目標・計画
(2)点検・評価
1.在学生に教員としての知識と技能の習得や主体的に学ぶ姿勢を持たせるために系統的な授業計 画を立てて授業を行った。学部1年生には基本的知識と教師としての意欲向上,学部3年生には,実践課題を提示して話し合い,発表といった一連の作業をとおして実践的力の育成に努めた。大学院生には,理論と実践との統一を図るために学術的内容と実践課題を提示してストレート学生と現職教員とによる話し合いや発表の場を設定し,専門性の深化と実践力の向上に努めた。その結果,大学院の授業評価は総合評価4.9であった(学部は後期のため不明)。
2.修了生が会員になっている「徳島特別支援教育事例検討会」を8月に開催して,実践課題に関する助言指導や教育相談に応じてフォローアップを行い,専門性の深化を図った。
3.学校に勤務している修了生の教育上の悩みに対してメールや直接会って助言した。
1-2.大学教員としての教育・研究活動②
(1)目標・計画
②文部科学省の科学研究費の継続獲得を目指す。平成21年度は,同研究費の最終年度(平成19年度~21年度)に該当するので,特別支援教育に関する継続的な研究を行えるように,県教育委員会や附属特別支援学校と連携して具体的な成果を挙げる。
(2)点検・評価
平成21年度は,文部科学省科学研究費(基盤研究C)の最終年度に該当した。そこで,科学研究費の継続獲得を視野に,今年度の研究を次のように行った。①県教育委員会と,市町村教員委員会と巡回相談員を対象に「地域特別支援連携協議会」の研修講師,②市町村教育委員会と巡回相談員へのアンケート調査,③県立総合教育センター特別支援・相談課と,特別支援教育コーディネーターへのアンケート調査,④日本殊特教育学会に県の特別支援・相談課と研究分担者の井上とも子准教授との連名でポスター発表,⑤附属特別支援学校における研修プログラムの共同研究。
上記の継続研究として,平成22年度から24年度の基盤研究(C)の採択を目指し,井上とも子准教授と佐藤公子准教授を研究分担者として「地域の特性に応じた特別支援教育のネットワークづくりに関する研究」のテーマで申請した。また,研究協力者として県教育委員会や県総合教育センター,附属特別支援学校の承諾を得た。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
目標:知識と技能の習得や主体的に学ぶ授業を行ったり,安定した学生生活をできるように支援する。
計画
1.学部1年次に教職への意欲を高める体験的学びを多く取り入れ,学年が上がるにつれて知識や技能を深めるようにワークシート等を用いて授業内容をまとめる力や考える力をつけさせる。大学院生には実践課題の解決策を提言できる論理的思考が身につくように文献の分析方法等について指導を行う。
2.指導教員として,ゼミなどを通して学生の生活上の悩みについて相談に応じて適宜アドバイスを行う。
(2)点検・評価
1.学部学生の授業では,ワークシートに授業内容をまとめたり,考える力を培ったり,復習や黒板に授業の目的と内容を示すなどの工夫を行った。大学院の授業では,実践課題に関する話し合いや発表,レポートを通して実践課題の解決策を提言できる論理的思考が身につくように指導を行った。
2.修士論文指導時や懇親会等で,教員採用試験対策や生活上の悩み等について適宜,指導した。
2-2.研究
(1)目標・計画
目標:ライフワークである障害児教育史研究と特別支援教育の実践課題解決の研究を進める。
計画
1.知的障害児に関する歴史研究を行う。
2.特別支援教育コーディネーター研修事業計画について,文部科学省科学研究費を使い,県教育委員会などと連携して研究を行う。
(2)点検・評価
1.鳴門教育大学研究紀要に,徳島県の戦前における知的障害児の就学実態をテーマに投稿した。
2.日本特殊教育学会に,文部科学省科学研究費事業で県総合教育センター特別支援教育課と共同 で行った特別支援教育コーディネーター養成研修事業の研究結果をポスター発表した。
3.SNE学会に,文部科学省科学研究費事業で特別支援学校教諭と共同で行ったセンター的機能につ いて 発表した。
4.鳴門教育大学学校教育研究紀要に,文部科学省科学研究費事業で平成20年度に調査したコーデ ィネーターへのアンケート結果を投稿した。
5.障害児教育事典の改訂版に担当箇所(2項目)を修正・追加してまとめ直した。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
目標:大学の一員として,運営に積極的に携わる。
計画
1.基礎・臨床系教育部の運営に積極的に携わる。
2.特別支援教育専攻の運営に積極的に携わる。
(2)点検・評価
1.基礎・臨床系教育部の運営について部会議で適宜発言して積極的に携わるように取り組んだ。
2.特別支援教育専攻の運営について専攻長や他の教員と協力して積極的に携わった。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
目標:附属特別支援学校や県教育委員会と連携して特別支援教育に関する実践課題に取り組む。また,地域の特別支援学校等に赴き,指導・助言を行う。
計画
1.附属特別支援学校と連携して,同校の実践課題について共同研究を行う。
2.県教育委員会や県総合教育センター特別支援教育相談・支援課と共に現職教員の質的向上を目指した研修に従事する。
3.教育支援講師・アドバイザーとして特別支援学校等に出向く。
4.現職教員等を対象にした公開講座を開催して実践課題のアドバイスを行う。
(2)点検・評価
1.附属特別支援学校と連携して,同校のセンター的機能について研修プログラムを検討し,県立阿南養護学校の研修プログラムに適用した。
2.県教育委員会や県総合教育センター特別支援・相談課の依頼を受けて,就学指導員講習会や教 科書検定委員,地域連携特別支援担当者等への研修,文部科学省の指定研究(特別支援学校と 小学校・中学校)の助言等を行った。
3.教育支援講師・アドバイザーとして保護者会(附属特別支援学校保護者会長),中学校,小学校に 行った。
4.現職教員等を対象にした公開講座を開催して実践課題のアドバイスを行った。
5.科研費を使って,アンケート調査などを行い,県下の特別支援教育推進事業に貢献した。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
特別支援教育の推進に積極的に関わることで,本学の地域貢献度を広めることができた。具体的には,以下の通りである。
1.科研費を獲得して,特別支援教育推進に向けて,県教育委員会と学校現場との橋渡し役として大学教員が働きかけて三者間の連携の充実を可能にした。また,その状況を学会で発表することで,全国的に本学の特別支援教育への積極的活動を広めることができた。
2.特別支援教育専攻内に事務局をおく「徳島特別支援教育事例検討会」を開催して教育・医学・福祉の連携や学校現場の実践上の課題についての意見交換を行った。これらの活動により,教員養成系大学としての任務を遂行できた。