自己点検・評価報告書(葛西真記子)

報告者 葛西真記子

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 臨床心理士養成コースでは、約90%の院生は教職を希望しているわけではないが、なんらかの形で学校現場の臨床にかかわりたいと願っている者がほとんどである。そのため、本学の特色を生かし、学校現場で役に立つ臨床心理士の養成ができるように、教職大学院担当の教員や院生との交流授業や演習を生かし、学校現場での問題とその対応方法について、自らの実践に基づいた知識をもとに講義を行っていきたい。また、スクールカウンセラーとして派遣されている小・中学校での問題や生徒・保護者・教員の傾向などについても研究し、授業等に還元できるようにしたい。

(2)点検・評価

 担当授業や分担授業では、積極的に学校現場での問題や、学校現場への応用可能性について言及し、スクールカウンセラーとしての自身の経験や現職教員からの意見を求めたりして、ストレートマスターの教育への意識を高めることができた。

 教職大学院担当の教員との相互交流も行うことができたが、院生との交流は、授業を受講した院生のみになってしまい、全体としての関わりはあまり持てなかった。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 現在獲得している科学研究費の萌芽研究と基盤研究Cの研究実績をあげ、それを次の研究へとつなげることが重要であると考える。今年度は、両研究の最終年度に当たるので、研究成果の報告に力をそそぎたいと考える。 

(2)点検・評価

 現在獲得している科学研究費の萌芽研究と基盤研究については、最終年度であったので、研究の成果をまとめ、学会で発表を行った。現在、投稿論文も作成中である。

 また、日本学術振興会の二国間連携の研究費の申請も英国のEssau博士と行った。

 来年度からの科学研究費の申請も基盤研究Cで代表者として行った。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

 学部の担当授業は受け持っていないが、ピア・カウンセリングのコーディネーターとして、学部生の精神面の生活支援を積極的に行う。

 大学院の講義や演習では、臨床心理士としての実践力が身につくように具体的な指導を行い、小グループでの対応を行う。また、院生の研究成果の外部への発表の手助けを行う。

(2)点検・評価

 学部生のピア・カウンセリング参加者は、前期で10名、後期は、4名であった。ピア・カウンセリングを通して、学部生の精神面の支援を行った。

 大学院生の、授業等では、実践力が身につくように、これまでの効果的なカウンセリングの訓練方法を基に、実践的な、小グループでの、フィードバックを中心とした授業を行った。ゼミ生は、積極的に外部への研究成果の公表も促し、二名が全国レベルの学会で発表をした。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

 カウンセラーの効果的な養成方法についての研究をすすめてきたが、今年度はセクシュアル・マイノリティ、感受性訓練、その両方の研究の成果をまとめ、学会等で幅広く研究を報告する。また、さらに研究をすすめるために、他大学の協働研究者との情報交換、研究会等を開催し、積極的に研究を進めていく。

(2)点検・評価

 アメリカで出版された「International Handbook of Cross-cultural Counseling」の日本に関する章を執筆し、それに関するシンポジウムを全国レベルの学会で行った。セクシュアル・マイノリティ、感受性訓練に関する研究発表も全国レベルの学会で行い、その成果を学会誌にも投稿(A論文とB論文)した。

 まだ、自己心理学に関する他大学の協働研究者との研究会にも積極的に参加し、自己心理学についてのフォーラムでも発表を行い、論文にもまとめた。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  院生の定員確保に関しては、昨年度と同様に積極的に学外のカウンセリングセンターに入試の情報等を提供する。また、本年度に実施した修了生へのアンケートを元に、つながりを研究会等で維持し、新たな院生の確保を目指す。今後、本講座では臨床心理士の合格率が問題となってくると思われるので、その対策のため、ケースの充実やスーパーバイズの充実を行う。

(2)点検・評価

 学外の機関である関西カウンセリングセンターには入試について個人的に説明に出向き、興味のある学生に説明を行った。また、学外から、本学の大学院に興味を示した学生には積極的に本コースについて説明し、受験をすすめた。それで、来年度入学する学生もいる。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

 社会との連携に関しては、昨年度に引き続き、スクールカウンセラーとして鳴門市内の小中学校に派遣されており、そこで、実践研究でいじめ予防や不登校予防の効果があると検証された心理教育プログラムの実践を各学校のニーズに合わせて行う。また、院生のスクールカウンセラー訓練をかねて、鳴門市内の小中学校において、院生の実習を行いながら、学校現場の教員と連携をはかる。その他、各種地域の家庭教育支援や人権教育に関する委員を行っているので、その中で地域への貢献をおこなう。国際交流に関しては、留学生のみでなく、地域の在日外国人対象に、英語での個人やグループカウンセリングの機会の提供を検討する。社会における青少年の健全育成のための委員会等に参加し、臨床心理学的な専門をいかす。

(2)点検・評価

 スクールカウンセラーとしての県内の小中学校において積極的にケースカンファレンスの開催を促したり、心理教育プログラムの宣伝を行ったが、今年度は、日程等があわず、実施できなかった。

 各種地域の家庭教育支援や人権教育に関する委員を行っているので、その中で臨床心理学の専門をいかし、地域への貢献をおこなった。国際交流に関しては、地域の在日外国人からの相談に関するメールでの問い合わせがあり、それに対して、機関の紹介やカウンセリングの説明等を行った。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  戦略的開発室のメンバーとしてGPへの応募、先導的開発研究のメンバーとしてカリキュラムマップのアンケートや作成と行った。

 

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