自己点検・評価報告書(木内陽一)

報告者 木内陽一

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての教育・研究活動①

(1)目標・計画

 本学は教員養成大学であるので、将来の教育実践を念頭に置いた教育をするのは当然のことであるが、さらに、二十歳前後の若者の人間形成、とくに一般教養に配慮して教育したい。受講生の高校時代の履修科目の偏りを痛感させられるので、担当授業科目において、以下の点に留意して授業をしたい。「人間形成原論」(分担、学部一年生対象)においては、近代の人間観の諸相を中心に講義をする。哲学や思想史に関する学生の興味を喚起したい。「学校と人間形成」(分担、3年生対象)では、お雇い外国人ラフカディオ ハーンの足跡を追いながら、近代日本の教育を幅広く捉える努力をしたい。「教育哲学研究」(大学院)では、西田幾多郎の哲学を軸に、近代日本の(教育)思想を検討したい。その際、受講者が少人数であることを生かして、プレゼンテーション、レジュメの書き方の指導も行いたい。 ドイツ・オルデンブルク大学のハンナ・キーパー教授との共同研究の枠内で、大学での教養教育(一般教育)の在り方を検討する相談をしている。ドイツと日本の研究成果を本学に教育に生かすことができれば幸いであるが、キーパー教授来日の際に、研究のおおよその方向性を打ち合わせた段階である。キーパー教授との共同研究をさらに進捗させたい。

(2)点検・評価

 本年度試みて成功した点は、留学生の「活用」ということだった。今までは、本学の学生を留学させ、外国の空気を吸ってきてほしいと願ってきたが、これは困難であると痛感している。そこで、むしろ本学に留学してきている外国人学生から刺激を得る、という方向に発想を転換させた。学部の「人間形成原論」では、自由課題ではあるが、発展的な課題として、外国人(留学生)とのインタビューを課してみた。おおよそのインタビューの課題をあらかじめ提示し、当該学生の国の教育課題などを聞き取り調査させ、提出させた。受講生には、なかなか大変な作業であったかもしれないが、鍛えられたと思う。 また、大学院の「教育哲学研究」では、ドイツ人留学生のマティアス・ドレーフス君に参加してもらった。ドレーフス君には、ドイツ語訳の『善の研究』を読んできてもらい、日本人受講生は日本語原典を読み、毎回、日本語と英語(!)のレジュメを作らせた。議論は、英語免許取得希望の三人に学生の力を借り、できるだけ英語でおこなった。大変有意義な経験であったと思う。

 

1-2.大学教員としての教育・研究活動②

(1)目標・計画

 兵庫教育大学連合大学院の受託事業を行うことにより、外部資金を獲得したい。・他大学教員との共同プロジェクトを立ち上げ、科学研究費補助金を申請したい。 

(2)点検・評価

 科研費申請まで至らなかった。ただ、連合大学院のふたつのプロジェクトに加わり、任務を遂行した。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

 鳴門教育大学フィハーモニー管弦楽団顧問として、学生生活を支援する。学校教育コース2年生の副担任として、学生生活を支援する。

(2)点検・評価

 フィルハーモニー管弦楽団は、存亡の危機に立たされている。平成21年3月18日の学位記授与式に、一年ぶりで演奏することが出来た。団員を支援して、団の立て直しに努めたい。 学校教育コース2年生副担任として、学校教育実践Iの授業の一端を企画し、徳間城博物館の見学、ならびに、事前事後指導をおこなった。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

 外国人研究者との共同研究の成果の一部を、大学紀要に投稿する。具体的には、①ハンブルクの新教育に関する研究(ドイツ・グライフスヴァルト大学・アンドレアス・ペーンケ教授との共同研究)②カイルハウ・自由フレーベル学校の歴史に関する研究(ドイツ・ライムント・メフッェルト博士との共同研究)③教育辞書の研究(ブダペスト大学・アンドラーシュ・ネメット教授との共同研究)

(2)点検・評価

 ハンブルクの新教育に関する研究(ドイツ・グライフスヴァルト大学・アンドレアス・ペーンケ教授、小林万里子福岡教育大学准教授との共同研究)を19世紀末・20世紀初頭におけるハンブルクの新教育」として、本学の研究紀要に発表した。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

 学内の委員としての職務を遂行する。人間形成コースのコース長としての役割を演じる。

(2)点検・評価

 学生支援委員会副委員長、人間教育専攻長、人間形成コース長として、活動した。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

 2009年4月より、ドイツ・リューネブルク大学より交換留学生が来学する予定であるので、この学生の指導教員をつとめる。

(2)点検・評価

 2009年4月より9月まで、ドイツ人留学生のマティアス・ドレーフス氏の指導教員を務めた。 7月9日、リューネブルク大学教授、マティアス・フォン・ザルデルン氏が本学を訪れ、学長表敬訪問、講演会をおこなったので、通訳として支援した。 11月30日、ラインハルト・ウーレ教授(ドイツ・リューネブルク大学)、ファン・シャーク准教授(アメリカ・バンダービルト大学)が本学を訪れ、学長表敬訪問、講演会をおこなったので、通訳として支援した。英語通訳は、初体験だった。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

 特になし

 

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