2.附属図書館

1.特記事項

平成19年度の特記すべき取り組み事項は,以下のとおりである。
  1. 鳴門市立図書館との相互協力活動の実施(貸借資料の搬送開始及び共催での新春特別展「江戸を歩く-地図が語る歴史文化」の開催)
  2. 附属図書館特別展「地域に生きる遍路文化-後藤家文書を中心に」の開催
  3. 機関別認証評価の実施(優れた点として,大村文庫・野地文庫及び児童図書室が挙げられた)
  4. 附属図書館資料受入・保存の在り方検討ワーキング・グループで狭隘化対策を検討(図書の廃棄実施)
  5. チーム制導入に伴う事務組織の改編(情報図書課→学術環境課,資料係・サービス係→学術情報チーム)

2.管理運営

  1. 附属図書館運営委員会 附属図書館運営委員会は附属図書館長,各部から選出された教授,各委員会等から選出された委員13名で構成し,事業計画の策定や予算に係る重要事項等を審議している。
  2. 事務組織  法人化後は図書購入に係る契約事務は会計課に一元化し,それまでの3係体制(管理,目録,サービス係)から資料係,サービス係の2係体制となっていたが,チーム制の導入に伴い2係をまとめて学術情報チームに改組した。(平成19年7月)

【課題】

   昭和62年竣工時の図書収容力は約18万冊であったが,平成19年度末の配架資料は約30万冊である。ここ十数年閲覧席を減し書架を増設することで増加資料に対応してきたが,これ以上閲覧席を減すべきではない。今後の資料配架スペースを確保するために,資料の受入・保存基準を早急に整備し,狭隘化への抜本的な対策を講じることが喫緊の課題である。

3.教育支援

1 蔵書

   日本の図書館2007(日本図書館協会)によれば,学生1人当り蔵書数は293冊で,国立教育系大学図書館の中では最多である。
  <参考 統計資料 pdf(18KB)>

2 学術資料の収集整備

  教員養成大学として幅広く各分野の資料を選定しており,学生図書は全教員の推薦により購入し,図書館に備える基本図書は学生の利用状況や蔵書構成を勘案して職員が選定している。また,授業に関わりのある参考文献や学生から要望があった資料を購入している。
  外国雑誌については,図書館購入の冊子体は少ないが電子ジャーナルについては約3,500タイトルを利用できる。
  教科書については小学校及び中学校用を改訂時に整備している。指導書及び「学習指導要領」,「学習指導要領解説」は教科書コーナーに別置している。

【課題】

 高等学校教科書及び指導書の整備。

3 開館・利用状況

  平成19年度開館日数は325日であり,授業期平日は22時,土・日・祝日は18時まで開館している。日本の図書館2007(日本図書館協会)によれば,利用者1人当り年間入館回数は71で,国立教育系大学図書館の中では最多である。
  <参考 統計資料 pdf(17KB)>

4 情報リテラシー支援(図書館利用指導)

  新入生オリエンテーションでは「図書館利用案内」を配布すると共に,図書館の紹介を行っている。5月には学部1年生の「基礎情報教育」授業(新入生全員)の講義時間に図書館員が図書館利用指導を担当した。その内容は鳴門教育大学所蔵の図書・雑誌の検索方法( OPACの使い方),全国大学図書館等で所蔵する資料の検索方法( Webcat, CiNiiの使い方)であった。また,大学院生が受講する「臨床心理学研究法特論」でも,図書館員が3コマの授業を利用して,論文作成から文献検索,資料の入手方法等について担当した。

5 図書館間相互貸借(ILL: Inter Library Loan)

  ここ10年ほどの利用のピークは平成10年度であり電子ジャーナルの普及もあってか依頼件数は減少してきている。相互貸借や文献複写の申し込みは図書館ウェブからも利用可能となっている。また,平成18年度末に締結した鳴門市立図書館との資料の相互利用の協定に基づき,貸借資料の搬送(デリバリーサービス)を開始しサービスの拡充を図った。
  <参考 統計資料 pdf(55KB)>

6 利用者懇談会

  平成19年度の利用者懇談会(大学院生,学部生)を19年秋に開催した。そこで出された要望事項を検討分類し,その実現に向けての取り組みを続けている。

7 学習環境の整備

  平成19年度は,閲覧室カーペットの張り替え,一人用机(キャレルデスク)の増設,教科書コーナーの集中化,野地潤家文庫書架入れ換え等の整備を行った。

【課題】

一人用机(キャレルデスク)の増設。

4.研究支援

電子図書館サービス機能の充実

1 電子情報サービス

  図書館ウェブページから本学研究成果としての学位論文要旨,教科教育実践学関係資料,後藤家文書画像データベース,子どもの心を理解するための絵本のデータベースを公開しているほか,PsycINFO等のデータベースと約3,500タイトルに上る電子ジャーナルを提供している。なお,本学所蔵資料の目録(OPAC)についてはデータの遡及入力を終え,ほぼ100%図書館ウェブページから提供できている。

【課題】

電子ジャーナルの継続提供への努力。

5.地域貢献

1 一般利用者(社会人,他大学学生,本学の卒業生・修了生等)への図書館利用サービス  平成19年度は395人が利用登録を行った。この10年間において,学内者への貸出冊数がほぼ一定であるのに対して,一般利用者への貸出冊数は約1.5 倍近くに増加している。

2 附属図書館特別展の開催

   図書館所蔵の後藤家文書(江戸時代の組頭庄屋関係史料を中心に多様な分野の史料が含まれている。)画像データベースの公開を受けて,特別展「地域に生きる遍路文化-後藤家文書を中心に」を5月26日から6月30日まで開催した。遍路文化への関心の高さもあり,1,440人の来館があった。

  また初めての試みとして,鳴門市立図書館と共催で本学附属図書館所蔵資料による新春特別展「江戸を歩く-地図が語る歴史文化」を1月5日から1月27日まで鳴門市立図書館を会場に開催し,多くの市民が来場した。

3 児童図書室の利用サービス

   児童図書室は,児童図書室長・専任の職員と学生のボランティアが交代で活動しており,開室21年を迎えた。平成19年度は延べ4,770人が利用し,館外への図書貸出は5,935冊であった。企画行事として,絵本の「読み聞かせ」やストーリーテリング,七夕会や冬のお楽しみ会,学外のボランティア団体によるお話会及び講演会を開催し,子育て支援及び地域住民との交流を促進した。児童図書室は,地域の子どもの発達を支援するとともに,将来教師になろうとする学生には生きた教育実践の場として機能している。

最終更新日:2009年03月18日

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