芸術系(美術)教育講座

記載責任者 山木朝彦

◇教員名簿

氏名職名専門分野 氏名職名専門分野
長岡強 教授 彫刻 西田威汎 教授 絵画
橋本泰幸 教授 美術科教育 松島正矩 教授 構成・デザイン
山木朝彦 教授 美術科教育 井戸川豊
(平成19年3月31日退職)
助教授 工芸(陶芸)
小川勝 助教授 美術理論・美術史 鈴木久人 助教授 絵画
内藤隆 助教授 構成・デザイン 野崎窮 助教授 彫刻

*教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンクしています。

◇自己点検・評価

1.学長の定める重点目標

1-1.大学院の学生定員の充足

(1)目標・計画

  1. 美術出版社発行「美術手帖」及び美育文化協会発行「美育文化」に,院入試案内の広報を掲載する。
  2. 美術講座のホームページを更新し,常に講座の情報を魅力あるものにしていく。また,ホームページに「学生からのメッセージ」を掲載し,対外的な呼びかけを行う。
  3. 知り合いの大学教員宛てに,各自がメッセージを添えて,「大学院ガイドブック」「募集要項」等を送付し,受験生を紹介してもらう(100通以上)。
  4. 修了展・卒業展や修了生のグループ展開催を支援し,修了生・卒業生との交流を深め,受験生の発掘につなげる。
  5. 修士論文中間発表会に学部4年生も参加させ,大学院への興味を喚起させる。

(2)点検・評価

  1. 「美術手帳」2006年11月号(通算888号)97頁に大学院入試案内の広報を掲載した。(もう一誌については,平成17年度および平成18年度の大学院入学者にたいする調査の結果,広告を見た者がいなかったため,しばらくの間,掲載を見合わせることとした。)
  2. 美術講座のホームページについて背景色を変えるなどデザイン面をリニューアルするとともに,卒業・修了展の案内を載せるなどして,講座の情報を魅力的にみせて発信した。また,「学生からのメッセージ」を掲載し,積極的に大学院のコースや学部の内容を紹介した。
  3. 前期および後期の大学院入試に先立ち,知り合いの大学教員宛てに,各教員がメッセージを添えて,「大学院ガイドブック」「募集要項」等を送付した。また,他大学の教員に対して,電話や直接の面会を通じて,受験希望者を募ってもらった。
  4. 修了展・卒業展や修了生のグループ展開催を支援するため,前者については学長裁量経費のプロジェクトとして申請し,予算面からバックアップした。また,修了展・卒業展のポスターを県内の高校と全国の芸術系大学および教育形大学美術講座に郵送した。後者については,修了生のグループ展の第三回「あしあと展」の開催について,学部生と大学院生にたいして広報した。このような取り組みによって,教員と修了生(修了予定者を含む)・卒業生(卒業予定者を含む)との交流を深めるとともに,受験生の発掘に努めた。

1-2.教員採用率の向上

(1)目標・計画

  1. 教員採用試験の実技に関わる内容を積極的に授業に取り入れる。
  2. 教員採用率の向上をめざし,学習指導要領の理解を深める内容を授業に取り入れる。
  3. 教員採用試験対策として,学生の希望に応じ,模擬試験や模擬面接を行う。
  4. 全国レベル,県レベルの公募展への出品を促し,学生の実績づくりを支援する。

(2)点検・評価

  1. 講座の教員全員が義務教育課程の図画工作および美術の実技にかかわる内容を熟知するように努め,それぞれの授業にその知識を取り入れ,受講生の制作課題に反映させた。
  2. 教科教育担当の教員は,いままで以上に,学習指導要領の理解を深める内容を授業に取り入れた。他の教員も,全員が学習指導要領の解説書を参考として,指導要領の内容を授業に取り入れた。
  3. 実技教育研究指導センターの教員の協力の下に,教員採用試験対策として学生の希望に応じ,模擬試験や模擬面接を行った。
  4. 学部と大学院の学生の公募団体展への応募を促し,その結果として,京展大賞受賞,関西国展新人賞,新制作展(本展)入選,関西新制作展新作家賞,徳島県美術展準特選,青木繁記念大賞展入選,北陸中日美術展入選,関西国展入選,愛媛県展入選など,学生の業績として,かつてないほどの輝かしい成果を上げることができた。これらの成果は,教育系美術講座の指導の実績としては,特筆に価するものである。なお,上記の受賞者のうち,1名が本学学生のうち芸術・文化の発展に寄与した学生を大学が表彰する「溝上賞」を受けたほか,3名が学内表彰を受けている。これらの業績は,実技力を問われる中学・高校の美術教員採用時にプラスに評価される。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 各自が,授業改善に積極的に取り組む。
  2. 卒業研究,修了制作,修士論文の指導は,指導教員にすべてを任せるのではなく,講座の教員全員が協力して指導助言する体制をとる。
  3. オフィスアワー時間内,時間外に関わらず,指導教員以外の教員も,気軽に学生の進路,悩み等の相談に応じるよう努める。
  4. 学生の自主的な運営による修了展・卒業展の開催を支援する。
  5. 学生が意欲的に研究・制作に取り組むことができるよう,研究・制作環境の改善を図る。

(2)点検・評価

  1. 学生が意欲的に授業に取り組めるように,どの授業でも発表の場面を盛り込むことができた。複数の教員が担当する授業では,綿密な打ち合わせを行い,学生が無理なく受講できるように配慮した。
  2. 大学院2年次の5月に実施した大学院の論文に関する中間発表会では,論文が制作によるものであれ,理論的論文であれ,教員全員が参加して,それぞれの観点から指導助言を行った。卒業研究については,執筆や制作の進捗状況について学生の情報を全教員が共有した。大学院生と学部学生のうち,進捗状況に不安を抱える学生の指導方法について,担当指導教員以外の教員も考えを述べ,指導教員をサポートした。
  3. 進路相談や個人の悩みの相談については,指導教員や担任以外でも,相談に乗るように努め,学生の気持ちを大切にするように努めた。時間を要する問題については,解決に至るまで,長時間を充てて,相談に乗った。注意を要する問題の場合には,個人のプライバシーを遵守すると共に,よりよい解決方法について,学生の身になって教員が知恵を出し合って解決に努めた。
  4. 前述(1-1.)のとおり,修了展・卒業展や修了生のグループ展開催を支援するため,学長裁量経費のプロジェクトとして申請し予算面からバックアップした。また,学生の主体的な計画立案と実施を応援し,展覧会の運営会議を実施するように学生に促すことによって,計12回の会議が開催された。このうち,三回について,講座主任も参加して学生の士気を鼓舞すると共に諸注意を伝達し,側面から修了展・卒業展の開催を支援した。
  5. 学生が意欲的に研究・制作に取り組むことができるよう,研究・制作環境の改善を図った。具体的に言えば,D506とD306のイーゼルや設備の更新,デザイン関係の撮影機器の更新などの学生用設備の更新を研究費(教育用)を用いて行った。美術系院生研究室を整備し,理論系の論文執筆の学生全員に対して,専用の机を用意して研究環境を整えた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 積極的に科学研究費補助金の申請を行う。
  2. 実技系の教員は,積極的に公募展,グループ展,個展で作品を発表する。
  3. 各自が,それぞれの分野の学術団体に所属し,研究を進める。

(2)点検・評価

  1. 理論系の教員はいずれも科学研究費補助金の交付を受けているので,その研究の発展に全力を尽くした。
  2. 実技系の教員は,それぞれ公募展,個展,グループ展での出品を積極的に行った。主な公募展としては,国展(国画会),日展(日展),日彫展(日本彫刻会)などである。
    下記とも関連するが,これらへの出品は兵庫教育大学大学院連合学校教育額研究科のA論文該当の業績として認められており,美術教育講座の教員は3への論文投稿と併せて業績を積み上げ,昨年度に続けて今年度も,博士課程の論文指導のA資格(副査該当)となる教員一名がいた。この結果,美術教育講座では,現員 9名中,7名が博士課程の論文指導資格を得たことになる。
  3. 全教員が学術団体に所属し,積極的に論文投稿と研究発表を行った。主な学術団体としては,大学美術教育学会,美術科教育学会,美術史学会などである。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  1. 全員が,部会議,講座会議で積極的に発言し,大学運営に寄与する。
  2. 各自が,委員として学内の各種会議に出席し,職務を遂行する。

(2)点検・評価

  1. 全員が部会議と講座会議で積極的に発言し,大学運営上の現代的な課題について自説を展開すると共に,現実的な課題を取り上げ,協議を行った。
  2. 全員が何らかの委員会に所属し,それぞれの見識によって意見を述べ,報告書の作成などの職務を遂行した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 附属学校園で行われる授業研究会や実地教育にできるだけ参加して指導助言する。(附属学校)
  2. 初等中等教科教育実践(学部),教育実践研究(大学院)の授業を通して,附属学校園との連携を深める。(附属学校)
  3. 公開講座を開講し,地域との連携に貢献する。(社会連携)
  4. 大塚国際美術館など地域の美術館との連携を図る。(社会連携)
  5. 外国人留学生を積極的に受け入れ,全員の協力で指導にあたる。また,留学生を派遣する場合も快く支援する。(国際交流)

(2)点検・評価

  1. 附属学校園で行われる授業研究会や実地教育の指導について,年間を通じてみた場合,全教員が参加して指導助言を行った。(附属学校とのかかわり)
  2. 教育実践研究(大学院)の授業では,受講生を附属学校にて附属校教員とともに指導をすることによって,附属校との連携を深めた。また,授業の実施に当たって,授業者の教員が附属校を訪れ,打ち合わせを行い,連携を深めた。初等中等教科教育実践(学部)において,附属教員と打ち合わせを行い,連携を深めた。
  3. 9月に三名の教員が協力して「デッサン教室」を開催し,11名の市民の参加があった。受講後のアンケートでは,5段階評価のうち,「とても満足した」が 10名であり,「やや満足した」が1名であった。(「どちらでもない/やや不満/とても不満の項目の選択者はゼロ。)このことからも,充実した内容であったといえるだろう。
  4. 鳴門教育大学と大塚国際美術館と鳴門市が共同で展開している「地域文化財教育活用プロジェクト」の枠組みを生かして,大塚国際美術館において大学院や学部の授業を実施した。また教科教育に関する授業などで,大塚国際美術館を利用し,鑑賞教育の方法について指導した。学生の主体的な教育実践を促すN*Cap というプロジェクトにも美術教育講座の教員が力を尽くした。
  5. 韓国からの学部の国費と私費留学生各1名(計2名)を受け入れ,希望する授業の受講を認めるとともに,生活面を含め多角的に指導した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  総合的にみて,美術教育講座がもたらした本学の研究・教育面に対する寄与は大きい。とりわけ,大学院の定員充足に寄与するため,数多くの大学院生を受け入れ,41名の大学院在籍者を誇るまでに成長した。学生が多くなると,さまざまな研究・教育上の支障が生じやすいが,講座会議などで一人一人の学習状況・生活状況を話し合い,肌理の細かい指導を心がけ,教育の質的向上に努めた点は特筆に価する。その結果が,I-2の4のような学生による受賞につながった。また,学部教育についても,全体的に見て,成績の優良者が多く,とくに優れた学生が今年度の「前田賞」を受賞している。(学力不振による卒延者は長らく出していない。)
  公的な性格の資格認定にかかわる業務を積極的に引き受け,これに臨むために,短期間で成果をあげるための効率的な態勢を整えた。
最終更新日:2010年02月17日

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