令和7年度優秀教員表彰(ベストティーチャー賞)及び特別表彰
概要
鳴門教育大学は10月1日、令和7年度の優秀教員として胸組虎胤特命教授を、特別表彰者として藤井伊佐子特命
教授の2名を表彰した。
優秀教員表彰は、教育・学生生活支援、研究等において優秀な成果を挙げた教員に対し毎年度実施している制度。
胸組特命教授は、教育探究総合コース(理科教育コース兼任担当)に所属し、化学の視点で「化学進化と生命の起源」
を捉えた研究を、物理学、生物学、地学との関連で行ってきた。化学教育でも数多くの教材開発を進め、理科も含めた
全教科の内容と教育の関係に着目し、STEAM教育の研究と実践に取り組んだほか、教職大学院において、大学院生
のSTEAM教育への理解の醸成に貢献した。附属学校園では、「STEAMIC教育」の普及・浸透という目標のため現職
教員との合意形成を図り、本学研究紀要第40巻に論文を発表するなど、STEAMIC教育の統一性に寄与した。これら
の実績が評価された。
特別表彰は、職員の功労等に対して実施している制度。藤井特命教授は、平成27年4月に本学教授に着任後10年
以上にわたり学生指導に尽力し、令和5年度からは学生なんでも相談室室長として、教職員や関係部署と適切に
連携を図りながら学生支援に努めているほか、徳島県教育委員会教育次長を務めた経験を生かし、徳島県教育委員会
並びに県内市町村 教育委員会と本学との連携推進に寄与すると同時に、教育行政及び学校経営学の教育・研究に
研鑽を重ねて地域社会や学校現場へその成果を還元するなど、徳島県教育委員会、県下公立学校との地域連携活動
への多大な貢献を果たした。これらの実績が評価された。
表彰式では、受賞者から、これまでの謝辞や教育研究への思い、今後の抱負等が述べられた。
受賞者の業績や教育・研究手法は広く公開し、学内教員の資質向上に繋げていくこととしている。

(左から田中理事、梅津理事、胸組特命教授、佐古学長、藤井特命教授、美馬理事、菊池事務局長)
受賞者の紹介
優秀教員表彰(ベストティーチャー賞)
| 氏名 | 胸組 虎胤 特命教授 |
| 所属専攻 |
高度学校教育実践専攻(教科・総合系) |
| 所属コース |
教育探究総合コース・理科教育コース |
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受賞理由 及び 優れた教育手法 |
胸組虎胤氏は教育探究総合コース(理科教育コース兼担)に所属し、化学の視点で「化学進化と生命の起源」を捉えた研究を、物理学、生物学、地学との関連で行ってきた。 主に、アミノ酸の立体構造の左右性に着目した研究を行い、化学教育でも数多くの教材開発を進めてきた。そこから理科も含めた全教科の内容と教育の関係に着目し、STEAM教育の研究と実践に取り組み、STEAM教育関係の書籍4冊に執筆している。 教職大学院では、STEAM教育関係の2科目すべてを担当し、大学院生のSTEAM教育への理解の醸成に貢献している。附属学校園では、「STEAMIC教育」(独自のSTEAM教育)の普及・浸透という目標のため、現職教員と数多くの議論を重ね、合意形成を図り、この目標推進に貢献した。特に、附属学校の研究会は成果の集約点となった。また、鳴門教育大学研究紀要第40巻に論文を発表し、附属学校園のSTEAMIC教育の統一性に寄与した。 以上のことから、胸組氏をベストティーチャーとして選定した。 |
| 受賞者のコメント |
名誉あるベストティーチャー賞に選定いただき、たいへんありがとうございます。 附属学校園のSTEAMIC教育推進への支援を、高く評価していただいたと推察しております。ここ数年間、STEAMIC教育の意味付けを提案し、附属学校の教員の方々との打ち合わせと、研究会に数多く出席させていただきました。教員の方々は真剣に取り組まれ、視聴させていただいた授業はどれもすばらしい内容でした。 その中で私は、どの児童生徒も創造性をもち、発揮できると実感しました。全員はオンリーワンであり、各々の価値軸でナンバーワンでした。これは、教員の方々のファシリテーター(援助者)としての行いにも現れていました。教員の方々は、知識とデータを裏付けとし、個性を発揮し、児童生徒の創造性を発揮できる授業を創造していました。「教師は科学者であり、自分を生かして授業を創造するクリエーターであり、芸術家である」と、確信できました。 また、私は、校長先生、園長先生、教員の方々に接する中で、皆様の苦労を感じ取り、STEAMIC教育のICである包括的市民性に通じる共感力を高めることができました。今後も、自分の学びと経験を深めて成長し続け、附属学校園の先生方への支援の質を高めていきたいと思います。 以上、様々な経験をさせていただいた上で、このように素晴らしい賞をいただきましたことに、学長先生、鳴門教育大学、附属学校園の先生方に深い感謝の意をお伝えしたいと思います。ありがとうございました。 |
| 氏名 | 藤井 伊佐子 特命教授 |
| 所属専攻 | 高度学校教育実践専攻(教職系) |
| 所属コース | 学校づくりマネジメントコース |
| 写真 | |
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受賞理由 及び 優れた教育手法 |
藤井伊佐子氏は、平成27年4月に本学教授に着任し、令和2年4月から特命教授を経て10年6か 月にわたり学生指導に尽力してきた。令和5年度からは学生なんでも相談室室長として、教職員 や関係部署と適切に連携を図りながら学修や生活全般にわたる学生支援に努めている。また、 前任の徳島県教育委員会教育次長を務めた経験を生かし、徳島県教育委員会並びに県内市町村 教育委員会と本学との連携推進に寄与してきた。 とりわけ、同氏は教育行政及び学校経営学の教育・研究に研鑽を重ねて地域社会や学校現場 へその成果を還元してきた。徳島県教育委員会、県下公立学校の教育振興に尽力し、本学との 連携についても多大な貢献をしてきた。さらに、令和7年度から始動した、鳴門高校との Educationプログラムの企画・立案に携わり、本学の地域貢献に尽力した。 また、学生なんでも相談室室長として、合理的配慮への理解を促進するために研修会の企 画・運営に努めており、合理的配慮を提供されている学生には実習校と緊密な連携を図ること で学生自身の意欲や自信を創出する教育実習が実現している。 以上、藤井伊佐子氏は本学学生への教育、および徳島県教育委員会、県下公立学校との地域 連携活動に多大な貢献を行ってきた。これらのことは本学の発展並びに学生の学修に大いに寄 与していると評価し、特別表彰に値するものである。 |
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受賞者のコメント |
この度は、身に余る特別表彰を受けることになり、誠に光栄に存じます。本学に勤めるご縁をいただき10年半が経ちました。勤務してまだ2年目から務めさせていただいた教職キャリアセンター長では、先生方や職員の皆様方との面識もあまりない中でしたが、皆様のお力をいただきながら、教育委員会等関係機関や実習校との連携の推進に努めたことが鮮明に思い出されます。本当にお世話になりました。 また、徳島県教育委員会事務局で勤務した経験を踏まえ教育行政と学校経営についてデザインした授業では、教育委員会定例会の傍聴などのフィールドワークも取り入れ、教育行政について学び、その一端を体験したり課題解決のための施策を立案したりすることを通して、リーダーとして不可欠なマネジメント力の向上を目指しました。私自身も、この分野の研究の成果を教育委員会や学校現場と共有しながら学びを深めてまいりました。そのことが地域の教育振興の一助となっているのであれば幸いに存じます。 なお、この受賞に関しては、大学の改組により実習の組織が拡大してできた教育実習総合支援センターの所長、特命教授となった後に機会をいただいた学生なんでも相談室長などお与えいただいた職務において、信条としております「置かれたところで咲きなさい」の言葉の力に背中を押されながら、多くの教職員の皆様方とともに本学の発展や学生さんたちのより良き未来に向けて取り組んできた協働に対して評価していただいたものと思っております。 今後も、微力ではございますが、お導きをいただきながら職務を全うしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。 |
最終更新日:令和7年10月17日





