令和2年度優秀教員表彰(ベストティーチャー賞)及び特別表彰

 

 概要

 

鳴門教育大学は10月1日,令和2年度の優秀教員として山森直人教授及び田中大輝准教授を,特別表彰者として伊藤弘道教授を表彰した。

 

優秀教員表彰は,教育・学生生活支援,研究等において優秀な教員に対し毎年度実施している制度。山森教授は,教職大学院の設置以前から教職実践力向上を目的とした教育実習の設計に携わり,継続して同大大学院の教育実習の運営を担ってきた。さらに,小学校外国語教育を含む地域の初等中等教育における英語教育の推進にも取り組んできた。田中准教授は,グローバル教員養成プログラムを日本語教育実習と連動させ,学生が海外の教育機関において日本語教育を実践する機会を制度化した。さらに,この活動に帯同し,フォローアップに取り組み,実習先からも好評を博した。これらの実績がそれぞれ評価された。

 

特別表彰は,職員の功労等に対して実施している制度。伊藤教授は,新型コロナウイルス感染症が流行する中,同大の感染対策の策定並びに実施について,産業医としての知見に基づく的確な助言と丁寧な指導を行い,コロナ禍における大学運営に貢献した。これらの実績が評価された。

 

表彰式では,受賞者から,これまでの謝辞や教育研究への思い,今後の抱負等が述べられた。

受賞者の業績や教育・研究手法は広く公開し,学内教員の資質向上に繋げていくこととしている。

 

  

 

 

(左から尾前事務局長,佐古理事,田中准教授,山森教授,山下学長,伊藤教授,大石理事,美馬理事)

 

受賞者の紹介

 

優秀教員表彰(ベストティーチャー賞)

 

氏名 山森 直人 教授
所属教育部

高度学校教育実践専攻  教科実践高度化系

所属コース

言語・社会系教科実践高度化コース 英語科教育実践分野

写真

受賞理由

及び

優れた教育手法

 山森直人氏は,英語科教育実践分野に所属し,専門は英語教育学である。

 氏は,学内の教員養成としては,英語教育に関わる研究を基盤に,学部授業「英語科教育論」を中心に中学校・高等学校の英語科教員の育成に尽力してきた。また,全学的には旧修士課程の「教育実践フィールド研究」の設計・運営に始まり,大学院改組後は教育実習総合支援センターの教職大学院(教科系)部門主任として,大学院改組後の教育実習の運営に尽力されている。

 また,地域貢献としては,平成28年度からは,中学校教諭二種免許状(外国語(英語))の取得を促す講習事業を通して、小学校教員の英語指導力の育成を支援してきた。同時に,平成29年度より小学校英語教育センター長として,各種研究会や研修会等の企画・運営を通じて,小学校外国語教育の推進・支援に携わってきた。

 さらに,佐那河内村英語教育運営委員会委員(座長,平成29~令和元年度),鳴門市教育委員会「世界にはばたく鳴門の子ども」育成事業推進プロジェクトチーム委員(座長,平成30年度~現在),徳島県教育委員会「徳島県英語教育推進計画COMPASS」検討委員会委員(座長,令和2年度)を担当し,地域の学校英語教育の発展に寄与している。

 以上のことから,山森直人氏をベストティーチャーとして選定した。

受賞者のコメント

 過分な評価をしていただき,感謝申し上げます。
 2001年10月に鳴門教育大学に着任した私にとって,本年度(2020年度)は勤務20年目の節目の年となります。本学の教員養成や教師教育,地域貢献事業等に携わったこの20年の私自身の教育研究活動に対する自己評価は高くはありません。したがいまして,受賞にあたって少し戸惑いもありますが,一つだけはっきりしていることがございます。それは多くの方々に支えられて今があるということです。本学執行部の皆さまをはじめ,英語科教育実践分野の先生方,旧・言語系(英語)教育講座と旧・言語系コース(英語)の先生方,そして,さまざまな場面で支援してくださる事務職員の皆さまに,この場を借りて心より感謝申し上げます。ありがとうございました。また最後に,これまで支えてくれた家族にも感謝の気持ちを伝えたいと思います。
 私は英語教育学を専門としていますが,着任当初に描いていた自身の未来像からすると,研究者としても教育者としてもまだまだ道半ばです。これからも学内外において専門性を活かした貢献ができるよう精進していきたいと考えております。
 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

氏名 田中 大輝 准教授
所属教育部 人間教育専攻
所属コース グローバル教育コース 日本語教育・日本文化分野
写真 令和2年度ベストティーチャー賞 田中大輝准教授.jpg

受賞理由

及び

優れた教育手法

 田中大輝氏は,グローバル教育コース日本語教育・日本文化分野及び教員教育国際協力センターに所属し,専門は日本語学・日本語教育学である。

 氏は,平成24年10月の着任以来,外国人留学生プログラムコーディネーターとして,外国人留学生の修学面のサポートを行ってきた。また,日本語教育・日本文化分野の新設に伴って分野長に就任し,分野の運営に尽力する傍ら,学生一人一人に対してきめ細かな指導を行ってきた。さらに,グローバル教員養成プログラムと日本語教育実習を連動させ,学生が海外で日本語を教えることのできる機会を整備した。氏は本プログラムでの派遣のすべてに同行し,大学・教員・学生間の交流促進に貢献している。その他,徳島県教育委員会や徳島県国際交流協会との連携,公開講座や教育支援講師・アドバイザー等派遣事業への参加など,地域社会の要請にも応えている。

 以上のことから,田中大輝氏をベストティーチャーとして選定した。

受賞者のコメント

 本学着任以来,主に,外国人留学生に対する日本語教育,および,日本語指導者の育成に携わってきました。日本語について理解を深めるためには,日本語そのものをじっくり観察し,考えをめぐらすことはもちろん重要ですが,他の言語と比較することによってはじめて,日本語の性質や日本語らしさに気づくこともあります。同じように,日本文化について理解を深めるためには,日本文化そのものに精通することを目指すだけでなく,他国の文化を知ることや,他国の文化を尊重しようとする姿勢も不可欠です。本学で学ぶ外国人留学生には,自国のことばや文化もぜひ大切にしてもらいたいというメッセージを,日本語指導者を目指す学生には,日本語や日本文化の「外」を探索する楽しみもぜひ知ってほしいというメッセージを,それぞれ発信し続けてきたつもりです。現在,新型コロナウイルス感染症拡大により,留学や国際交流のあり方が大きく変化し,これまでの「あたりまえ」が「あたりまえ」でなくなってきました。今後は,従来の枠に囚われることなく,柔軟な発想で,より一層,本学のグローバル教育の推進に貢献してゆきたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。この度は本当にありがとうございました。

 

 

 

特別表彰 

 

氏名 伊藤 弘道 教授
所属教育部 高度学校教育実践専攻  教職実践高度化系
所属コース 子ども発達支援コース 特別支援教育分野
写真

受賞理由

及び

優れた教育手法

 伊藤弘道教授は、心身健康センター長・産業医・学校医として教職員・学生の検診業務をはじめ、個々の健康に関する相談にも積極的に対応するなど、本学の保健管理に鋭意努力し、本学の教育研究活動維持に大いに寄与している。

 とりわけ、新型コロナウイルス感染症の全国的流行に際して、本学においても迅速かつ臨機応変な対応が求められたが、心身健康センター長として危機管理対策本部会議に参加し、産業医の専門的な立場から本学の感染予防対策に助言をおこない、またその実施にあたって丁寧に的確に指導している。感染症流行の危機管理においても大学運営への貢献は大きい。

 また、特別支援教育分野教員として同分野の教育研究活動にも真摯に携わり、大学教育研究を担っている。さらに附属特別支援学校の校医として業務を果たし、同校の保健管理活動に関する相談・助言も適宜行っている。

 以上、伊藤弘道教授の保健管理活動は、大学構成員の健康安全、並びに学生の学修や教職員の業務遂行に大いに寄与していると評価し、特別表彰に値するものである。

受賞者のコメント

 私は2017年4月に本学に着任して以来、心身健康センター所長・産業医・学校医として、本学の日々の教育研究活動が滞りなく行われるように努めて参りました。特に本年度は新型コロナウイルスの蔓延に伴い、大学全体として日々刻々と変化する状況や新たにでてくる課題に対して総合的な観点から臨機応変に対応する必要があり、保健管理担当の立場として危機管理対策本部会議に参加し、いろいろと意見を述べる機会をいただきました。講義・教育実習、入試業務、学生生活関連 (寮生活など)、大学内入構の可否、県外移動の自粛要請を行う際の基準など、基本的に大学での活動全てに新型コロナウイルス感染予防の観点を含めて考えなければならず、保健管理担当としての私の専門性を発揮する機会が多く、受賞しやすい環境にあったものと思います。私自身忙しいながらもやりがいを感じるとともに、新型コロナウイルス関連で各部署と連携して仕事を進める中で、いかに本学の教職員の方々がいろいろなことに対して深く考えて対応を練り、真摯かつ熱心に日々の業務に取り組まれているのか肌身をもって感じることができました。各部署との連携を通して大変勉強させていただきましたし、教職員の方々への尊敬の念もますます深くなり、本学への愛着もより一層深く感じるようになりました。

 今後も保健管理担当として教職員や学生さんの心身の健康を守り、安全・安心の確保に努めて参りますので、変わらぬ御協力・御指導・御鞭撻をいただきますようどうぞよろしくお願い致します。

 

 

最終更新日:令和3年3月4日