平成30年度優秀教員表彰(ベストティーチャー賞)及び特別表彰

 

 概要

 

 

 鳴門教育大学は10月1日,平成30年度の優秀教員として眞野美穂准教授及び湯口雅史准教授を,特別表彰者として曽根直人准教授を表彰した。

 

 優秀教員表彰は,教育・学生生活支援,研究等において優秀な教員に対し毎年度実施している制度である。眞野准教授は,国際交流委員会兼外国人留学生プログラムコーディネーター及び学部共通科目(英語系科目)のコーディネーターとして,本学の国際交流活動及び学生の英語によるコミュニケーション能力の向上を推進した実績,湯口准教授は,専門の体育教育学を通じ,精力的に教育実習の環境整備及び教育実習研究に取り組み,本学の教育実習全般の推進に貢献した実績がそれぞれ評価された。

 

 特別表彰は,職員の功労等に対し実施している制度である。曽根准教授は、専門的で豊富な知識を生かし,本学の情報セキュリティの向上を推進すると共に、本学及び地域のICT環境の整備に貢献した実績が評価された。

 

 表彰式では,受賞者から,これまでの謝辞や教育研究への思い,今後の抱負等が述べられた。

 受賞者の業績や教育・研究手法は広く公開し,学内教員の資質向上に繋げていくこととしている。

 

  

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(前列左から安部理事、湯口准教授,眞野准教授,山下学長,曽根准教授,佐古理事,梅津副理事、

 後列左から渡辺経営企画部長、松岡副学長,田中副学長,西村副学長,秋田副学長)

 

 

 

 

 

 

受賞者の紹介

 

優秀教員表彰(ベストティーチャー賞)

 

氏名 眞野 美穂 准教授
所属教育部 人文・社会系教育部
所属コース 言語系コース(英語)
受賞写真 30ベストティーチャー眞野.JPG

受賞理由

及び

優れた教育手法

 眞野美穂氏は,言語系コース(英語)に所属し,専門は言語学・英語学である。

 氏は,平成24年度以降,国際交流委員兼外国人留学生プログラムコーディネーターとして,継続的に協定校との交流活動などを行い,留学希望者のサポートを行うことで,本学の国際交流事業を推進している。また,学部共通科目(英語系科目)のコーディネーターとして,本学学生の英語力の現状や課題とニーズを把握する取組を行い,平成29年度には音声認識機能を備え,携帯型端末で使用できる新しいオンライン英語学習教材を導入し,学生の英語によるコミュニケーション能力の向上に力を注いでいる。

 氏は,本学赴任後,英語学の観点から英語教育への貢献を行うために,第二言語習得研究に取組始め,平成27~29年度採択された科研費基盤研究(C)「移動表現に関わる中間言語教育と言語教育への応用:英語・日本語を対象に」では,日本語を母語とする英語学習者の言語表現の特徴を,実験を通して明らかにする研究を行っている。その共同研究の成果を国内外で発表し,その一部は平成29年英国応用言語学会(BAAL)で最優秀ポスター賞を受賞した。

 また,具体的な言語教育への貢献として,平成28年度から基盤研究(C)「英語教育・日本語教育・国語教育における学年別・レベル別教材の横断的調査」という教科横断的な共同研究を進めると共に,現職中学校英語教員と中学校英語教科書の語彙分析を行い,その問題点と指導上の改善点を明らかにする研究(眞野・鈴江 2018)や,英文法書の翻訳にも取り組んでいる。

 以上のように,氏は言語学・英語学の専門性を生かし,それを言語教育に生かす取組を行うことで英語教育に貢献し,そして本学学生の英語によるコミュニケーション能力の向上と国際交流活動の推進に取り組んでいる。

 これらのことから,眞野美穂氏をベストティーチャーとして選定した。

受賞者のコメント

 この度,ベストティーチャー賞という素晴らしい賞をいただき,光栄に感じると同時に,とても恐縮しております。それは,今回評価していただいた点はすべて,私一人で行ってきた取り組みではなく,様々な方々と共に行ってきたことであるためです。
 国際交流事業への取り組みは,前任の先生方が下地を作ってくださると共に,国際交流係や国際交流委員の先生方が育ててこられたものであり,英語力向上への取り組みはコース全体で行ってきたものです。また研究も,共同研究者との協力関係なしには進められませんでした。そのため,今回の賞はその全員へのものと思い,感謝したいと思います。
 また,上記の取り組みはまだすべて発展途上のものでもあります。グローバル化が叫ばれる中,この賞を励みとして,本学学生のために必要な取り組みを考え,そして言語教育に貢献できるような研究を行ってまいりたいと思います。

 

 

氏名 湯口 雅史 准教授
所属教育部 芸術・健康系教育部
所属コース 生活・健康系コース(保健体育)
受賞写真 30ベストティーチャー湯口.JPG

受賞理由

及び

優れた教育手法

 湯口雅史氏は,生活・健康系コース(保健体育)に所属し,専門は体育科教育学,主に小学校体育教育を研究分野としている。また,教職キャリア支援センター実地教育分野も担当しており,本学の教育実習を全般にわたって推進している。

 氏は,実地教育分野では,これまで学部2年次に設定されていなかった教育現場での実習が行えるよう,コンケン大学や上勝町との連携を図り,ボランティア実習の実現に貢献した。このことにより,1年次から4年次までの実習の体系化が実現され,見通しをもった実習プログラムを構築した。さらに,3年次に実施される主免教育実習参加前に学生自身の培っている力を客観的に把握するための「教育実習参加自己診査」や,実習期間中に学生自身が自己の成長を知るための「教育実習評価ルーブリック」を整備し,主免教育実習の質的充実を図るための環境を整えている。このような精力的な教育実習実践環境整備への取組は,「日本教育大学協会全国教育実習研究部門」及び「日本教育大学協会四国地区研究集会」において発表し,各大学からもモデルとする取組として評価されている。

 また,実践的な研究を生かし,徳島県教育委員会体育学校安全課と共に,長年徳島県下の小学校(平成29年度:29校60時間)に出張授業に出かけ授業を公開している。また,平成29年度後半からは,徳島県小学校体育連盟と連携して「新しい徳島の体育の創造」と称し,新学習指導要領の理念を具現化する授業のあり方について,各郡市小体連の先生方と一緒に考える場を提供している。このような現場への寄与活動の効用として,「教育支援講師・アドバイザー等派遣事業」における派遣回数が毎年10回限度まで達している。附属小学校の共同研究者としても長年研究に携わっており,研究主題解明に向けて授業を構想・実践し,常に現場目線で研究を推進している。

 以上のように,氏は,専門性を生かして社会に貢献するとともに,体育科教育や教育実習研究分野においても成果を上げており,今後さらに,教育現場及び教育実習への研究成果等の還元が期待される。

 これらのことから,湯口雅史氏をベストティーチャーとして選定した。

受賞者のコメント

 小学校現場から本学に赴任し,一段レベルの高いところで研究に日々邁進できることに喜びを感じております。学習指導要領が改訂され,これまでの学力観からの拡張が叫ばれ,新しい教育観,授業観が模索される中,現場の混乱も予想され,気がつけば何も変わっていないという実状も見え隠れしています。このような状況に我々も遅れることなく対応できるように,現場の先生方と一緒に研究を進め,先生方にとって有益な情報を発信していこうと考えております。また,これから教育現場に参画していこうとする学生達も幅広くアンテナを張ってもらい,入ってくる情報を取捨選択しながら最適な方策を仲間と進めていく,いわゆる「キーコンピテンシー」が育っているかどうかが,現場で活躍できる人材として評価されると考えています。教育実習を終えて大学に帰ってきた学生が,一回り人間として大きくなったオーラを醸し出しているのを感じたとき,改めて実体験力の強さを感じます。これからも今にもまして,教育実習の質的充実が図られるような方略を練り,本学の教育実習をさらに充実発展させていきたいと考えております。

 このような使命感を抱いているときに,ベストティーチャー賞をいただくことになり,大変光栄に感じております。この賞をよい刺激として,相応しい教育と研究を深められるように,今後も多くの人達と議論を交わし,力をいただきながら私自身も成長していきたいと思っております。

 ありがとうございました。

 

 

 

特別表彰 

 

 

氏名 曽根 直人 准教授
所属教育部 自然・生活系教育部
所属コース 生活・健康系コース(技術・工業・情報)
受賞写真 30ベストティーチャー曽根.JPG

受賞理由

及び

優れた教育手法

  曽根直人氏は,情報セキュリティを専門としており,その知識を活かして情報基盤センターの情報システム分野を担当,本学のIT関係の環境整備に尽力してきた。

 特に,定期的な情報基盤システムのリプレースやネットワークの更新においては,仕様策定委員長等として機器の仕様を策定してきた。平成30年2月に稼働した第7期の情報基盤システムでは,従来の教育研究用のシステムに加え,事務職員用のシステム及び附属学校園のシステムも基盤システムに組み入れること,さらにクラウドサービスも活用する内容になっており,利便性,セキュリティの強化及び保守の効率化を図った。さらに,本学の情報セキュリティ関連のセミナーでは講師を担当するなど,教職員に対して情報セキュリティの意識向上に貢献した。

 また,学外においても,その専門性を活かし,徳島県ホームページ運用アドバイザー,とくしまOSS普及協議会幹事,地方自治体のICT関連委員,徳島県警のサイバーボランティアなど,地域に対する社会貢献活動も行っている。

 以上,氏の情報セキュリティに関する専門的で豊富な知識は本学の教育研究及び運営上欠かすことのできない存在であり,又,徳島県等におけるICT環境の整備等本学及び社会への貢献は高く,特別表彰に値するものである。

受賞者のコメント

 学内の情報基盤整備,運用に携わってきたことを評価いただき,特別表彰されたことは大変名誉に感じております。今回の受賞は私だけではなく日頃より情報基盤の運営に係わっている利用支援室や情報システム係のスタッフも含めての業務が評価されて頂いたものだと捉えております。
 情報基盤の重要性は今後もよりいっそう増していくことは自明であり,本学でも平成30年2月より稼働した第7期情報基盤システムでは,従来の高島キャンパスの教育・研究用途に加えて附属学校・園及び事務も含めた全学的な情報基盤へと一新しました。クラウドサービスの利用など新しい試みも取り入れており,これらを活用することでさらに大学の魅力を向上させていけるのではないかという期待を込めたシステムを導入しております。情報基盤の上にどれだけ魅力的なサービスを構築できるかが重要な課題だと考えておりますので,ぜひ皆様と協力しながら課題を解決し,役立つシステムへと成長させるよう努力を続ける所存です。

 

 

 

最終更新日:平成30年11月2日