4-4-1.教職キャリア支援センター

記載責任者  教職キャリア支援センター所長  西村公孝
〈人文・社会系教育部 教授〉

1.教員名簿

氏名職名氏名職名

<センター所長>
西村公孝.pdf(121KB)

教授    

<実地教育分野>
佐藤公子.pdf(97KB)

准教授

<実地教育分野>
湯口雅史.pdf(99KB)

准教授

<実地教育チーフアドバイザー>

安藤 幸

 

<実地教育チーフアドバイザー>
服部 勝憲

 

<実技教育分野>
梅野圭史.pdf(118KB)

教授

<実技教育分野>
藤田雅文.pdf(117KB)

准教授

<実技教育分野>
武市勝.pdf(137KB)

教授

<実技教育分野>
山田芳明.pdf(107KB)

准教授

<実技教育分野>
山田啓明.pdf(90KB)

准教授

<実技能力支援アドバイザー>
中川 初美

 

※教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンク

 

2.センターの活動状況,今後の課題等

 平成24年4月より長期履修学生の支援充実のため「長期履修学生支援センター」が創設された。そのために,従来の教職キャリ支援センターは,「実地教育分野」と「実技能力支援分野」の2分野で組織されることになった。教職キャリア支援センターでは,「附属学校における地域のセンター的機能の強化及び教育実習の充実」(平成24年度特別経費(プロジェクト)「高度な職業人の養成や専門教育機能の充実」)について,平成24年度から取り組んでいる。主な研究課題は,1.教育実習参加要件に関する評価基準の作成,2.附属学校園における教育実習評価の研究,3.教育実習プログラムの作成による公立学校への研究成果の還元である。
 平成24年度は,学び続ける意欲と責任を持ち備えた教員を育てるべく,実地教育分野においては「教育実習の質的充実」を図ることができるよう,附属校園や協力校との連携強化,介護等体験実施施設への協力要請を行い,実習生が集中して実習に取り組みやすい環境の構築に取り組んだ。さらに,長期履修学生支援センターの設置に伴い,協力校実習へ赴く長期履修学生への実際の指導は学生支援アドバイザーの方で行っているが,附属校実習に関係する長期履修学生については,学生支援アドバイザーと連携を密にして指導の充実を図っている。また,協力校実習(教員インターンシップ,長期履修学生の主免教育実習)について,長期履修学生支援センターとの連絡を整備,強化し,協力校側に混乱させないよう努力した。実技能力支援分野では実技(音楽教育,美術教育,保健体育教育)に関する実際的・技術的能力や実技指導能力等の教育支援を行い,教職における基礎的な技術技能の育成に取り組んだ。以下に2分野での活動状況,今後の課題等について報告する。

(1)実地教育分野

1.実地教育に関する企画・推進

ア.実地教育に関するカリキュラムの立案
 「ふれあい実習」,「附属校園観察実習」,「主免教育実習」,「副免教育実習」及び「教員インターンシップ」におけるそれぞれの重点目標の達成を目指し,実施時期,実施場所,実施内容,実施方法,担当責任者等に検討を加えて年間全体計画を立案し,実地教育専門部会に提案した。その際,上記各科目の目標の明確化と体系化を図るとともに,前年度の実地教育に関する学生・教員アンケートの結果及び各実習の実施状況や課題等を踏まえ,改善に努めた。
イ.実地教育に関する行事の具体的実施計画の立案
 実地教育に関する行事の具体的実施計画を立案するとともに,学部生及び大学院生(長期履修学生)に対する事前事後指導等の徹底を図ることにより,活動の充実と推進に努めてきた。「ふれあい実習」の「交流実習Ⅰ(鳴門市幼稚園)」については,長期履修生の増加に対応するため,実習日を2日間に延長した。
 

2.実地教育の指導と評価及び授業参画

ア.実地教育の指導(佐藤公子,湯口雅史)
(ア) 実地教育関係授業の担当
 実地教育関係の授業を担当し,本学実地教育の充実に努めてきた。実地教育分野担当教員として直接指導を行った授業科目は,以下のとおりである。

・ふれあい実習

・附属校園観察実習

・主免教育実習

・主免教育実習事前事後指導

・副免教育実習

・教員インターンシップ

(イ)引率・現地指導及び教育実習(附属校園実習・協力校実習)の事前・事中・事後指導の徹底

・課外における事前指導(オリエンテーション)では,それぞれの実習のねらいと学習時の観点,記録の取り方等を指導するとともに,実習生(活動に参加する者)として保持すべき心がまえの徹底を図ることに努めてきた。事前指導欠席者に対しては,別枠補講を実施し,遺漏無きように努めている。

・教育実習の事中指導としては,実習生の諸問題や課題に対し個別指導・支援活動を行い,実習生が本務(実習)に専念しやすい状況や環境づくりに努めている。

・観察実習及びふれあい実習では,終日行動を共にし,その場に即した指導・助言を行うことにより,実習の実が上がるように努めている。

・教育実習において問題が生じた学生に対しては,進路保障の観点に立ち,実習後に個別指導を行い,問題解決に当たるとともに,実習生受け入れ校への訪問を重ね,協力関係を損なうことのないように努めている。

イ.実地教育の評価
 実地教育専門部会の委員とともに,教育実習生の評価を実施している。また,教育実習録やレポートに目を通し,担当者としての気づき・コメントを教員からのメッセージとして返すことにより,学部生との対話に努めてきた。さらに,実地教育関係の授業及び行事の成果と問題点の把握に努め,今後の在り方を考えていくための基礎資料の集積を図っている。あわせて,実習に関する意識調査を実施し,その効果を検証した。
 

3.実地教育関係諸機関との連絡・調整

  実地教育諸機関としては,附属学校園,鳴門市内教育実習協力校園,徳島県教育委員会,鳴門市教育委員会,徳島県社会福祉協議会,介護等体験受け入れ施設等が挙げられる。関係諸機関との交渉を密にし,連携を深め,本学とのパートナーシップを強めるために,以下のような活動を行った。
  • 附属校園とは,連絡を密にし,ふれあい実習,附属校園観察実習,主免教育実習、副免実習等の実施内容や方法,運営の仕方等について協議を深めた。特に,実習中に生じた問題については,密接な連携活動の下に対処した。本年度は,附属校園における各実習の前に,大学と附属の実習担当者等による連絡調整のための協議会を開催し,円滑な実施に努めた。
  • ふれあい実習・協力校実習に関しては,鳴門教育大学・鳴門市教育実習連絡協議会において,実習への理解と協力とが得られるように努めるとともに,実習校を訪問し,実習校との協力関係の強化を図った。さらに,問題が生じた学校には,事後処理のために訪問を重ねてきた。

4.実地教育の教育実践資料の収集と利用

  「実習の手引き」を作成・改訂し,活用した。特に,他大学の研究紀要等を収集し,考察を加えることにより,実地教育カリキュラム作成の参考とした。 

5.教員インターンシップの企画・推進と関係諸機関との連絡・調整

  平成24年度教員採用試験合格者及び徳島県臨時教員候補者登録制度への登録を予定している学生を対象に,鳴門市幼稚園,小・中学校において教員インターンシップの企画を行い,鳴門市教育委員会をはじめとする関係諸機関と連絡・調整を行った。

6.介護等体験実習の実施と推進

 介護等体験実習の事前・事後指導を実施し,実習の成果が実地教育カリキュラムと有機的に結びつくように努めてきた。また,介護等体験実習受入施設との協力関係を強化するために,教務課教育支援チーム,実地教育アドバイザーとの連携協力体制の下すべての施設を訪問した。

 以上,実地教育分野においては,附属校園,鳴門市教育委員会,鳴門市幼稚園,小・中学校,介護等体験実習受入施設等と連携を密にして,教育実習のスムーズな実施を目指し,教育的効果を高めるための指導に努めてきた。今後も,実地教育の更なる充実を目指し,実地教育の現状と課題を分析検討し,事前事後指導の充実や諸機関との一層の連携の強化が期待される。

(2)実技能力支援分野

 教職キャリアセンターにおける実技能力支援分野では,初等・中等教育教員の資格取得を目指すすべての学部生及び大学院生を対象に,実技に係わる教科・領域の再認識,実技能力及び実技指導能力の向上を支援することを主な業務として努力してきた。
 当教育分野は,3教育分野7人の併任教員から構成されている。具体的には,保健体育教育コースから2名,音楽科教育コースから1名,図画工作科教育コースから4名により運営している。ここでの業務は,以下に示すとおりである。すなわち,グレード制(5段階評価)を中心に,実技教科に関する学生の実技能力の向上と実技指導能力の涵養である。
(1)グレード制による実技能力の向上 
(2)教員採用試験支援のための実技指導講習会の実施
(1) 「関連講座開設の授業担当」では,教職キャリアセンターの併任教員が各教育分野ともに実技科目の授業を担当している。ここでは,グレード制による実技能力の評価結果を実技授業へ反映できるように,相互乗り入れ的な授業展開の実施が課題であった。体育教育分野では「健康・スポーツ学Ⅰ」と「初等体育Ⅰ」において,また美術教育分野では「初等図画工作Ⅰ」において,それぞれグレード制による実技能力の育成と判定を行えるようになり,学生の教員採用試験に対する課題意識,教師としての指導能力などに対して相互関連的に指導することが可能となりつつある。また,センター教員が各教育コースの教員であることにより,学生の実技能力の情報を共有化するようになってきた。
 グレード制による実技能力の向上では,グレードテスト3級のレベル(小学校教員の目標)に達していない学生に対して,各教育分野が指定した日程に従って実技指導を行うものである。3級以上の学生比率は,保健体育分野で平均87.6%(水泳:81.5%,器械運動:62.3%,表現・ダンス:100%,ボール運動:100%,陸上運動:91.5%)であり,きわめて高い取得率にある。美術分野では平均で95.4%(素描・着彩92.4%,立体表現98.3%)であり,昨年度同様に高い取得率であった。
 音楽分野においてはグレードの認定を「初等音楽Ⅰ」のような授業ではなく,希望者を対象とした毎週水曜日の実技技能支援アドヴァイザーによるレッスンで行なっている。受講者は小学校の歌唱共通教材の弾き歌いやバイエルなどを教材にレッスンを受講し,その習熟度に応じてグレードの認定を受けている。平成24年度は,前期38名,後期38名の受講者の内,グレードの取得者は5級9名,4級15名,3級0名である。グレードを取得した人数が総数に達していない理由は,1.受講回数が少なすぎてグレード認定を受けていない(1回のみ15名,2回13名等),2.グレード5級のレベルに達していない,3.過去既にグレード3級を取得しているので,今年度は認定を受けていない等の理由が考えられる。なお,他の実技分野と較べてグレード3級の取得者が0名と極端に少ないのは,ピアノや弾き歌いがそもそも義務教育の課程に入ってない,教師としての技能であるという事,さらには出来ない学生を対象としているため,3級以上の実力を持っている学生は最初からレッスンを受けに来ないからと考えられる。近年では,「初等音楽Ⅰ」も受講せず,教職キャリア支援センターのレッスンも受けずに,就職支援室と協力して行なっている教採実技ガイダンスに出て来る学生も多く,ガイダンスの指導教員を愕然とさせている。彼らの多くは中学校教育専修の学生であるので,本来彼らこそがセンターでレッスンを受けるべきなのである。センターの存在を知っているかと尋ねると,知っていると答える彼らであるが,恐らく自信がないので敬遠したあげく,試験直前になってガイダンスに現れるのである。そんな彼らに,もう手遅れだと告げると顔を曇らせるが,「どうせ音楽の配点など低いのだから,他の分野で取り返せばいいよ」と,さしたる根拠もなく元気付けると,一様に明るくなって「頑張ります!」と言って部屋を出て行く。彼らの幸運を祈るばかりである。
(2) 「教員採用試験支援のための実技指導講習会の実施」では,各教育分野間で実施日程の調整を行い,就職支援室と連係しながら実施している。実技指導の内容は,各教育分野ともに学生が受験する都道府県(市を含む)の試験内容(想定)に応じて選択し,集中的に実施している。実施時期は採用試験日が7月に集中していることから,各教育分野ともに6月,7月期に実施している。指導環境について体育教育分野の例を挙げると,実施回数はボール運動2回,器械運動2回,水泳2回であり,1回の指導時間は約90分である。参加延べ人数は2回で48名であり,これまでと異なり参加学生が減少した。ここで参加した学生の運動技能を観察すると,少し努力すれば合格する能力レベルの学生であった。これより,採用試験に向けて自分にとって加点性が高いと判断して実技講習に参加する傾向に変化したように考えられる。この背景には,本学の教員就業率が2年連続全国第1位となったことと関係しているものと考えられ,こうした現象を「良」と見るかどうかの判断は難しい。また,美術教育分野においては,鉛筆素描を約90分で1回指導しているが,参加数は26名であった。内訳は学部生17名,大学院生9名である。体育教育分野と同様の意味と言えるが,学部生と大学院生を比較すると,その表現力はやや学部生が高い。これは少なくとも小学校を志望する学部受験生はほぼ全員がグレード認定を受けていることを示している。本学の大学院生は他大学出身が圧倒的で,グレードを経験していないものもいるためである。
 
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最終更新日:2013年12月24日

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