心身健康研究教育センター 末内佳代
報告者 末内佳代
1.学長の定める重点目標
1-1.教育大学教員としての授業実践
(1)目標・計画
- 臨床心理士を目指す大学院生にとって理論と実践をつなぐ契機となり,人を支援する仕事の本質について考え,進路決定や適性判断に資することを目標とした授業内容とする。
- 授業方法としては,見学,実習および心理職や他職種との双方向の話し合いの時間を設ける。
- 成績評価は提出されたレポートの要約を全員に配布し,シェアリングする形式を採用する。
教員の評価だけでなく,自己評価(自己理解)や相互評価(他者理解)につながると考える。
(2)点検・評価
- 学校という場に即した柔軟なアプローチや心理臨床の中に「具体的現実性と生活を取り入れる(村瀬嘉代子)」を目的として,板野郡,鳴門市,徳島市の公立小・中・高等学校においてM1,M2の大学院生19名と特別な支援を要する児童・生徒に対して心と学習の支援を実施した。大学院生がかかわった児童・生徒は50名を超える。
- 大学院生は週に1時間から3時間支援活動を行い,年5回管理職,特別支援教育コーディネーター,担任との話し合いの時間を設けた。話し合いには大学院生と教員が参加した。
- 大学院生は毎週レポートを提出し,全員で活動を振り返り,子どもへの心のかかわり,指導の工夫,学校との連携について話し合った。教員はレポートを全て事前に目を通し評価の資料とした。
大学院生からも学校現場の教員からも評価を得たこの活動は20年度も教育実践フィールド研究の一つとして実施され,新M2の15名が活動を継続する。
1-2.大学教員としての社会(地域)貢献
(1)目標・計画
- 徳島県立総合教育センター,徳島市教育研究所と連携して「不登校等ライフサポーター派遣事業」および「すだちアシストプラン」の運営に協力する。
- 本学主催の大阪市での公開講座に講師として参加する予定である。
(2)点検・評価
- 徳島市不登校問題対策委員として委員会に参加した。
- 本学主催の大阪市での公開講座「子ども理解と生徒指導」に講師として参加した。
- 徳島市・佐那河内村小中学校生徒指導研修会に講師として参加した。
- 本学での教職10年経験者研修に講師として参加した。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
本学心身健康研究教育センター心理教育相談室での初回面接者および相談員として,相談活動に携わる大学院生のスーパービジョンを行うと共に,将来実務家として必要とされる社会的常識(服装・態度・時間等)に対する指導を行いたい。
(2)点検・評価
本学心身健康研究教育センター心理・教育相談室での初回面接者および相談員として,相談活動に携わる大学院生20名にスーパービジョンを行うと共に,将来実務家として必要とされる社会的常識(服装・態度・時間・連携の在り方)に対する指導を週1回行った。
特に実務家教員の経験を生かし,保護者,学校(管理職・担任・特別支援教育コーディネーター),スクールカウンセラー等との連携の実際を指導した。
特に実務家教員の経験を生かし,保護者,学校(管理職・担任・特別支援教育コーディネーター),スクールカウンセラー等との連携の実際を指導した。
2-2.研究
(1)目標・計画
発達障害についての理解を深め,臨床心理士としてできる心理的支援の実際について,子どもとその家族にとって「受け入れることができ,実際に役立つもの」という視点から研究していきたい。
(2)点検・評価
- 発達障害についての理解を深め,臨床心理士を目指す大学院生が,心と学習の支援をすることによる意義を研究し,その結果を『鳴門教育大学授業実践研究』に投稿した。
- 実務家教員として「臨床心理士の資格を有する教師の現状と課題」を日本心理臨床学会自主シンポジウムで発表した。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
大学からの要請があれば,主体的に取り組み,職務を遂行したい。
(2)点検・評価
大学機関別認証評価訪問調査の際には本大学の教員として,評価委員会からの質疑に対して教育研究活動等の状況について意見を述べた。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
本学附属学校のスクールカウンセラーとして,生徒,保護者へのカウンセリング,教職員に対するコンサルテーションを行う。
(2)点検・評価
本学附属学校のスクールカウンセラーとして,生徒,保護者へのカウンセリング,教職員に対するコンサルテーションを週1回程度行った。
1-1,1-2に述べたように,学校現場や保護者のニーズに応じた社会との連携は当初の目標を上回って達成できたと考える。
1-1,1-2に述べたように,学校現場や保護者のニーズに応じた社会との連携は当初の目標を上回って達成できたと考える。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
- 平成,19年度本学の心理教育相談室の相談員として約50%のクライエントの初回面接を行った。また午後5:30以降の初回面接はほとんど受け持った。
- 臨床心理士を目指す大学院生の学内実習機関である当相談室において,大学院生の継続面接に繋ぐためにも,クライエントが来談意欲をもち得ることができる初回面接を行うことは,臨床心理実習を担当する教員の重要な役割であり,その役目を果たせたと考える。
最終更新日:2010年02月17日