地域連携センター 藤原伸彦

報告者 藤原伸彦

1.学長の定める重点目標

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  • 授業内容・方法などの改善について:
    1. 実地教育における授業実践や子どもを観察し分析する力の育成に,特に焦点をあてた授業を展開する.
    2. インターネットを用い,自学自習・授業の復習に用いることができるような資料(特に映像資料)や情報を提供する.
  • 成績評価について:
    1. レポートなどを評価するだけでなく,レポート等で記述された結論に到る思考プロセスにも焦点を当てて成績評価する(ただし,可能な授業形態に限る).

(2)点検・評価

  • 授業内容・方法などの改善について:
    1. 「教育実習事前指導」において授業観察の方法・実習録の記録方法なとについて解説する中で,観察力・分析力の育成を図る授業を展開した。また,これからの教員に必要な実践力の育成を目指し,担当している授業のいずれにおいても認知心理学の観点から「思考力」「コミュニケーション」をキーワードとした話題を提供し,それらについて学生に考えさせる授業を実施した。
    2. 自身の作成するホームページで,毎回の授業の概要や資料を公開し,学生が自学自習用に活用できるようにした。
  • 成績評価について:
    1. 特色GPで開発している「知の総合化ノート」を活用し,課題に対する思考プロセスをインターネット上で共有させ,評価対象とした。

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

  1. 鳴門市教育委員会と連携し,本学の実地教育の充実を図る.
  2. 鳴門市教育委員会や徳島県教育委員会,徳島県総合教育センターと連携し,特にITの教育活用に関する領域で,鳴門市内の学校と徳島県内の学校を支援する.
  3. 全国の文化施設(美術館等)と連携し,小学校・中学校を対象とした教育活動を実践する.

(2)点検・評価

  1. 鳴門市教育委員会と連携し,本学の実地教育の充実を図った。特に,平成20年度より開始する新カリキュラム「教員インターンシップ」の実施に向けて,教育委員会や鳴門市小中学の校長会において調整・相談の作業を行った。
  2. 徳島県総合教育センターと連携し,インターネットを利用した授業配信システムを活用したプロジェクトを企画推進した。また,徳島県内の小学校からの依頼を受け,学校ホームページの活用に関する支援を行った。
  3. 全国の美術館と連携し,小・中学校で実施される美術鑑賞教育の実践を支援した。例えば,大塚国際美術館が鳴門市の小学4年生を招待して実施した美術鑑賞教育「小4プログラム」の企画・運営・実施に対する支援を行うなど。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 実地教育において,学生が実践的な力量を獲得できるよう,オリエンテーション等で指導する。
  2. 実地教育オリエンテーションでは,学生に,社会の一員として必要な礼儀等について指導する。特に介護等体験にむけてのオリエンテーションでは厳しく指導したい。
  3. 学生が,実習と大学における講義との関係性が意識化できるように支援する。
  4. 「マルチメディアと教育技術」や実地教育関連の講義では,特に,学びに関する認知教育工学的な視点を学生が獲得できるようにする。

(2)点検・評価

  1. 実地教育において,学生が実践的な力量を獲得できるよう,オリエンテーションを実施した。
  2. 介護等体験に向けてのオリエンテーションで,社会の一員として振舞うことの重要さについて強調した。
  3. 実習関連のオリエンテーション(特に,学生にとって一番最初の実習である「ふれあい実習」や,最後の実習である「副免実習」のオリエンテーション)において,他の実習との関連性や大学での学習内容との関連性を示し,学生が理論と実践の往還できるよう支援した。
  4. 「マルチメディアと教育技術」では,「学ぶ」「考える」「コミュニケーション」といったキーワードに基づく話題を提供し,学ぶとはどういうことかについての認識を深めるような課題を与えることで,教師に必要な力量の形成に努めた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 従来からの研究テーマ=ICT(Information and Communication Technology)の教育利用に関する研究をまとめ,教育工学系あるいは情報工学系の学会誌に投稿する。
  2. 科学研究費補助金「知の統合力を育成する鑑賞学習支援システムの開発」の研究分担者として,鑑賞教育を支援するデジタルコンテンツの開発に取り組む。
  3. 特色GPの一部門として取り組んでいる教育実習を支援する映像アーカイブシステムや知の総合化ノートの開発をさらに拡充し,学生の授業実践力の向上をもたらすかを検討する。

(2)点検・評価

  1. 従来からの研究テーマであるICTの利用に関する研究を,国際学会のProceedingsや報告書の形式でまとめた。
  2. 科学研究費補助金「知の統合力を育成する鑑賞学習支援システムの開発」の研究分担者として,鑑賞教育を支援するデジタルコンテンツの開発に取り組んだ。また,その内容については,美術科教育学会等で発表した。
  3. 特色GPの一部門として取り組んでいる教育実習を支援する映像アーカイブシステムや知の総合化ノートの開発を進め,システムの改善を行った。いずれも,初期システムからバージョンアップし,より学生の学びを支援するのに適したものとなってきた。その成果について,教育工学会で発表した。
  4. 大学開放事業の支援を受け「鳴門教育大学 教育と学校を考える会」が実施した「子ども歩き遍路」について,その教育的な意味を検討し,報告書としてまとめた。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  1. 実地教育担当教員として,実地教育の充実を図り,円滑な運営にあたる。
  2. 遠隔授業観察システムや遠隔大学院に代表されるシステムの,講義等において試用/試用の支援を行い,その適切な利用法について提案する。
  3. GP「現代的教育ニーズ取り組み支援プログラム」の企画に携わる。

(2)点検・評価

  1. 実地教育担当教員として,実地教育の充実を図り,円滑な運営に努めた。
  2. 中期目標にも掲げられているテレビ会議システムを活用した実践の在り方について検討した。
  3. 現代GPの運営に寄与した。(具体的には,「子ども歩き遍路」の実施やシンポジウムでの発表など。)
  4. 特色GPの運営に寄与した。(知の総合化ノートや授業実践映像データベースの開発と運用。)
  5. 平成19年度文部科学省から委託事業「教員研修評価・改善システム開発事業」や平成19年度独立行政法事教員研修センター開発事業「10年経験者研修モデルカリキュラム開発」の委員として参加し,徳島県総合教育センターと連携して,教員研修の在り方と方法論について検討した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 実地教育の円滑な運営のために,附属校園との連携を図る。
  2. 鳴門市教育委員会と連携し,本学の実地教育の充実を図る。
  3. 鳴門市教育委員会や徳島県教育委員会,徳島県総合教育センターと連携し,特にITの教育活用に関する領域で,鳴門市内の学校と徳島県内の学校を支援する。
  4. 鳴門市および鳴門市内の文化施設(美術館等)と連携し,鳴門市内の小学校を対象とした教育活動を実践する。

(2)点検・評価

  1. 実地教育の円滑な運営のために,附属校園との連携を図った。
  2. 鳴門市教育委員会と連携し,本学の実地教育の充実を図った。
  3. 鳴門市教育委員会や徳島県教育委員会,徳島県総合教育センターと連携し,特にITの教育活用に関する領域で,鳴門市内の学校と徳島県内の学校を支援した。
  4. 鳴門市および大塚国際美術館と連携し,鳴門市内の小学校を対象とした教育活動を実践した。具体的には,大学開放事業N*CAPや小学校4年生プログラムなど。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  上述したことではあるが,平成19年度の研究・教育・業務のうち,以下の2点について改めて特記する。
  1. 長期履修学生の教育実習を,新規に松茂町・北島町・藍住町で実施するために,各町教育委員会および各町の小中学校を複数回訪問し,依頼と調整を行った。また,実習期間中,実習終了後にも,各町教育委員会・小学校・中学校を訪問し,平成20年度の実習の実施に向けて実習の様子を聴取した。平成20年度に立ち上がった「教職キャリアオフィス」の検討委員として参加したことも含め,長期履修学生の教育実習の方法を構築した点は,大学への貢献と考えている。
  2. GP(特色GP,現代GP)や文科省等からの委託事業(平成19年度文部科学省から委託事業「教員研修評価・改善システム開発事業」,平成19年度独立行政法事教員研修センター開発事業「10年経験者研修モデルカリキュラム開発」)の実施に実際的に寄与したことは,特記しておきたい。
最終更新日:2010年02月17日

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