心身健康研究教育センター 末内佳代

報告者 末内佳代

1.学長の定める重点目標

1-1.大学の活性化を目指す教育活動

(1)目標・計画

  1. 授業の中に修了生を含めた心理職や多種職との双方向の話し合いの時間を設ける。 それによって,臨床場面における実務の実際や問題点を知り,理論と実践をつなぐ契機となることを期待する。
  2. 授業内容によっては,提出されたレポートの要約を全員に配布し,シェアリングする形式を採用したい。いわゆる成績評価とは違った自己評価(自己理解)や相互評価(他者理解)につながると考える。

(2)点検・評価

  1. この活動は,平成17年度から実施している見学実習の中のプログラムの一つである。大学院生から「心理領域以外の視点で物事を見るきっかけとなり,客観視できた」「連携の大切さを実感した」「進路決定の参考になった」などの意見が寄せられた。見学機関の一つである徳島県中央児童相談所には,2名就職(非常勤)したが,その際この授業内容が役立ったという評価を得た。
  2. シェアリングについては,「他の大学院生の考えや本音が語られ,気づきと充実感が得られた」という意見もある一方で,小グループでの発表,テーマの焦点化など改良点の余地もある。内容を改善しさらに充実を図りたい。

1-2.学生支援、地域連携活動

(1)目標・計画

  徳島県立総合教育センター,徳島市教育研究所と連携して「不登校等ライフサポーター派遣事業」および「すだちアシストプラン」の運営に協力する。
  大学院生が行う家庭訪問等を通しての不登校児童生徒や家庭への働きかけがより適切なものとなるよう支援する。

(2)点検・評価

  ライフサポーターやすだちアシスタントとして家庭訪問を行う大学院生のスーパーヴァイザーとして運営に協力をした。
  徳島市教育研究所主催の適応指導連絡協議会で徳島市の教員を対象に「少し気になる子どもたちへの関わり」の講演を行った。その講演内容が,徳島市の不登校の児童及び生徒,保護者対象の広報誌に掲載され家庭に配布された。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  本学心身健康研究教育センター心理・教育相談室での初回面接者及び相談員として,相談活動を行う大学院生のスーパービジョンを行うと共に,将来心理臨床家として実務に携わる者が必要とされる社会的常識(服装・態度・時間等)に対する指導を行いたい。

(2)点検・評価

  当相談室においての,相談活動の中で,社会的常識に対する指導は常に行ってきた。相談活動においても,日常生活においても程よい距離を置いた人間関係の構築を指導してきた。M2の8名のスーパービジョンは年間を通して毎週一人当たり1時間行った。8名のうち現職教員を除いた7名が心理臨床家として実務に携わっている。M1は10名グループでのスーパービジョンを行った。その授業の中でも初心者にとって枠を守ることの大切さを重ねて指導した。

2-2.研究

(1)目標・計画

  従来からの研究テーマである,不登校への対応として連携ネットワークによる支援と,学校の取組について研究していきたい。その結果を論文にまとめたいと考えている。

(2)点検・評価

  筆者が不登校児に対するカウンセリングの原則を学んだ本学学校教育研究科教育臨床コースの陪席実習をテーマにした論文をまとめた。
  発達障害をもつ不登校児との関わりを通して発達障害に関する研修を行った。M1・M2合わせて約40名が計3回,計8時間の研修に毎回自主的に参加した。この大学院生のニーズが平成19年度の研究テーマ「臨床心理士の発達障害における心理的支援」を設定するきっかけとなった。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  大学からの要請があれば,主体的に取り組み,職務を遂行したい。

(2)点検・評価

  大学運営において直接貢献したものは少ないが,大学の要請により職員,学生の生活に関連するワーキンググループの一員として職務を遂行した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 本学附属学校のスクールカウンセラーとして,生徒,保護者へのカウンセリング,教職員に対するコンサルテーションを行う。
  2. 地域社会との連携は,1-2.に述べたように,訪問臨床の分野で貢献したい。

(2)点検・評価

  1. 本学附属中学校のスクールカウンセラーとして,生徒,保護者へのカウンセリング,教職員に対するコンサルテーションを週1回行った。
  2. 訪問臨床の分野だけでなく,地域社会との連携として,教員,保護者対象の第24回鳴教大教育・文化フォーラムにおいて,指定討論者として参加し,子どもの心のつまずきと成長に関して意見を述べた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  鳴門教育大学心理・教育相談室の相談員(初回面接者)として,小学校の講演やスクールカウンセリングの際にはパンフレットを持参し,相談室への利用を呼びかけた。またクライエントのニーズを優先して午後6時から7時の面接時間を多く持った。このような活動が功を奏したとは断言できないが,相談室の利用者数は増加した。
最終更新日:2010年02月17日

お問い合わせ

経営企画戦略課
企画・評価チーム
電話:088-687-6012