実技教育研究指導センター 梅野圭史

報告者 梅野圭史

1.学長の定める重点目標

1-1.大学の活性化を目指す教育活動

(1)目標・計画

  • 実技科目では,文字通り実技指導だけでなく,講義や演習も含めた総合的学習として展開させ,学生の実技指導能力を高める。大学院では,実際の体育授業に生きて働く学力の形成に努力する。そのためには,パワーポイントやVTRなどの教育機器を活用した授業を展開する。
  • 担当するいずれの授業においても,出席点・テスト点を厳密に行うとともに,授業過程における学生の感想や疑問を毎授業後に記述させ,彼らの問題意識に即した授業内容と授業展開を心がける。

(2)点検・評価

  • 運動方法実習(バスケットボール)では,小学校-中学校-高校の一貫カリキュラムを戦術学習の立場から提示し,指導のねらいと指導方法の講義を交えながら授業を展開させた。
    また,授業者が開発したコンテンツを用いて,教師のゲームフリーズ能力を育成した。初等体育(ボール運動)では,小学校低学年と同中学年のゲーム領域の指導内容と指導方法を,実技を通して指導した。いずれも,教師の運動理解,とりわけ子どもの運動発達に伴う運動思考の違いを中心に理解させた。
  • 担当するいずれの授業においても,出席点・テスト点を厳密に行った。また,講義ではペーパー試験を,実技では実技能力試験をそれぞれ行い,十分な成果を得るに至った。
  • 授業過程における学生の感想や疑問を毎授業後に記述させ,彼らの問題意識に即した授業内容と授業展開を心がけるとする目標については,十分に実施することはできなかった。

1-2.学生支援、地域連携活動

(1)目標・計画

  男子・女子バスケットボール顧問および監督として,従来までの指導を継続しながら,教育大学としてのバスケットボール部を形づくりたい。具体的には,OB会およびOG会の組織を一層充実させるとともに,現場教員となったOBとOGとの繋がりを密にする。来年,本学主催で初めて開催される全国教育系バスケットボール競技大会を成功させ,教員養成10大学の仲間入りを実現する。

(2)点検・評価

  今年1月27日(土)に本学において,OB会・OG会を合同して開催した。参加者は,OB16名,OG17名の計34名が参加し,これまでの最高人数となった。本学主催で初めて開催される全国教育系バスケットボール競技大会(3月12日~16日:鳴門総合運動公園)の成功に向けて部員と一丸になって準備に当たっている。高橋学長をはじめ,学生課の真木さんの絶大なるご協力を得るとともに,鳴門市観光協会の方々のご支援も頂きながら,大会が成功裏に終わる体制が整った。参加校も17部(男子10大学,女子7大学)を得た。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  • 健康スポーツ学I(実技養成コース)では,学生の自主的練習活動の場を保証し,彼らの実技能力を確実に高める。また運動方法実習VI(バスケットボール)や初等体育I(ボール運動)では,実技指導だけでなく,講義や演習も含めた総合的学習として展開させ,学生の実技指導能力を高める。大学院では,院生の教授能力を高めることを企図して,授業分析論だけでなく,実際の授業分析能力およびこれにもとづく教授技術を習得させる。
  • 健康スポーツ学I(実技養成コース:陸上運動・水泳・ボール運動)では,初等教員に最低必要な実技能力(3級)の取得レベルを90%とする。運動方法実習 VI(バスケットボール)や初等体育I(ボール運動)では,試験により単位を取得させる。大学院では,講義内容の試験だけでなく,実際の授業分析能力を検査する方法も取り入れ,学生の評価を総合的に判定する。

(2)点検・評価

  • 健康スポーツ学I(実技養成コース)における教員に最低必要な実技能力(3級)の取得成果は,陸上運動:86.2%,水泳:93.5%,ボール運動:96.7初等を90%であり,十分に目標を達成したものと考える。
  • 運動方法実習VI(バスケットボール)や初運動方法実習(バスケットボール)では,小学校-中学校-高校の一貫カリキュラムを戦術学習の立場から提示し,指導のねらいと指導方法の講義を交えながら授業を展開させた。また,授業者が開発したコンテンツを用いて,教師のゲームフリーズ能力を育成した。初等体育(ボール運動)では,小学校低学年と同中学年のゲーム領域の指導内容と指導方法を,実技を通して指導した。いずれも,教師の運動理解,とりわけ子どもの運動発達に伴う運動思考の違いを中心に理解させた。

2-2.研究

(1)目標・計画

  • 体育科におけるTeaching Expertise研究を量的分析や質的分析の両面から推し進め,学校教育現場に役立つ教授理論(方法に関する理論)を提示する。これらの研究成果は,学会誌等のレフリーのある全国誌へ投稿する。
  • 体育科の授業研究を中核とする「体育授業学」の構築に全力を尽くす。そのための総説論文をしたためるとともに,教材開発研究にも着手する。
  • 博士課程における学生数を増やすとともに,彼らの学位取得に力を注ぐ。

(2)点検・評価

  • 体育科におけるTeaching Expertise研究史をまとめ,科学研究費(基盤研究(B))の報告書に掲載した。題目は,「Teaching Expertise研究からみたアメリカにおける教師の実践的力量に関する文献的検討」である。
  • 「体育授業学」の構築を企図する研究として,従来まで進展をみていなかった事例研究を「体育科教育学研究」に登載した。題目は,「教師の反省的視点への介入が授業実践に及ぼす影響に関する事例検討」である。
  • 博士課程における教育・研究活動としては,本年度2月に課程博士最終試験を行う予定になっている。また,今年度新たに課程博士入学者が1名あり,目標とおりに展開できた。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  • 専門職大学院の認可に向けて,担当教員と一致団結して尽力する。
  • 教授会や各種委員会において,積極的に発言するとともに,実行力を高める。

(2)点検・評価

  • 教員養成専門職大学院検討委員会およびその下位組織であるワーキンググループの一員として積極的に参加し,現在に至るように具体的・建設的に関与してきた。
  • 教授会での発言は,まったく行えていない。これには,審議事項が形式的な内容であったことによる。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  • 附属学校で開催される研究会や発表会に必ず参加し,附属学校における教育実践について理解を深める。
  • 教師教育の立場から,教育実習生の授業改善に資する授業研究を積極的に行い,大学と附属学校との連携を教師教育カリキュラムの視点から提言する。
  • 民間教育研究団体「体育教育研究会」(会長:梅野)における活動を活性化させ,本学の教育と研究を広く学校教育現場に導入する。活性化の具体策として,学校現場の教員の参加人数を増やす。

(2)点検・評価

  • 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科における共同研究プロジェクトEにおいて,ニュージーランドのクライストチャーチ教育大学の教員養成課程を調査・分析し,教育実践学的視点から,これからの教員養成および教師教育のあり方について提言した。とりわけ,教育実習における授業能力育成に関する内容は,本学の附属学校に対して大きな示唆を与えることと考える。
  • 民間教育研究団体「体育教育研究会」(会長:梅野)は,ほぼ毎月の定例研究会を実施するに至り,会員のみならず,会員が勤務する学校の協力を得ることができ,感謝している次第である。また,これまで10年間にわたる授業実践研究を著書にまとめる計画も進行しはじめ,研究会会員も5名増加した。
  • 今年度より,兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科生活・健康系教育講座の議長に選出され,同講座の教員資格審査および博士課程入学試験を取りまとめる業務に専念した。ただ,こうした活動により,本学の附属学校で開催される研究会や発表会に参加することができず,残念であった。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  • 現在,日本スポーツ教育学会および日本体育科教育学会において,それぞれ常任理事の任を受けている。これらの学会活動を通して,本学の教育と研究への取り組みを一段と広報するとともに,本学の保健体育科教員および大学院生の論文投稿に尽力する。
  • 兵庫教育大学連合大学院生活・健康系教育講座の講座代表として,同系の教員における「合」「マル合」の教員が増えるように尽力する。
最終更新日:2010年02月17日

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