4-4-8.心身健康センター

記載責任者 平成25年度心身健康センター所長 廣瀬政雄
<芸術・健康系教育部 教授>

1.目的と教員組織

 心身健康センターは本学において保健管理に関する専門的業務を行い,学生及び教職員の心身の健康の保持と増進を図ることを目的としている。その主な業務は,学生に対しては学校保健安全法に基づいて各種健康診断を行ない,教職員には労働安全衛生法に従って産業保健活動を行っている。 また,これとは別に,疾病や外傷に対する診療業務,相談業務あるいは他院への紹介などである。

氏名職名専門分野
<センター所長,心身医療・健康管理分野>
廣瀬政雄.pdf(121KB)
教授

健康科学,

血液腫瘍学

<心理・教育相談分野>
中津郁子.pdf(104KB)

准教授 乳幼児期の
子育て支援
<心理・教育相談分野>
新見員子.pdf(98KB)
准教授 学校教育
教育臨床心理学
松山奈央子 看護師  
三輪幸子 カウンセラー(委嘱)  

※教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンク

 

 心身健康センターは心身医療・健康管理分野と心理・教育相談分野とから構成されている。組織を構成する教員は心身医療・健康管理分野は廣瀬政雄教授,心理・教育相談分野は中津郁子准教授と新見員子准教授である。精神保健相談業務には臨床心理士養成コース4名,学校臨床コース2名,特別支援教育専攻1名の合計7名の学内の教員の協力を得ている。その他,看護師1名とカウンセラー(委嘱)1名で運営している。

 

2.活動の概要

 運営はセンター運営委員会の審議を経て,所長が管理運営に当たっている。
 主な活動は産業保健活動であり,職員を対象として定期健康診断と特殊健康診断を行っている。これとは別に疾病や外傷に対して応急措置的な診療および精神保健相談を行っている。学生に対しては,健康診断,日常診療,体育大会前の心電図検査,入学試験と各学年の合宿の救護活動を担当するほか,健康に関する講演会の開催,診断書の発行さらに各種のアンケート調査なども行っている。センターにおいて治療可能な疾患に対して,投薬や点滴などの治療も行っている。年間を通じて行う種々の活動は表1.pdf(73KB)に示した。
 心理・教育相談室は中津郁子室長により実質的な運営がなされており,学外者を対象とする心理教育相談活動を展開している。新見員子准教授は週1回附属中学校に出向き,生徒に対してカウンセリングを実施している。
 全国および中国・四国大学保健管理研究会に所属して大学における保健管理の各種情報の収集に努めている。廣瀬政雄教授は産業医資格を継続するため,徳島県医師会館で催される産業医講習会に参加している。

 

(1)活動内容

 入学時に心身健康センターのしおりの配布と利用に関するオリエンテーションを行った。健康診断では身体及び精神面の自覚症状や既往歴についての健康調査票に対する回答を参考にして,身体及び心理面の異常の有無のスクリーニングを行った。
 4月中旬から学部生及び大学院生を対象に定期健康診断(身体計測,尿検査,胸部X線間接撮影,血圧測定,視力検査及び内科検診)を実施した。全対象者数1071人中,各種検査を受検したものは1004人(92.8%)(内、胸部X線間接撮影受検者数は894人)であり,内科検診受検者数は897人(84.5%)であった。表2.pdf(31KB)に学生の定期健康診断受診状況を示したに学生の定期健康診断受診状況を示した。
 5月には学生の所見陽性者に対して再検査あるいは医療機関に紹介し精密検査を行い,事後措置として検査結果と注意点について指導を行った。学生は学生支援課のATMを通じて健康診断証明書を受けることができる。中旬には学部生及び大学院生の内,四国地区大学総合体育大会に初出場する選手を対象に,特別健康診断として心電図検査を行い,大会における競技を遂行することが可能か判定した。
 5月下旬には附属学校の教職員を含む教職員の定期健康診断(胸部X線撮影,身体計測,尿検査,血圧測定及び内科検診)を行った。特に,35才及び40才以上の教職員と希望者を対象に胃検診,心電図検査,便潜血反応検査,C型肝炎抗体検査を含む肝機能検査、PSA検査及び血清脂質検査等の血清生化学的検査を行い,生活習慣病等の早期発見に努めた。定期健康診断と血清生化学的諸検査の結果を受診者に通知し,生活上注意すべき事柄について適切な助言を行い,あるいは医療機関等に紹介するなどした。また,特別支援学校に新規に採用された教員にB型肝炎抗体検査を行い,抗体陰性者にワクチンを接種した。表3.pdf(38KB)に教職員定期健康診断受診状況(学内受診者のみ)を示した。
 翌年3月に,定期健康診断(学内定期健康診断及び人間ドック)結果報告書を労働基準監督署に提出した。
 6月には学部1年次生,大学院1年次生および外国人留学生を対象に,末梢血液検査と肝機能,血清脂質,尿酸,空腹時血糖検査を実施した。個別に血液生化学検査の結果を通知し,検査値異常を示したものには生活面の指導を行ったうえで,経過観察,精密検査の必要性あるいは病気治療を目的として病院を紹介した。学生は本学のweb page上の各自の健診結果の情報にアクセスできる。表4.pdf(24KB)に学生特別健康診断(血液検査)受診状況を示した。対象者383人の内,330人(86.1%)が受検した。
 12月には特別健康診断として放射線を取り扱っている教員を対象に末梢血液検査を行い,放射線被曝傷害の有無を調べた。また運転業務に従事している職員を対象に,視力・視野計測,聴力及び平衡機能検査を行った。さらに附属学校の給食の配膳業務を行っている職員を対象に業務遂行に支障を来す躯幹や四肢の疼痛や運動障害について問診し,診察により神経,筋肉及び関節機能の異常の検出に努めた。

 

(2)利用状況

 疾病と外傷の治療および応急処置のために,少なくとも909名(延べ数)の学生と教職員等が心身健康センターを受診した。健康に対する意識の高まりと自己管理の向上により,受診者数が減少傾向にある。この他,多数の学生と教職員が健康レベルを測定するために設置している機器類利用した。表5.pdf(24KB)に心身健康センター月別利用状況を示した。

 

(3)カウンセリング実施状況

 大学での学園生活をより明るく,健康的で楽しく,少しでも有意義に過ごしてもらうために,心身健康センター内に学生相談室を設置している。修学上あるいは学園生活上の問題を始めとして,どんな些細な問題や心配事でも心置きなく相談を受けており,解決への糸口を見出してもらえるよう助言している。相談については専門のカウンセラーが担当しており,相談内容は厳守されている。表6.pdf(49KB)に学生相談の利用状況を示した。相談者数は,最近数年間,年度により変動は認めるが増加傾向にある。

 

3.心理・教育相談分野

(1)来談者数及び相談件数の推移

 「心理・教育相談室」における平成25年度の相談活動は,新規受理面接が85件,総面接回数が1,959件であった。平成12年に開設以来,最も総面接回数が多かったのは,15年度の3,370件であった。それ以降は2,000件前後で増減が見られる。ここ5年間を見てみると, 20年度が2,467件,21年度が2,104件,22年度が2,395件,23年が2,101件,24年度が1,987件と増加と減少を繰り返しており,25年度はやや減少した。これには,終結及び中断したケース数が多かったことも影響していると考えられる。また,面接の内訳で見ると,アセスメント面接と学習・発達支援面接が21年度以降一貫して増加しており,来談者のニーズが変化していることが伺われるが,今年度も同様の傾向であった。
 新規受理面接の件数は,20年度は52件,21年度は60件,22年度は69件,23年は60件,24年度は72件と増減を繰り返し,25年度は85件と大きく増加した。これは,下記の通り土曜日の心理相談の増加と,リーフレットやポスターの配布を実施した広報効果によるものと思われる。

 

(2)平成25年度の重点活動

 平成25年度の重点活動として,土曜日の心理相談を積極的に増やし,嘱託カウンセラーを雇用することで,新規来談者の増加と利用者の利便性や満足感を向上させた。また,相談件数の増加と効果的な臨床活動を目標に,教員から大学院生への技能指導向上を図った。さらに,リーフレットやポスター等を刷新し,各学校や関係機関に配布を行い,新規来談者の増加をもたらした。

 

4.研究活動

 学生の健康レベルの変遷を経年的に観察している。職員の検診データの変化を分析し,軽快と増悪に関係する因子分析を行い,生活習慣病予防のための研究を行っている。
 また,学部学生の入学時に麻疹抗体保有状況調査と健康意識調査を行い,MRワクチン暫定措置後のワクチン接種状況と抗体保有状況について経年的な変化を観察している。
 心理・教育相談室では,毎年,心理・教育相談室紀要を発行しており,研究内容の質的な向上を目指している。大学院生の臨床的な力量の向上に資する研究論文を掲載するとともに,大学院生が担当した相談室のケースを事例論文にまとめるよう指導している。

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最終更新日:2014年12月26日