4-4-7.教員教育国際協力センター

記載責任者 教員教育国際協力センター所長 香西武
〈自然・生活系教育部 教授〉

1.教員名簿

氏名及び専門分野職名

<センター所長,理数科教育協力研究分野>
香西武.pdf(89KB)

教授

<理数科教育協力研究分野>
秋田美代.pdf(114KB)

教授

<国際教育開発研究分野,ICT教育協力研究分野>
小澤大成.pdf(103KB)

教授

<国際教育開発研究分野(現職教員研修)>
小野由美子.pdf(115KB)

教授

<理数科教育協力研究分野>
近森憲助.pdf(120KB)

教授

<国際教育開発研究分野,ICT教育協力研究分野>
石坂広樹.pdf(104KB)

准教授

<理数科教育協力研究分野>

田村和之.pdf(113KB)

 講師

*教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンク

 

2.活動概要

  平成25年度の年度計画を踏まえ,教員教育国際協力センター(以下「センター」)が「理数科教育協力」,「ICT教育協力」及び「国際教育開発」の各研究分野あるいは分野横断的に実施した「JICA及びNGOなどの国際援助機関・団体等と提携協力し,引き続き途上国の教育向上に資する人材を育成する」及び「平成22年度に完成した国際教育カリキュラムを活用し,国際感覚を備えた人材育成に向けた活動を展開する」事業を実施し,年度末には学内外の評価委員による中間評価を行った。なお,センターには現在,「理数科教育協力」「ICT教育協力」及び「国際教育開発研究」の3分野が置かれており(センター規則第5条),本要約においては,25年度の事業とこれらの分野との関連性についても示している。
 これらの事業を,国際教育コース,自然系コース,言語系コースとの兼務教員6名で実施した。実施事業の詳細については,「平成25年度鳴門教育大学教員教育国際協力センター事業実施報告書」(平成26年3月)を参照していただきたい。

(1)途上国の教育向上に資する人材の育成事業

 平成25年度には,理数科を主体とした授業改善をねらいとし,計4件,延べ研修実施期間118日の途上国(モザンビーク,ケニア,アフガニスタン,大洋州及びフランス語圏アフリカ諸国)の教育関係者(現職教員,校長,視学官,教員トレーナー,中央政府及び地方教育行政官,教員養成校教員等)を対象とする研修を(独)国際協力機構(JICA)からの委託を受けて実施した。受け入れた研修員の総数は70名,21カ国の研修員を受け入れ,研修委託費の総受託額は1,853.2万円で,間接経費として大学に560万円納入した。これらの研修は,全てが継続的に実施されてきた研修であるので,過去の実績を生かした研修プログラムの作成,実施,評価のみならず,実施後のフォローアップ活動など,単なる研修に終わらずに,教育現場への波及を見据えた研修の質の向上を図ってきた。

 また,フォローアップ及び現地調査をコスタリカ・ホンジュラス,フィリピン,南アフリカ,ラオス,カメルーン,ザンビアで実施した。さらに,専門家派遣事業として「ルワンダ・トゥンバ高等技術専門学校強化支援プロジェクト フェーズ2」の学校運営支援に対し本学教員1名を派遣した。
 これらの事業は,理数科教育協力と国際教育開発の二分野の横断的な事業として位置付けられる。 

 

(2)国際教育カリキュラムを活用し,国際感覚を備えた人材育成に向けた活動

 本年度は,以下の4件の活動を実施した。

 

1.JICA受託事業を活用した授業

 本年度は,授業の中にセンターで実施している受託研修を活用することを取り入れ,学生の実践能力を高める工夫を行った。この授業では,途上国での教育力向上の支援者を育成するために,教育の現状に触れさせ,今後の研究に活かすことをねらいとしたものである。

 実施した授業科目は,「外国語運用能力強化演習Ⅰ」,「国際教育協力研究」,「国際教育協力演習」 で,平成25年度国別研修「モザンビーク教員養成校における現職教員教授法改善」や平成25年度地域別研修「大洋州地域における算数・数学教育教授法改善に向けた自立的研修の普及」での研修観察,グループ協議への参加,模擬授業での生徒役・コメントなど,受託研修を授業にリンクさせて実施した。これらの取り組みでの学生の評価はおおむね高く,5点満点で約4.8点をマークしている。

2.ASPUnivネット(大学間ユネスコスクール支援ネットワーク)関連事業:日本/ユネスコ パートナーシップ事業

 本学は平成22年度にユネスコスクール支援のために組織されたユネスコスクール大学間支援ネットワーク(ASPUnivネット)に参加した。平成23年度からは,センターが本学における実施主体として日本/ユネスコパートナーシップ事業の四国地区における普及・啓発を行った。平成24年度は,ユネスコスクール・フォーラム,ユネスコスクール研修会,ユネスコスクールセミナーなどの開催,及び加盟申請への支援等を学内教員1名(人間形成コース:伴恒信教授)とともに実施した。その結果,本年度末で徳島県では4小学校,幼児教育施設1園,香川県では小学校1校,高等学校1校,愛媛県では小学校1校,高等学校1校,高知県では小学校1校が加盟している。本事業は,国際教育カリキュラムの骨子の一つである「我が国関係者の連携強化」に関る事業として位置付けられ,センターに置かれている3分野の基盤強化に資する事業として位置付けられる。

 

3.「四国におけるユネスコスクール活動の充実と発展をめざして」をテーマとしたユネスコスクールフォーラムの開催

 本年度は四国におけるユネスコスクールの普及・啓発を図るため,高知県教育委員会の後援を得て実施した。平成25年8月3日に高知県高知市オリエントホテルにて,主に四国地域(特に高知県)の国立私立幼・小・中・高等学校の教員,およびESD・ユネスコスクール,国際支援に係るボランティア関係者,学生を対象に「四国から世界に発信!命を守り,未来をひらく持続発展教育(ESD)」を開催し,83名の参加者を得ることができた。
 本フォーラムは,国際教育カリキュラムの骨子の一つである「我が国関係者の連携強化」に関る事業として位置付けられるもので,四国四県の学校現場と連携を強化する上で,有意義な事業であった。

 

4.国際教育オープンフォーラムの開催

 フォーラムでは,まず,途上国での理数科分野における国際教育協力の現状と課題について,アプローチの異なる4名のパネリストからの報告を受ける。その後,4名から提案された課題をベースに,理数科教育支援策の質的向上に関する方策について検討を行う。フォーラムを通して得られた方策は,本学における受託研修に関わる運営,内容等への新たな手法に関する有益な情報となるのみでなく,途上国の理数科教育の質的向上を目指す異なるアプローチに対して,有機的に関連させることも期待される。参加者は20名で例年より少なかったが,これからJOCVに応募を希望する者,26年度にJOCVとして派遣される者も参加し,中身の濃いフォーラムとなった。

 

3.評価結果を踏まえた今後の展望と課題

 本センター事業実施報告書を基に,学内有識者による事業評価を行い,事業評価報告書を作成した。評価の詳細は,報告書を参照いただきたい。
 「国際教育カリキュラムを活用し,国際感覚を備えた人材育成については,ユネスコスクールへの支援により加盟校の大幅増加,JICA受託事業を学生に活用し,鳴門にいながら異国体験できることが,高く評価された。一方課題として国際教育コースへの日本人学生の入学生確保があげられ,他コースの単位を取得しやすい環境の整備が提案された。
 「途上国の教育向上に資する人材育成事業」に関しては,高い評価を受けていることから,25年度に実施した人材育成事業を更に発展させていくことになろう。しかし,受託研修に関して,兼務教員による年間120日に及ぶ研修は,教員の負担が多すぎることから,研修補助者の雇用,JICAやJICEからの期限付き出向なども視野に,事務力のパワーアップを図ることが提案された。さらに,高い評価を受けたフォローアップも,教員個人が取得した経費を使用して実施しており,大学に納入している間接経費で実施する方策を検討することが強く指摘された。これらの指摘事項については,できるだけ早い時期に解決できるよう,所掌部署への働きかけを強めたい。
 今後も研修受け入れ,フォローアップ,専門家派遣等の養成の増加が見込まれることから(平成25年度中に新たな研修先として数カ国の打診を受けている),研修実施関係者(センター事務員及び教員,研修指導に当たるセンター教員,国際教育コース教員,自然系コース(理科)及び同(数学))の教員の負担増及び研修場所の確保も大きな課題である。
  。
AdobeReaderPDFをご覧になるには、Adobe Acrobat Readerが必要となります。
お持ちでない方は右のアイコンをクリックし、ダウンロードページへ移動してください。
最終更新日:2014年12月26日