4-3.附属図書館

1.特記事項

 平成25年度の特記すべき取組事項は,以下のとおりである。
(1)附属図書館業務システムの更新
(2)附属図書館閲覧室の照明をLED蛍光灯に切り替え
(3)セミナー室1部屋の机,椅子の更新
(4)雑誌記事索引集成データベース「ざっさくプラス」の提供開始
(5)特別展「モラエスが伝えた徳島」の開催

2.管理運営

(1)附属図書館運営委員会

 附属図書館運営委員会は附属図書館長,各教育部から選出された教授等,委員11名で構成し,事業計画の策定や予算に係る重要事項等を審議している。

(2)事務組織

 法人化後は図書購入に係る契約事務は会計課に一元化し,それまでの3係体制(管理,目録,サービス係)から資料係,サービス係の2係体制となっていたが,チーム制の導入に伴い平成19年7月から学術情報チームに変更した。平成22年4月から教務課図書チームへ,平成23年4月から教務課附属図書館事務室図書チームへ名称変更した。

3.教育支援

(1)蔵書

 「日本の図書館2013」(日本図書館協会)によれば,学生1人当たりの蔵書数は約282冊で,国立教育系大学図書館の中では最多である。 
 統計データは平成24年度の数値を使用している。

(2)学術資料の収集整備

 教員養成系大学として幅広く各分野の資料を選定しており,附属図書館に備える学生図書及び参考図書は全教員の推薦や選定により購入している。また,授業に関係する参考文献や学生から要望があった資料も購入している。
 外国雑誌については,附属図書館購入の冊子体は少ないが電子ジャーナルは約9,400タイトルを利用できる。
 また,小中学校の教科書や指導書の収集について,本学学生が実地教育でお世話になる徳島県内の小中学校が採択している教科書や指導書を基に整備している。高等学校については徳島県内の高等学校が採択している教科書,指導書を基に整備している。教科書,指導書,学習指導要領,学習指導要領解説は教科書コーナーに別置している。

(3)開館・利用状況

 平成25年度開館日数は327日である。授業期平日は8時45分から22時,土・日・祝日は10時から18時まで開館している。
 「日本の図書館2013」(日本図書館協会)によれば,学生1人当たりの年間図書貸出冊数は約21冊で,国立教育系大学図書館の中では第2位である。
 統計データは平成24年度の数値を使用している。

(4)情報リテラシー支援(図書館利用指導)

 入学式後の新入生オリエンテーションでは「図書館利用案内」を配布した。希望者による図書館オリエンテーションでは館内の案内と利用説明,蔵書検索(OPAC)や論文検索等の紹介を行った。4月には学部1年生(新入生全員)を対象とした「基礎情報教育」授業において,本学や全国の大学図書館で所蔵している資料や国内で発行している雑誌論文の検索方法について説明した。また,大学院生には,附属図書館職員がサービスカウンターにおいて,大学院生から質問の多い文献検索,資料の入手方法等について個人に対して説明を行った。

(5)図書館間相互貸借(ILL: Inter Library Loan)

 相互貸借や文献複写の申し込みは図書館ウェブページからも可能となっている。現在は,電子ジャーナル及び機関リポジトリの普及もあって依頼件数は減少してきている。また,鳴門市立図書館と資料の配送システム等のデリバリーサービスを引き続き実施,利用者からは好評である。

(6)利用者懇談会

 平成25年度の利用者懇談会(大学院生,学部生)を平成26年1月に開催した。そこで出された要望事項を検討分類し,その実現に向けての取組を続けている。

(7)館内環境の整備

ア 附属図書館業務システムの更新

平成262月に附属図書館業務システムの更新を行ったことにより,附属図書館業務が効率化,最適化された。また,利用者向け検索システムがディスカバリーインターフェースになり,複数のデータベースの横断的な検索や直観的な操作が可能となった。

イ 雑誌記事索引集成データベース「ざっさくプラス」の提供開始

平成254月から雑誌記事索引集成データベース「ざっさくプラス」の提供を開始した。収録範囲は総合雑誌から地方誌まで。明治時代から現代までとなっており,雑誌・定期刊行物に掲載された記事を執筆者,論題,巻号,刊行年,掲載誌から検索が可能である。

ウ セミナー室1部屋の机,椅子を更新した。

エ 附属図書館閲覧室の照明をLED蛍光灯に切り替えた。

4.研究支援

(1)電子情報サービス

 附属図書館ウェブページでは,蔵書検索(OPAC),CiNii,PsycINFO等のデータベースと約9,400タイトルに上る電子ジャーナルを提供している。
 平成26年1月には,電子書籍(SpringerLinkの「eBooks」155冊)を導入した。

5.地域貢献

(1)一般利用者(社会人,他大学学生,本学の卒業生・修了生等)への図書館利用サービス

ア 利用登録者数:292人

イ 貸出者数:775人

ウ 貸出冊数:2,549冊

(2)児童図書室の利用サービス

 児童図書室長,専任の職員を始め学生のボランティアが交代で活動しており,開室26年を迎えた。平成25年度は延べ3,303人が利用し,図書貸出は3,298冊であった。企画行事として,七夕会や冬のおたのしみ会,わらべうた講習会等を開催した。これらは,子どもの発達を支援するとともに,将来教師になろうとする学生にも生きた教育実践の場として機能している。また,「子育て支援活動」及び地域住民との交流を促進することにもつながっている。 
 さらに平成22年10月からは,地域社会への附属図書館サービス充実のため,児童図書室所蔵目録データベース公開に向けて,児童図書室蔵書の図書館業務システムへの登録を実施している。

(3)特別展「モラエスが伝えた徳島」の開催

  平成25年11月1日から特別展「モラエスが伝えた徳島」を17日間にわたり附属図書館一階の閲覧室で開催した。
  ポルトガルの文豪モラエスは,海軍軍人から神戸・大阪総領事となり,さらに文筆活動を続けながら大正初期に徳島に移り住んだ。徳島の自然・風物・人情をこよなく愛し,「極東遊記」「徳島の盆踊り」など日本の風土を題材にした作品を温かい筆致で多く書き残し,広く世界の人々に紹介した。
  今回の特別展はモラエスが徳島に移住して百年を迎えたことを記念して,附属図書館が企画したもの。モラエスの遺品の大半は先の戦災で焼失しており,徳島日本ポルトガル協会や,徳島県内の資料館等の協力を得て,写真パネル,展示物など約百点の資料を展示したほか,絵葉書書簡をパソコン上で公開するコーナーも設置した。
  マスコミによる報道もあり,一般市民を含む約600人を上回る観覧者が訪れた。
 
最終更新日:2014年12月26日