まえがき

-平成25年度大学改革加速期間における本学の取組-

 本学は,「21世紀におけるグローバル社会を主体的に生きる人間を育成し,文化の創造及び国家・社会の発展に貢献する大学-教育に関する高度な専門性と実践的指導力を身につけ,豊かな人間性をもった教師を養成する-」を目標に,21世紀に活躍する教員の養成を行っている。
 しかしながら,現在の教員養成大学を取り巻く状況は非常に厳しく,社会のニーズにあった大学改革が強く求められている。例えば,少子高齢化やそれに伴う人口構造の変化は,教員採用数の動向等に影響を与え,その結果,入学定員や組織等の見直しは,「待ったなし」の喫緊の課題である。
 特に,平成25年には,「日本再興戦略」,「教育振興基本計画」,「これからの大学教育の在り方について(第三次提言)」,「今後の国立大学の機能強化に向けての考え方」等,様々な提言が示された。これらの提言を踏まえ,今後の国立大学改革の方針や方策,実施方針をまとめた「国立大学改革プラン」が策定された。今後第2期の残された2年間に,大学の強み・特色を最大限に生かし,自ら改善・発展する仕組みを構築し高い付加価値を生み出すことのできる大学へと機能強化を図っていかねばならない。
 本学は,このような状況に鑑み,第3期に向け改革を加速すべく,本年12月,学長直轄の下に「鳴門教育大学改革構想検討委員会」を設置し,「ミッションの再定義」で定めた内容を軸とした鳴門教育大学の強みや特色を生かした取組の検討を開始した。
さて,平成25年度の本学の業務は,第2期中期目標の基本的な方針に則って,以下の6つの方針を打ち立て取り組んだ。詳細は本文に譲る。
  1. 教育の質保証をより確かなものにするためのカリキュラムの検証と改善
  2. 学校現場の課題に即応した先端的教育実践研究の推進
  3. 学生のニーズにそった体系的かつきめ細かな就職指導の推進
  4. グローバル社会にふさわしい国際教育貢献の充実
  5. 社会のニーズを踏まえた戦略的・効果的な教育資源の配分
  6. 社会のニーズを踏まえた学生の学修支援と教育環境の整備
 平成25事業年度の業務に関す自己点検評価について言えば,業務実績報告書では,年度計画78項目中,教育・研究に係る計画を除いた33項目について,4段階評価で実施し,33項目全て「Ⅲ評価(年度計画を十分実施している。)」とした。
  しかしながら,専門職学位課程の学生収容定員充足率が90%を満たしていないことから,今後,速やかに,抜本的な対応が必要である。学長のリーダシップによる対応は当然であるが,学内教職員の協力なくしては達成できない課題であり,今後とも,全学の協力を得つつ一丸となって大学改革に取り組んでいかねばならないと思っている。
 ここに平成25年度版「鳴門教育大学自己点検評価結果報告書」を刊行するにあたり,関係各位のご高覧に供し,本学発展のために忌憚のないご叱正,ご指導をお願いする次第である。
 最後になったが,本出版に多大なご尽力を頂いた関係各位に深謝申し上げる。
 平成26年10月
国立大学法人鳴門教育大学長 田中雄三