4-4-4.予防教育科学教育研究センター

記載責任者 予防教育科学教育研究センター所長 山崎 勝之
〈基礎・臨床系教育部 教授〉

(1)教員名簿

氏名職名専門分野

<予防教育科学教育研究センター所長,

人間形成コース>
山崎勝之.pdf(95KB)

教授 発達健康心理学

<臨床心理士養成コース>
井上和臣.pdf(81KB)

教授 精神医学
<臨床心理士養成コース>
葛西真記子.pdf(95KB)
教授 臨床心理学

<生活・健康系コース(保健体育)>
廣瀬政雄.pdf(117KB)

教授 小児科学
<生活・健康系コース(家庭)>
前田英雄.pdf(100KB)
教授 食品科学

<生活・健康系コース(保健体育)>
吉本佐雅子.pdf(85KB)

教授 学校保健学

<専任教育>

佐々木恵.pdf(72KB)

准教授 行動医学

<専任教育>

内田香奈子.pdf(90KB)

講師

学校心理学

 

※教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンク

※上記教員の他に以下の6名が在籍

 研究員    松本 有貴,石本 雄真

 研究補佐員 植松 秋,津田 麻美,森 優貴,安田 小響

 

(2)センターの活動状況,今後の課題等

 平成23年度のセンターの活動は、主として、概算要求 平成23年度特別経費(プロジェクト分)「学校において子どもの適応と健康を守る予防教育開発・実践的応用研究事業」にそって実施された。この概算要求事業の2年目の年度であった。

(1)学校における予防教育の開発と実践

 昨年度に引き続き、学校において実施する予防教育を、大きくベース総合教育とオプショナル教育に分け、それぞれ授業開発と実践を行った。
 ベース総合教育は、健康と適応を総合的に守り、向上させる予防教育で、附属小中学校ならびに阿南市の1小学校において開発をかねて実施した。その結果、小3~中1までに最終的に実施する授業の原版をほぼ完成させ、あわせてその教育効果をみた。
 他方オプショナル教育は、特定の健康、適応問題に特化した予防教育で、鳴門市の2小学校、徳島市の1小学校、合計3校で、抑うつ予防、非行予防、食行動の改善の各授業を開発し、実践した。
 教育効果は、自記式質問紙を中心に確認されたが、実施したほぼすべての教育において認められた。

(2)国際ならびに国内共同研究

 センターでは、予防教育の開発に際しては、国内外の研究者や教育者との共同を重視している。そのため、平成23年度においては、まず、英国のマンチェスター大学において開催された「子どもの社会・感情能力ヨーロッパネットワーク会議」(European Network for Social and Emotional Competence in Children; ENSEC)において、「 健康と適応のための革新的な予防教育」(Innovative preventive education for health and adjustment)と題したシンポジウムを主催開催した。このシンポジウムでは、多くの国からの参加者を得て、今後の世界の予防教育のあり方について、現在の課題を踏まえながら討議と情報交換を行った。
 次に、国内においては、日本心理学会(於 日本大学)でワークショップ「新しい学校予防教育-健康・適応から学業まで-」ならびに日本発達心理学会(於 名古屋大学)で「学校予防教育の革新 -健康と適応を守るユニバーサル予防の広域・恒常的適応-」と題したシンポジウムを主催開催した。日本におけるシンポジムは昨年度に引き続く実施であり、今回はセンターの開発する教育を中心に話題提供し、その後、すべての学校において継続的に予防教育を実施することの可能性とそのための課題について広く討議した。
 その他、アメリカ心理学会(於 ワシントンDC)でも発表を行い、国内外の研究者との共同体制のもと進められるセンターの活動が際立った一年となった。世界には多様な予防教育が存在し、いずれも長所と短所が指摘されるが、それぞれの成果を結集すれば、飛躍的に効果があり、実施容易な教育が開発される可能性がある。このためにも、こうした世界規模での共同は欠かせない。

(3)研修会

 センターで開発中の予防教育は最終的に学校教員に実施していただくので、学校教員への研修会は重要である。平成23年度においては、前年度に引き続き研修会を実施し、理論から授業実習まで多彩な研修が行われた。難解ともいえる教育の理論面の説明は容易さを増し、また授業実習も、現実的な観点をより加味されたものとなり、参加者からは好評であった。
 研修会の当面の目標は、リーダーやコーチ(トップセルフ コーチ)を育成することであり、今後リーダーとなる教員も何名か生まれたことは、広域、恒常的実施を目指すセンターの計画には大きな支えとなった。

(4)大学、大学院での授業

 この教育を広範囲の学校で継続して円滑に実施するためには、将来教員となる学生にこの種の教育への理解を深めてもらう必要がある。つまり、大学の教職課程において教育実施者としてのトレーニングが開始される必要がある。そこでセンターでは、学部と大学院において授業を実施する予定であったが、平成23年度においては学部に先行して大学院において「予防教育科学」の授業を実施した。また、平成24年度には学部において「学校と予防教育科学」の授業を実施することになっており、そのことは大学便覧にも明記した。
 実施した大学院授業は、理論と実習が組み合わされ、実際の授業体験からの理解を促し、この点について特に好評を得ることができた。

(5)広報、その他

 センターの広報業務では、Websiteは昨年に増して充実度を高めている。日英完全対応のWebsiteであることは、海外から多くのアクセスを呼んでおり、センターの国際的活動に大きな役割を果たしている。
 また、平成23年度においては、センターの教育の理論面を網羅した書籍「予防教育科学に基づく学校予防教育」を刊行し、今後の指針としての位置付けをもたすことができた。難関とも言えるこの教育の理論を書籍として集大成化できたことは、今後の授業開発を円滑に進めることができる指針となる。
 さらに、ゲーム形式で楽しめるセンター紹介のパンフレットも完成し、広くセンターの活動を普及させる情報源が拡大しつつある。このパンフレットは、機会あるごとに配布し、センター活動の普及に貢献している。

(6)今後の課題等

 平成24年度からは、多くの一般校での実施が計画されており(徳島県下16校)、広域継続実施のための最後の準備年となる。広域での実施のためには、実施者としての教員の育成が必須である。このため、まずはプログラム実施のリーダーあるいはコーチとなる人材の育成と確保がさらに重要になる。研修会の実施や授業観察の促進から、このことを実現したい。
 また、センターで進める授業は、教材等が豪華に設定されていることから、 ウェブサイトからのダウンロードなど配布方途を開発し始める必要がある。
最終更新日:2012年9月3日

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