自然系コース(数学)

記載責任者 成川公昭

◇教員名簿

氏名 職名 専門分野 氏名 職名 専門分野
齋藤昇 教授 数学教育学 成川公昭 教授 解析学
平野康之 教授 代数学 松岡隆 教授 幾何学
秋田美代 准教授 数学教育学 樋上和弘
(平成20年10月1日採用)
准教授 数理科学

 

*教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンクしています。

 

◇自己点検・評価

1.学長の定める重点目標

1-1.コースの運営

(1)目標・計画

  新たなコースとなったものの,その内部の組織は従来の講座と基本的には変わっていない.またコースとして目指すものは,優秀な教員の育成とその基礎となる活発な研究活動であり,この基本姿勢も変わるものではない.しかし部組織は第3部から自然・生活系教育部へと構成員も含めて大きく変貌した.こういった中で,各コースが十分にその機能を発揮し,部の運営が円滑に運ぶよう他コースに積極的に働きかけ,お互いの理解の上で相互補完できるよう努力したい.また,他コースで行われている教育・研究に目を向けることにより,数学の従来の特性と新たな広がりを生かし,その刺激による活性化を図る.

(2)点検・評価

  授業,各種委員会委員等の業務負担が平等になるように十分に配慮して受け持ち,与えられたそれぞれの業務を遂行した.コース内では毎月のコース会議等を通して情報の交換を行い,共通の認識を持って,円滑なコース運営が行われた.業務が重なったり,都合で行うことが不可能になった場合には,お互いに協力して補完を行い支障が出ないようにした.特に,本年度当初2名の教員の欠員があり5名だけの構成で運営せざるを得なかった.更に教育部長や連合大学院副研究科長として全学に貢献する教員もあり,各教員が多忙な時間を過ごさざるを得なかったが,それぞれの献身的な努力により,十分なコース運営ができたと評価できる.運営に当たっては,各構成員が自分の分担した業務に対して責任を持つと共に,自由で活発な教育・研究活動ができるような環境と雰囲気作りに努め,それぞれに自分の目指す教育・研究の実現に向けて努力することができた.教育部組織は大きく変わったが,教育部会等を通じて他コースの考えも受け入れ,連携しながら新たな運営に関わった.

1-2.大学院学生定員の充足

(1)目標・計画

  昨年度は目標が達成され,本年度に於いてもほぼ達成の見込みである.従って,以下の通り,従来の方策を更に強化し引き続き行う.
  1. コース各員の他大学での知り合いに対し,直接訪問もしくは電話・メールで学生への受験の勧誘を促すよう依頼する.
  2. コース紹介・受験勧誘のパンフレットを作成し,全国の教育学部,理学部,更に長期履修学生の受験も期待し,工学部へ送付する.また,教職に就いている卒業生や算数数学研究会等で活躍している現職教員にも送付し勧誘する.
  3. 学校数学研究会の機関誌「学校数学研究」において大学院における研究の紹介をするとともに広報を行う.
  4. 在学生に大学院における研究の内容と研究生活の様子を積極的に説明し,大学院の受験を進める.

(2)点検・評価

  昨年度は自然系の定員の半数の10名の入学を達成できたが,本年度は,以下の通り各教員が更に努力を重ね,19名(内入学手続き者17名)の合格者を出すことができ,目標を十分に上回る学生を確保することができた.
  1. 昨年同様,各構成員が他大学の知り合いに対し,直接訪問をして依頼したり,手紙を書いて指導学生に受験を勧めるよう依頼した.電話やメールでの依頼も幅広く行った.その結果,山口大学,徳島大学,岡山理科大学,京都産業大学,広島国際学院大学,近畿大学,高知工科大学からの受験生を得た.
  2. コース紹介・受験勧誘のパンフレットを全国の関係する大学へ送付し,広く宣伝活動を行った.特に長期履修生としての道が開けていることを工学部学生に知ってもらうため,手紙や電話,メールを通して工学部教員への案内を行った.その結果,5名の長期履修生の獲得ができた.
  3. 大学院が身近に感じられると共に,修了後の展望が感じられるよう,学校数学研究会の機関誌「学校数学研究」において,院生の研究紹介や修了生の教育研究活動の紹介,あるいは現場での様子の紹介を行った.
  4. 在学生に大学院での研究内容や,研究生活の魅力を説明すると共に,修士の学位を取ることの重要性を説くことにより,進学の意欲を高めるよう努力した.その結果,当初より大学院進学を希望していた学生に加え,教員採用試験では不合格ではあったが,新たな展望を持って積極的に進学の意欲を示した学生の計6名が入学した.
  5. 学長裁量経費(広報活動経費)の補助にコース費を補填して,コース紹介を扱っていたホームページを,専門業者に依頼して充実したものとした.この作成に当たっては,従来の教員の活動やコース紹介の充実に加え,学校数学研究会のページを設け,より広く数学コースにおける研究が伝わるよう企画した.

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 学生同士が,同じ教員を目指す仲間として,その目的を達成することが出来るよう協力し,また志を高く持って互いに競い合う雰囲気を作り出すようコースの教員各々が工夫してその指導に当たる.
  2. 機会あるごとに各教員が自分の研究の一端や,興味を惹く事項をかみ砕いて話すことにより,学生とのコミュニケーションを図ると共に,学生と共に知の集団としての大学の構築を目指す.
  3. 各教員が教職の重要性を説くと共に,教員として働いている先輩達の状況や学生時代の様子を詳しく話すことにより教職への意欲を高める.また,教員採用試験のための対策塾や小論,面接指導を実施し,学生の支援を行う.
  4. コース会議に於いて積極的に所属学生の実態の報告を行い,各教員が学生に対する情報を共有し,連携をとりながら学生の指導に当たることが出来るようにする.このことにより,卒業・修士論文の指導および進路・学生生活等において,指導教員以外の教員も深く指導に関わる.
  5. 各自授業改善の取り組みを行う.

(2)点検・評価

  1. クラス担当教員と研究指導教員が中心となって,それぞれが教員という共通の目的を持ち,それに向かって学んでいるという意識を持てるよう学生の指導に当たった.高学年の学生に対しては,教員採用試験を目指し,低学年の学生に対しては大学生として自立して,志を高く学生生活を送るよう,互いに協力し,また競い合って取り組むように指導を行った.
  2. 各授業の中ではもちろんであるが,それに止まらず積極的に学生と接し,常に目的意識を持って学生生活が送れるよう指導を行った.その際,学生が興味を惹き,積極的に問題意識を持つことができるよう心を配り,各教員がそれぞれ自分の考えや経験に基づいて指導した.
  3. 学部4年生,大学院2年生対象に教員採用試験対策塾を開催し,採用試験に向けての意識を高め,採用試験に積極的に取り組める雰囲気を作り上げた.また,教員採用試験に向けて小論文,面接,模擬授業等の指導を行い,学生の支援を行った.その結果,5名の学生が教員として正規に採用された.
  4. コース会議では学生の修学状況が報告され,常に離脱者が現れないよう心を配った.問題を抱える学生に対してはコースで詳しく情報を交換し,クラス担当教員や研究指導教官だけではなく全員で解決に当たるような体制をとった.その結果,学生も質問や相談のために自由に在室中の教員を訪れた.
  5. 各教員が授業改善の取り組みを行った.具体的には,学生のレベルにあわせて指導内容を再考したり,より積極的に授業に取り組むことができるように学生の調査・発表の時間を取り入れたり,理解の定着を図るために小テストを取り入れるなどの試みを行った.

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 研究活動が大学教員としての使命であるという共通の意識を堅持し,それぞれの研究を互いに尊重し,出来るだけ公平に,時間や雑事に拘束されず研究活動が推進できるよう協力体制を図る.
  2. 科学研究費の申請は全員が行い,出来るだけ多くの採択が得られるよう努力する.

(2)点検・評価

  1. それぞれの研究を互いに尊重し,自由な雰囲気で研究活動が行えるよう,できるだけ公平に業務を分担し助け合い,時間や雑事に拘束されず研究活動が行えるよう努めた.
  2. 科学研究費の申請は全員が行ったが,研究代表者として採択されたのは3名であった.全員の採択を目指して研究を推し進めることが今後の課題である.

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  各自担当の委員として学内の各種委員会に出席し,職務を遂行する.授業,出張等で出席が不可能な場合にはコース構成員で協力し,代理としてその役目を助ける.

(2)点検・評価

  前期2名,後期1名の教員の欠員があり構成員が少人数であった上に,教育部長,連合大学院副研究科長としての職務を務める教員もいて,各教員が加重負担の状況であった.しかし,そういった中で授業,出張等で業務の遂行が不可能な場合には構成員で協力して補完し,全員の献身的な努力により満足なコース運営,大学運営へ貢献することができた.

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 附属小・中学校の算数,数学教員からメールによる質問,相談を受け付け,それぞれの専門の立場から回答,アドバイスを行う.(附属学校)
  2. 上記活動が継続的に活発かつスムーズに行われるよう,コース構成員と附属学校算数,数学教員との教育懇談会を行い,自由な意見を交換する.(附属学校)
  3. 現職数学教員も多く会員となっている学校数学研究会を学内で開催し,また機関誌を発行することにより,数学教育における問題提起・解決のための討議の場を提供する.(社会連携)
  4. 教育支援講師・アドバイザー等の機会に於いて,学校現場に実際の数学の楽しさ,面白さを伝え,教師の資質の向上を図ると共に,生徒の数学離れ,学力低下を食い止める努力をする.(社会連携)
  5. 小・中学校の生徒,児童を対象とする「算数教室」を開催し,また本年度に於いても開催が予想される鳴門市「こどものまちフェスティバル」において算数紹介コーナーを設けることにより,子どもたちに数学に対する啓蒙や興味の惹起を行う.(社会連携)
  6. JICA研修をコースで協力して行う.(国際交流)
  7. 大学間交流協定締結校と国際数学教育シンポジウムを開催する.(国際交流)

(2)点検・評価

  1. 研究発表会に向けて附属小・中学校の算数,数学教員から質問,相談を受け,それぞれの専門の立場から回答,アドバイスを行った.同時に研究発表会に出席し,指導助言を行った.附属中学生徒に対してはLFタイムでの講演も行った.(附属学校)
  2. コース構成員と附属学校算数,数学教員との教育懇談会の場を設け,それぞれの立場から自由な意見を述べ合い,更に深い連携に向けて意見を交わした.(附属学校)
  3. 学校数学研究会の会誌「学校数学研究」を2巻発行し,数学教育に関わる問題提起とその検討を行った.8月には定例の学校数学研究会を開催し,小学校及び高等学校からの現職教員による問題提起を行うと共に,それに対して意見交換を行った.(社会連携)
  4. 教育支援講師・アドバイザー等において数学・数学教育に対する講演を行い,教師の資質の向上を図った.(社会連携)
  5. 小・中学校の生徒,児童を対象とする「算数おもしろ教室」を開催した.これには子どもと保護者あわせて約50名の参加があり好評であった.また鳴門市「こどもの町フェスティバル」において「おもしろかたちづくり」というテーマで算数紹介コーナーを開設し,子どもたちの算数に対する啓蒙を行った.(社会連携)
  6. 大洋州のJICA研修をコースで行い,教員教育国際センターで受け入れた中東,南アフリカのJICA研修に協力した.(国際交流)
  7. 大学間交流協定締結校であるコンケン大学と日タイ国際数学教育セミナー2008を開催した.(国際協力)

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  1. 大学院については,当初目標を大きく上回る19名の合格者を出し,17名の入学手続き者を得た.
  2. 学部卒業生については,13名の卒業生の内5名が正規教員として採用され,6名が大学院に進学した.(ほか1名は一般企業に就職,1名は臨時教員待ち)
  3. 少人数のコースであるが,自然・生活系教育部部長,連合大学院副研究科長を務め,大学運営に貢献した.
最終更新日:2010年02月17日

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