自己点検・評価報告書(芸術系コース(音楽)) 松岡貴史

報告者 松岡貴史

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  専門の作曲において,管弦楽曲,室内楽曲,声楽曲や合唱曲,ピアノソロ曲に至るまで幅広い作品を生み出すことによって,自己の音楽観を音で具現していくとともに,社会に求められる作品を模索していく。本年度は,主として,アマチュアにも取り組むことができる合唱曲やピアノ曲を作曲するつもりである。また,作曲の教授方法について研究することも,全体構想の中に含まれる。

(2)点検・評価

  専門の作曲において,平成19年度のオーケストラ作品発表後,平成20年度は,当初の計画を変更し,制作・発表そのものにはむしろブレーキをかけて,作曲家,音楽家,教育者としてのあり方について思索することにウェイトをかけた。作品としては,フォーレ作曲「ドリー」のピアノトリオへの編曲その他を行い,発表することができたが,例年の活動に比べれば,ペースダウンとなった。
  作曲の教授法については,初心者でももっと楽しみながら学べる方策を考慮し,実践することができた。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  • 基礎学力を習得させるために,基礎理論を感覚的にも理解できるよう,また応用された実例のなかに見抜けるよう工夫する。
  • 作曲等の授業においては,技術ばかりでなくオリジナリティーや表現性,コミュニケイション性を大事にする姿勢を明確にする。
  • 成績評価に関しては,学習成果の目標水準を明確にし,安きに流れないようにする。
  • 教採試験対策として,出題内容等に関して授業の中でも時々注意を喚起すると同時に,授業外にも時間を設けて指導にあたる。

(2)点検・評価

  近年,学生の入学時での学力や音楽力が低下してきているように思う。そのような中で,基礎力を高めることとモチベーションを上げることが重要であり,そこに力を入れてきた。また,オリジナリティーや表現性,コミュニケイション性を大事にした授業展開を心がけたことにより,学生の興味・関心が深まったように思う。しかし,評価については,少し甘くなりすぎているのかもしれない。
 &bsnp;教採試験対策については,時々授業の中でもその必要性を喚起すると同時に,授業外にも時間を設けて指導にあたり,成果が表れた。このほか,和声学補習の時間を設け,多くの学生の指導を行った。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  • 学生が主体的に授業に参加できるよう,発表や討論を取り入れる。
  • 複数教員担当科目については,講義内容の関連づけができるよう,さらに連携を図る。
  • 作曲や音楽理論等について授業外でも学生が質問しやすいよう,オフィスアワー等を活用する。
  • 普段から人間形成に音楽の果たす大切な役割に触れ,学生の創造力,表現力,コミュニケーション能力の伸長をあたたかく見守る。

(2)点検・評価

  学生が主体的に授業に参加できるよう,常に発表や討論を取り入れている。そのことにより授業が盛り上がり,学生の授業評価においても高い評価を得ている。創造力,表現力,コミュニケーション能力の育成に寄与したと思われる。
  複数教員担当科目については,十分に連携を図った。特に「初等中等教科教育実践Ⅲ」では,教科教育と教科専門の有機的な関連が組み込まれ,授業は大きな成果を上げた。
  教員採用試験対応の指導,大学院生のための和声学実習の補習等,オフィスアワーを活用し,またそれ以外の時間を使って,学生の教育支援・生活支援等を行った

2-2.研究

(1)目標・計画

  • 独奏曲,室内楽曲,合唱曲,管弦楽曲のうちいずれかの作品を制作するとともに,積極的に作品発表を行う。
  • 昨年度音楽講座教員が協力して申請した科学研究費補助金の結果に基づいて,講座の一員として共同研究を開始する準備をする。
  • 現代的教育ニーズ取組支援プログラム「遍路文化を活かした地域人間力の育成」において,地域の芸能を活かした文化創造を企画し,「地域社会研究」の授業において結実させる。

(2)点検・評価

  作品制作に関しては,フォーレ作曲「ドリー」のピアノトリオ編曲(2月,阿南市初演),徳島県立科学技術高等学校校歌作曲,作品発表では”aura” for guitar(9月,ベルリン),ピアノ演奏では,全四国大学音楽学会(12月,徳島文理大学)における松岡みち子作曲「秋が触っていったから」(歌曲集)等がある。
  科研「初等教員養成のための音楽科遠隔授業研究システムの開発(研究代表者:村澤由利子)」は,音楽コース教員が一丸となって申請をした。
  現代的教育ニーズ取り組み支援プログラム「遍路文化を活かした地域人間力の育成」を,「地域社会研究」(後期)の授業に結実させるべく,準備を進めたが,音楽関連の内容を選択する学生がいなかった。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  • 各種委員会委員として,本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

  国際交流委員会副委員長,大学院入試委員会委員,教員免許状更新講習実施委員会委員等を務め責任を果たすとともに,教授会,部会,コース会議等に出席し,職務を全うした。2月に,大学院秋期入学に関する聞き取り調査のため,タイのコンケン大学を訪問した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  • 教育実習指導や授業支援等を通して附属学校との連携を図る。
  • 教育支援等を通して地域社会との連携を図る。
  • 自分の専門分野を生かし,国際交流に貢献する。

(2)点検・評価

  • 教育実習等を通して,附属学校との連携をもって学生の指導を行った。
  • 音楽コースで第3回「音楽の杜」を開催し,学生や同窓生に演奏や研究発表の機会を提供するとともに地域社会への貢献をした。
  • 日本教育大学協会全国音楽部門大学部会の地区代表委員会委員長として,各大学と連携をとりながら,免許更新予備講習についての調査や全国大会の準備を行った。
  • NHK全国合唱コンクール徳島予選,徳島県中学校音楽科創作コンクール本選,マーチングコンテスト,香川豊彦チャリティーウオークソング募集等の審査員を務め,チャリティーウオークソングについては,受賞作2曲の編曲を行った。
  • 日本作曲家協議会の「中国四国の作曲家」において,理事として,会の立ち上げとコンサートの企画を行った。
  • 2月にタイのコンケン大学を訪問した際,先方の大学生や附属中学校生徒たちと,音楽を通した交流を行った。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  自らの専門に関する研究において,作曲活動については例年に比べてペースダウンしたが,授業実践,社会貢献においては,当初の計画を上回る成果を出す結果となった。特に社会貢献では,日本教育大学協会全国音楽部門大学部会の執行部として,その責任を果たした。全体として,概ね目標を達成できた。

最終更新日:2010年03月15日

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