自己点検・評価報告書(自然系コース(理科)) 米澤義彦

報告者 米澤義彦

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  本学に着任以来,2つの研究テーマを掲げて研究活動を行ってきた。ひとつは染色体の構造変化による種分化の機構であり,他のひとつは雑種形成による種分化の機構である。前者については,ほぼめどがついたので,本年度は後者に重点を置いて研究を行う。具体的には,分子マーカーによる雑種個体群の解析であり,これは岡山理科大学と共同で行う予定である。

(2)点検・評価

  本年度の目標であった雑種形成による種分化の機構の解明は,想定していた分子マーカーが特定できず,ほとんど進展しなかった。その反面,学長裁量経費の支援を受けて行った,タマネギ小核試験法による地域の河川水の遺伝毒性物質の検出については,簡便な方法を確立でき,大学院生の修士論文としてとりまとめることができた。また,城南高校のSSHの課題研究のテーマとして研究が進行中である。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  1. 学部の生物学Ⅰは,本年度からその授業内容をかなり変更する。すなわち,ほとんどの学生が中学校の教科書に出てくる植物を見たことがないので,まず,現物を見せることから授業を始める。
  2. 授業方法としては,予習・復習を徹底させるために,学生一人一人に課題を与え,それを授業の中で発表させる形態をとる。また,発表した内容については,レポートとして提出させる。
  3. 課題の発表内容と期末試験を1:2程度の比率で評価する。

(2)点検・評価

  1. 授業開始当初は予定通り数種類の植物を見せる授業を展開できたが,後半は予定した内容の講義に追われ,受講生に植物名を覚えさせるレベルには至らなかった。
  2. 課題をまとめる力が学生に不足しており,十分な成果が上がらなかった。次年度はシラバスにおいてこのことを周知させるとともに,課題の発表にウエイトを置いた評価を行いたい。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  昨年度に計画して,十分な成果をあげることができなかったことに再挑戦する。すなわち,授業に使用する資料は印刷物から,パワーポイントに転換して行くことである。また,最近の研究成果等はできる限り英文の学術雑誌等から直接コピーして利用し,大学院生や学部生の英語力の向上を図りたい。

(2)点検・評価

  大学院の授業の受講者がなく,大学院では実践できなかった。しかし,学部の「生化学」では,受講者が1名であり,パワーポイントの内容をテキスト化したものを作成した。図表のほかに,かなり詳しい説明文を添付したので, 学生の理解には役だったようである。

2-2.研究

(1)目標・計画

  前述のように,本年度以降は,雑種形成による種分化の機構について,野生ギクを対象として,分子マーカーによる個体群の解析を行う。これは岡山理科大学と共同で行う予定である。
  また,ここ数年校務の多忙から,自身が代表となる科学研究費の申請を行っていない。前述の共同研究を発展させて,科学研究費が申請できる環境を整えたい。

(2)点検・評価

  前述のように,想定した分子マーカーが得られず,十分な研究成果が得られていない。また,岡山理科大学との共同研究も実施できなかった。
  科研費の申請も,想定した分子マーカーが得られなかったために,行わなかった。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  4年ぶりに管理職から解放されることになり,本年度は理科コースのコース長のみを務めることになるので,理科コースの充実のために努力したい。とくに空席となっている准教授ポストの補充を図りたい。

(2)点検・評価

  自然系コース(理科)のコース長として,次から次へと要求される様々な事務的処理に追われた1年であった。コース長の仕事がこのように多岐にわたっていることは予想できず,コースの構成員に多大の迷惑をかけたことと思う。特に,空席の准教授ポストのうちの1つを補充することができなったことは,大変申し訳ないと思っている。一人でも多くの教員を確保し,修論生や卒研生の研究分野の選択の幅を広げることが,本学の発展のためには不可欠でありことを再確認した1年であった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  本年度が最後となるJICAの南アフリカ共和国理数科教員養成者研修に参加し,他の教員と協力して,研修生に「実験を中心とした授業」が展開できる力をつけさせたい。また,例年どおり,附属幼稚園の園外保育の指導や,附属小・中学校での授業等にも時間が許す限り取り組みたい。

(2)点検・評価

  JICAの南ア理数科教員養成研修については,本年度生物分野の希望者がなく,参加しなかった。しかし,アフガニスタンの教育支援については,近森教授からの要請を受けて,教員養成学校用のシラバスの作成,生物教授法の教科書の作成などの協力を行った。また,附属学校園の園児・児童・生徒に対する支援は,ほぼ予定通り行うことができた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

特記事項なし

最終更新日:2010年03月15日

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