自己点検・評価報告書(現代教育課題総合コース) 谷村千絵

報告者 谷村千絵

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

  本学着任以後,専攻する思想・哲学と教育実践との往還を自分なりに探ってきた。大学院授業やゼミにおける院生(とりわけ現職院生)との議論から,今後の教育を構想するにあたって,さまざまな思想の理解や哲学的思考が有意義であることを見出した。しかし,たとえば歴史性の理解不足が思考の閉塞状況を生み出す点など,注意が必要な面もある。教員養成系大学教員である研究者自身が,視野を広げ,新しい見識に挑戦して,柔軟な思考力を保つことの重要性を再認識し,昨年は,学内外の複数の研究者と共同研究を行い,国内外の学会で積極的に発表した。本年度は科学研究費補助金の申請を行うなど,その取り組みを継続・発展させるとともに,研究論文の執筆に集中して取り組みたい。

(2)点検・評価

  学内外における複数の研究者との共同研究(3つ)に積極的に取り組んだ成果について,一つについては国際学会での発表を行い,残る二つについては全国学会誌に論文としてまとめた(2本)。そのうち一つの共同研究メンバーと共に,大学生・大学院生向けのテキスト作りに取り組み,2009年3月に出版した。このテキストは,それぞれが教員養成大学等で担当している授業の内容を反映させたもので,今日の教育現実と,教育思想・哲学・歴史とをつなぐ内容となっており,同時に,資料やワークシートを充実させて,学生が自ら学ぶ姿勢を最大限に引き出すことを目的として編まれたものである。教員採用試験の勉強にも使用できるようになっている。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  昨年度の授業実践を省みると,今日の子どもや教育事象の歴史的文脈をともに考える授業,人間(ないし子ども)を社会・メディア・学校教育などの複数の視点からとらえる授業が好評だった。こうした内容を,今年度の1.授業内容としても継続して取り上げる。2.授業方法は,知識を獲得するだけでなく,さまざまな観点から学生が自己認識を深め,社会認識を広げていけるような取り組みを目指したい。具体的には,ディスカッションや学生のプレゼンテーションをできるだけ講義に取り入れていく。3.成績評価は,基準を明確化し,受講生が目的意識を持てるものにする。

(2)点検・評価

  一昨年度に好評だった授業内容について,1.内容を継続・発展させるとともに,2.学生自身が積極的に学べるように,ワークシートを工夫し,グループによる,学習,発表,ディスカッションの機会をかなり多く取り入れた。
  成績評価については,基準を明確にして,受講生の課題意識獲得に努めた。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 長期履修の新入生について,今年度から制度が変わり,上の学年や同学年との関係が希薄になることが予想されるので,コースの計画に協力して,大学生活を有意義に送れるよう,支援する。
  2. 教育採用試験対策として希望者に小論文・面接の個人指導を引き続き行う。
  3. 一般就職を希望する学生からも要望があれば,随時,個別進路相談を行う。
  4. 大学院「広領域コア科目」の新設授業を担当するが,他コースの先生方と共同担当なので,授業進行をスムーズにするためにも,積極的に連携を図る。

(2)点検・評価

  1. コースで計画された行事等に積極的に参加した。
  2. 希望者に対して,前期の間,小論文の指導を毎週2時間,継続して行った。面接指導も行った。
  3. 一般就職希望者に対する進路相談を受けた。
  4. 「広領域コア科目」の授業運営が円滑に進むよう,オリエンテーション準備,教室配分など,事前の準備を行った。授業は,予想以上の大量の受講生が履修したが,混乱はなかった。

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 学内外の研究者との共同研究を継続・発展させ,学会発表を行う。
  2. 論文執筆に集中して取り組む。
  3. 共同研究を科研費の申請に結びつける。

(2)点検・評価

  1. 学内の研究者との共同研究の成果について,国際学会で発表した。
  2. 学外の研究者との共同研究の成果について,全国学会誌に2本の論文をまとめた。また,専門領域において,『教育人間学の展開』(平野正久編著)の編纂にかかわり,掲載論文(1本)を執筆した。
  3. 科研費申請は,体調変化のため,見送った。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  1. 委員会の職務に努める。
  2. 昨年に引き続き学生相談委員を担当するので,学生が相談しやすい雰囲気づくりに努める。
  3. 学内の美化に努める。

(2)点検・評価

  1. 大学院教務委員,コアカリ運営委員を務めた。コアカリ運営委員では,webポートフォリオの環境準備と学生・教員へのオリエンテーションを行った。
  2. 学生相談委員として,毎週火曜日昼休みに研究室待機をした。当該枠での相談者はいなかったが,日常的に相談しやすい雰囲気作りを心がけた。また,メンタルヘルス研究協議会(於:東京都)に参加した。
  3. 学内美化に努めた。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. 客員研究員研究プロジェクト「急速に変化・多様化する社会における教師教育の研究―比較教育学的視点を中心として」(研究代表者:近森憲助教授)において,研究分担者として任務を遂行する。
  2. 近森憲助教授が率いる日米フレンドシップ事業に参加する。
  3. 徳島県が開催しているe-徳島推進会議の教育WG座長(三宮真智子教授)の代理を依頼されたので,積極的に任務を遂行する。

(2)点検・評価

  1. 客員研究員研究プロジェクト「急速に変化・多様化する社会における教師教育の研究―比較教育学的視点を中心として」(研究代表者:近森憲助教授)において,研究分担者として,研究会,シンポジウム等に参加した。
  2. 近森憲助教授が率いる日米フレンドシップ事業の春期プログラムに参加した。秋期プログラムは,体調変化のため学生引率(米国)を断念した。
  3. 徳島県が開催しているe-徳島推進会議の教育WG座長(三宮真智子教授)の代理を努め,教育WGのとりまとめを行った。また,関連するプロジェクトとして,三好市の小学校児童とインターネット交流を図る「やまごえブレイクタイム」に学生とともに参加した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

最終更新日:2010年03月29日

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