自己点検・評価報告書(臨床心理士養成コース,心身健康研究教育センター) 曽川京子

報告者 曽川京子

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画
  • 学校教育における児童生徒の心理的な問題,特に学校不適応に対する支援のあり方を教育相談の視点から検討し,有効な知見や方策を研究する。
  • 着任して間もないため,臨床心理学や生徒指導論の分野における学会や研究会に積極的に参加して研鑽を積みたい。
(2)点検・評価
○学校不適応に対する支援のあり方の研究については次の2点ですすめることができた。
  1. 私は,平成19年度まで,徳島県公立小学校勤務しで学校不適応などの問題に苦しむ児童や保護者,また教員に管理職として関わっていたが,平成20年度本学の教員となった。 臨床心理学の視点で,当時の事例を振り返り,自身の活動を顧みて,適切な支援のあり方の可能生を模索し,ある程度整理することができた。 今後は学校現場にどう生かしていけるか,具体的に焦点を絞って研究を進めることが必要だと考えている。
  2. 本学の心理・教育相談室で相談員として,児童生徒や保護者の相談を直接担当したり,事例検討会等に関わったりする事で当該児童生徒の所属する学校の職員という立場を離れた視点で関わり,問題への支援を考えることができた。
○全国レベルのものとしては,7月に日本K-ABCアセスメント研究会徳島大会,8月に学校臨床心理士全国研修会,9月に日本心理臨床学会,全国臨床心理士養成コース設置大学院連絡協議会に参加した。 その他徳島県レベルでも特別支援教育をはじめ多くの研修会に参加して臨床心理学の知見を深めることができた。
○チームとしてではあるが,科学研究費補助金に申請し,外部資金調達を図った。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画
  • 学校教育実践で学生の附属校事前指導における指導案の書き方を指導する。
    表現コミュニケーションのさまざまな手法を体験させ体得させる。
  • 指導案の基本的なことから押さえ,実際の教育現場で使用されている指導案の検討,さらに学生に具体的な教材を選定させ実際に指導案を立て模擬授業を行うなど,基本と実践演習を組み合わせて行う。
  • 実際の授業場面での積極的な発言や態度も重視しながら,具体的な指導案の創意工夫面や完成度,さらに模擬授業の様子,その後のレポート等で評価する。
(2)点検・評価
  1. 学校教育実践と附属校園の事前・事後指導では目標・計画通りに指導案としての要件を満たす基本的なことを,具体的な資料を提示して指導した。その後実際に指導案を作成しそれに従った模擬授業もおこなった。実際に児童がいないことによる困難さはあったが,学生は自分なりに児童のイメージを描いて演習をこなした。 附属校での教育実習では,学年や教科,教材などの内容の違い,児童の実態などにより,演習通りにはいかなかった学生もいたようである。
    表現コミュニケーションの授業では,実際に場を想定した中で,ロールプレイなどを交えてコミュニケーションについて体験したり考えたりさせた。 学生は実際に体験することにより自分や人のコミュニケーションについて多くの気づきを得ていた。
  2. 発達臨床心理アセスメントでは知能検査を担当した。検査用具に触れたり,DVDやVTR等の視聴覚機器を用いたりしてので,学生は興味深く取り組み,理解が容易となった。
  3. 評価に際しては,授業の中での学生の取り組みの様子や発言を注意深く観察したり,学生の発言を丁寧に受け止めて対応するようにつとめた。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画
  • カウンセラーとしての訓練のための教育相談におけるインテークに陪席させ,ケースをもつにあたってのアセスメントをともに考えていく。
  • 学生の持つケースカンファレンス同様,スーパーヴァイズを行う中で,学生の考えや思いを大切にしながら,ともに考えていく姿勢を大切にする。
(2)点検・評価
  1. インテーク陪席に当たっては,必ず事前には学生との詳細な打ち合わせをおこない,事後にも最低でも50分はアセスメントのための話し合いの時間を設け,学生が不安を持ちながらの陪席にならないように丁寧に関わった。
  2. 修士1年生10人に対しスーパーヴァイズを全体で週3時間行った。学生が自分の考えや思いを十分に表現できるようにつとめ,事例の内容以外にも学生の問題などもともに考える場となるよう配慮した。

2-2.研究

(1)目標・計画
  • 学校教育における児童生徒の心理的な問題,特に学校不適応に対する支援のあり方を教育相談の視点から検討し有効な知見や方策を研究する。
  • 着任して間もないため,臨床心理学や生徒指導論の分野における学会や研究会に積極的に参加して研鑽を積みたい。
(2)点検・評価
  1. 前記1-1.の大学教員としての研究と内容はほぼ重なるのであるが,本学に着任して1年目であったため,これまでの学校現場での実践の整理と本学での相談活動を通して得たことから,学校不適応に対する見識を深め,方策を考えた。
  2. 多くの学会や研修会に参加して,臨床心理学の知見を広めることができた。
  3. チームではあるが,科学研究費補助金に申請し,外部資金調達を図った。

2-3.大学運営

(1)目標・計画
  臨床心理士養成コースの運営に積極的に関与したい。
(2)点検・評価
  1. 本学の心理・教育相談室の運営として,インテーク面接を中心に行った。
  2. 大学院入試の問題作成,面接および合否判定にかかわった。
  3. 大学入試の監督,面接にかかわった。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画
  • 附属中学校にスクールカウンセラーとして赴き,中学校教員と連携してスクールカウンセリングを行う。
  • 附属小学校における児童理解や教育相談の効果的なあり方を小学校教員と連携して研究する。
(2)点検・評価
  1. 附属中学校に1年間スクールカウンセラーとして勤務した。
  2. 学校改革支援チームの相談員として,鳴門市と松茂町,藍住町の教育委員会や小中学校を訪問し大学との連携を推進した。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  1. 本学に着任して1年目であったため,自身が臨床心理士養成コースの一員として授業や研究,学生支援に取り組むことが中心となった。
  2. 来年度は,大学への貢献を意識し,より積極的に取り組みたい。
最終更新日:2010年02月17日

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