自己点検・評価報告書(授業実践・カリキュラム開発コース) 川上綾子

報告者 川上綾子

1.学長の定める重点目標

1-1.大学教員としての研究活動

(1)目標・計画

自身の研究テーマは,大きく「小・中・高等学校における授業の開発・改善」に関わるものと「教員の実践的思考の発達や研修のあり方」に関わるものとの2つの柱があり,現在,個々の研究(データ収集)はいずれかに属するものとなっているが,実際,自分の中では両者は独立したものではない。したがって,研究全体の構想としては今後,両者の視点を積極的に関連づけていきたいと考えている。
本年度の計画としては,前者の柱については,授業(主に小学校)における学習者間の相互作用に関するこれまでの研究成果のまとめ,及び新たなデータ収集を行う。後者の柱については,特に教員研修に関して,遠隔研修の方法論や研修課題の要件,インストラクタの関わり方等のテーマに対し,実際に研修コースの講師を務めながら取り組む予定である。

(2)点検・評価

上記に記した2つの柱のそれぞれについて述べる。前者「小・中・高等学校における授業の開発・改善」に関しては,小学校授業における学習者間の相互作用について論文にまとめ投稿し,掲載された(日本教育工学会論文誌第32巻)。また,授業における協同性の構築をテーマとして科学研究費補助金(基盤研究(C))の交付を受け,新たなデータ収集に取り組んだ。後者の「教員の実践的思考の発達や研修のあり方」に関しては,熊本県教育センターのeラーニング研修の講師を務めることにより,当該センター関係者とともに遠隔教員研修の方法論について検討を進め,研究成果を論文にまとめて投稿した(現在,審査中)。

1-2.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画
  1. 【授業内容】教師を目指す者として身につけるべき基礎的知識や理論とともに,現職教員による研究成果や彼らの問題意識等を積極的に紹介することで学校現場の実態に沿った話題をできるだけ多く提供し,理論と実践との関連づけを強化したい。
  2. 【授業方法】報告者(川上)の授業が,教授者から学習者への働きかけや工夫(例えば,学習意欲を喚起するための手だて,効果的な情報提示の方法,学習者同士の相互作用の促進等)を考える手がかりになるよう努める。また,教員採用試験の合格に必要とされる基礎的事項については小テストを行い,知識の確実な習得を図る。
  3. 【成績評価】成績評価の方法(基準や配点等)の明示,小テストの得点のフィードバック等により,評価のための評価ではなく,学生による自身の学習の振り返りや今後の学習への動機づけにつながるような評価となるよう心がける。
(2)点検・評価

上記の「目的・計画」に沿って述べる。

  1. 【授業内容】基礎的知識・理論に関する講義に加え,現職教員の研究成果や問題意識等の紹介に努めた。また,「学校教育実践I」では,“一日学校訪問”の事後指導である振り返り学習の場に,ゲストコメンテーターとして実務家教員の先生に参加していただき,受講生の子ども理解や教職理解をより一層促すように図った。
  2. 【授業方法】ワークシートの工夫,受講生間の相互作用の促進,成績評価方法の明示等により,報告者(川上)の授業自体が,授業での教師からの働きかけを考える手がかりとなるよう努めた。また,基礎的事項については,小テストを実施した。
  3. 【成績評価】授業初回及び後半の回において成績評価の方法を明示するとともに,各自の小テストの得点をフィードバックし,学習意欲の喚起を図った。

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

上記1-2であげた,授業に関する1~3の項目以外に

  1. 学部学校教育コース2年次生のクラス担当教員として,当該の学生たちに対し,社会人として必要なコミュニケーション力やマナー等も身につけることができるよう日頃から留意して指導に努めたい。また,教員採用試験に向けた指導も始めたい。
  2. 学部生・大学院生ともに,学生の研究面・生活面・進路面等の相談には随時応じる。
  3. 前年に引き続き学生総合相談室アドバイザーとして,学生からの相談に対応する。
(2)点検・評価

上記の「目的・計画」に沿って述べる。

  1. 学校教育コース2年次生に対し,「学校教育実践Ⅰ」における学校訪問活動等を通してコミュニケーション力や社会性の育成に努めた。ただ,教員採用試験に向けての具体的な指導には至らなかったので,今年度の課題である。
  2. 学部生や大学院生の研究面・進路面等の相談に随時応じた。学部ゼミ生に対しては教員採用試験対策を実施した。
  3. 学生総合相談室アドバイザーを務めた。

2-2.研究

(1)目標・計画

上記1-1で述べた本年度の研究計画に加え,

  1. 本学修了生等との共同研究をまとめ,学会誌や紀要等に積極的に投稿する。
  2. 科学研究費補助金等の学外の研究助成の公募に積極的に申請し,外部資金の調達を図る。
  3. 現在,申請している科学研究費補助金が新規に採択されればそれらの研究の遂行に尽力する。
(2)点検・評価

上記の「目的・計画」に沿って述べる。

  1. 上記1-1の「点検・評価」で述べたものと重複するが,本学修了生との共同研究をまとめ,学会誌に投稿し,掲載された(日本教育工学会論文誌 第32巻)。また,教育委員会関係者との共同研究を学会誌に投稿し,現在審査中である。
  2. 科学研究費補助金(基盤研究(C))に研究分担者として申請を行った(研究代表者は他大学教員)。
  3. 研究代表者として申請していた科学研究費補助金(基盤研究(C))に採択され,研究計画に沿って新たなデータ収集等に取り組んだ。また,他大学の研究代表者による基盤研究(B)の研究分担者としても尽力した。

2-3.大学運営

(1)目標・計画

委員となった委員会(現時点では未定)において,本学の運営に貢献する。

(2)点検・評価

情報環境推進委員会委員並びに学生総合相談室アドバイザーを務めた。また,教職大学院コラボレーションオフィスコーディネーター及び第1期生のグループ担当教員(クラス担当教員相当)の一人として,本学教職大学院の運営面や教育活動の推進に尽力した。

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画
  1. さまざまな教員研修への支援に取り組む。具体的には,鳴門市でのコンピュータの教育利用に関わる研修,県内・県外における校内研修会や教員研修セミナーの支援等に講師や助言者として積極的に参加する。(社会との連携)
  2. 附属学校の研究発表会,授業研究会等に積極的に参加する。(附属学校)
  3. 本学公開講座の講師を務める。(社会との連携)
(2)点検・評価

上記の「目的・計画」に沿って述べる。

  1. 鳴門市教育用コンピュータ活用推進協議会委員及び熊本県立教育センター共同研究推進員を務め,教員研修の支援を行った。特に後者については,現職教員研修における遠隔教育の方法論についてセンター関係者と共同研究を進め,その成果を日本教育工学会第24回全国大会(2008.10)で発表するとともに,論文にまとめ投稿した。
  2. 附属学校の研究発表会には日程の都合が合わず参加できなかった。
  3. 本学公開講座(「学ぶこと・教えること」を科学する)の講師を務めた(2008.07)。
  4. これら以外に,徳島県立総合大学校の運営協議会委員を務めた。

3.本学への総合的貢献(特記事項)

上記2-3にも記載したが,今年度より開設した本学教職大学院高度学校教育実践専攻のコラボレーションオフィスコーディネーター及び第1期院生のグループ担当教員として,専攻長・副専攻長・チーフコーディネーター及び他のコーディネーターや事務担当者とともに,教職大学院の教育活動の推進に向けて各種企画・実務に尽力し,同専攻の円滑な運営に貢献した。

 

最終更新日:2010年02月15日

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