小学校英語教育センター

記載責任者 小学校英語教育センター所長(命) 前田 一平
<人文・社会系教育部 教授>

(1)教員名簿

氏名 職名 専門分野 氏名 職名 専門分野
兼重 昇 准教授 英語教育 Gerard Marchesseau 講師 英語教育

*教員氏名は、当該教員の自己点検・評価報告書へリンクしています。

(2)センターの活動状況,今後の課題等

  平成17年度,18年度の現状把握と研修成果を基に,県内外の小学校英語関係者との情報交換をより密にし,効果的な小学校英語教育のあり方を実践的に検討することを計画した。担当者の育成を図る研修の実施場所や方法については,地域や学校を基盤としたものに変更していくとともに,地域・学校でのリーダー研修の受講者をサポートすること,研究に関しては,教員研修・育成の意義や効果について調査研究をすすめ,かつ小学校英語の意義や効果についても実証的研究を行うこと,である。一方,学内への直接的貢献のため,小学校英語が担当できる教員養成のための授業を検討することを本年度の事業計画とした。
  小学校英語教育に関して,次のような成果を得た。まず,担当者の研修としては,3度の集合型研修と65回に及ぶ出張型研修を進めたことで,徳島県内外での小学校英語担当者の養成に貢献した。また本学の学部授業に「初等英語」「初等英語科教育」の二つの授業を開設し,これからの小学校英語が担当できる教員養成へのモデルケースとなった。
  また,こうした小学校英語教育に関わる人材が情報共有できるようなウェブの開設を行い,電話やファックスも含めた学内,県内外からの教材の貸し出し依頼や質問に答えることができた。
  全国的な取り組みとして本センターが中心となり,「小学校英語教育学会徳島大会」を開催した。県内外からの小学校英語教育関係者を集めた学会の研究大会であり,本学センターのこれからの必要性や今後の人的ネットワークの構築の一助となった。

(ア)小学校英語担当教員の研修の改善及び実施

  集合型研修として,(平成19年10月13日,12月1日,12月8日,平成20年2月16日に)小学校英語の目的論,演習及び文化に関する研修を行った。全ての研修に関して20名前後の参加者があった。また,出張型研修として,当初予定の40ヵ所を上回る延べ65カ所での研修を行い,授業実践の提示や教員研修など,各校,地域の要請に応じた内容を提供した。この活動を通して,研修の内容が精選されたことに加え,そのあり方に関して,徳島県という地域的な特徴も加味すると,集合型だけでなく出張型の研修を行うことで,より具体的な研修が行えること,またその方がそれぞれの学校や地域にあった研修が行えることなどが明らかになった。今後もこうした出張型の研修に対するニーズは高まっており,本事業の成果及び求められる事業として焦点が当たるものと判断できる。

(イ)小学校英語教育ネットワークの活用

  ウェブページの整備と教材のデータベース化を行い,貸し出し作業も行った。また,拠点校を中心とした人的ネットワークの構築も行った。ウェブページの整備により,センターの所蔵する教材教具の公開が可能になり,小学校英語にかかわる人へのサービス向上が可能となった。また人的ネットワークに関しては,今後「小学校外国語活動」をすすめていく中核教員(文部科学省における用語:各小学校から1名ずつ指定される中心的教員)の情報共有の場としても機能することができると考えられる。

(ウ)小学校英語教育の支援および実態調査

  事業1(?)と共に教員研修,教材教具の支援,授業支援などを行った。実態調査については,これまでの総合的な学習の時間で行われてきた「外国語会話等」とは異なった性質の授業展開が予想されるために,20年度以降に具体的な成果を示さなければならないという課題が残っている。

(エ)小学校英語教育研究会の開催

  本事業に関しては,大きく3つの活動を行った。
  まず,8月18日~19日に平成19年小学校英語教育学会徳島大会を本学で開催した。全国からの参加者があり,本学のセンター事業についても,報告した。また,11月17日に大阪(ナンバプレイス)に於いて,菅正隆教科調査官,韓国,台湾より小学校英語担当者を招聘し,講演及びシンポジウムを行った。最後に,3月16日に,菅正隆教科調査官,直山木綿子京都市教育員会指導主事,梅本龍多高向小学校教諭を招き,独立行政法人教員研修センター実施の指導者研修を再現するかたちでの講習会を行った。
  小学校英語教育学会という全国レベルの研究大会を本学で開催したことで,本学での小学校英語教育に関する先進的取り組みを広報できただけでなく,日本国内での最新情報を地域社会に提供することができた。
  台湾,韓国における小学校英語教育のあり方に関するシンポジウムでは,すでに教科として先進的に小学校英語に取り組んでいる両地域の実践事例や問題点を参加者とともに共有することができたとともに,参加者同士での交流や参加者の学校における児童の交流などを促進することができた。また,会場を大阪で行ったことで,鳴門教育大学の広報活動ともなり,近畿圏からの相談依頼や出張型研修の依頼などにもつながった。
  最後の独立行政法人教員研修センター実施の指導者研修を再現するかたちでの講習会については,実施時期が3月であり,新しい学習指導要領に関する解説を含めた最新情報の提供ができ,参加者による非常に高い評価を得た。

(オ)小学校英語を担当できる教員養成を目指すため,学部授業を開設

  平成19年度より,「初等英語」,「初等英語科教育法」の2つの授業を言語系(英語)教育講座と開講し実施した。受講者は,現職教員大学院生が多く,本来の学部学生対象の授業としての意義や大学の教育課程との問題(必修化できないなど)で,その位置づけに関して課題が残った。一方,それだけ現職教員大学院生のニーズが高いことも明らかになった。今後,大学院レベルでの授業開設も含め検討課題となった。

(カ)教員研修の資格認定制度の確立を目指す

  資格認定制度については,教員免許法改定,教員免許更新制度とも併せて,今後の課題となったが,本年度試行される教員免許更新制度のコンテンツに関しては,これまで本センターで行ってきた研修のコンテンツが利用できると考えられ,試行後に改訂していく予定である。

(キ)3年間の事業実績のまとめと評価

  3年間の事業実績のまとめを,研究報告書「心と未来を開く小学校英語教育―鳴門教育大学小学校英語教育センター研究・事業報告」(全247ページ)のかたちでまとめた。
最終更新日:2010年02月17日

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