自己点検・評価報告書(尾崎士郎)

報告者 尾崎士郎

 

1.学長の定める重点目標

 

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  1. 講義等においては、基礎学力と応用力の充実と定着、学生の実技や実験の能力向上を図る。
  2. 講座内、就職支援室との連携を図りつつ、従来通り、教員採用試験対策を積極的に講義や演習等に取り入れて学生の資質向上を図る。特に、4年次前期の実地教育XIでは、実際の試験対策を想定した演習を行う。
  3. 技術の場合には、知識・理解に加えて、実技等指導ができることが求められる。カリキュラムに実習の科目が皆無であるため、その指導力の育成を図り、どのように評価するかを検討する。

(2)点検・評価

  1. 講義等では、効率的ではないが、学生による教科書の音読と発表を増やすことに留意した。授業科目に実習がないため、講義・演習においても実習の小題材を加えた。
  2. 講座主任としてコースの学生に対する就職対策には配慮し、講座の教員や就職委員と連携し、ゼミや講義等におけるキャリア教育の充実、就職支援事業の活用を促した。同様に、技術科教育論と同演習では、教職への動機付けを高めるための内容を取り上げ、ディスカッションを行うなどの工夫を試みた。実地教育XI(学部4年次)やゼミの指導では、実際の教員採用試験を想定した模擬授業等指導を積極的に取り入れた。実地教育XI(学部4年次)は旧カリの科目で、平成20年度には無くなる。これまでにその科目を教員採用対策に一部配慮して授業運営を行ってきたが、平成20年度に授業の中で教員採用対策をどのように行うかが未定であり、不安である。
  3. 上記の1. と関係するが、学生自らの実技能力を高めることは重要であるが、この能力を如何に教育実践で活かすか、あるいは子供達に伝えられるかが非常に大切である。演習やゼミでは機会あるごとに、特に学生に教師役になってもらう等して、その指導力の育成あるいは教員採用試験(実技)の対策にも配慮した。 成果の一例として、ゼミの学部4年生が神奈川県、大阪府教員採用試験(小学校)に複数合格し、大学院長期履修学生がM2の段階で受験した神奈川県と大阪府の教員採用試験(中学校技術)のすべてに合格した。なお、その長期履修学生は、教員としての基礎力と実践力を高めたいとのことで、現在M3に在学中である。今年度の教員採用試験の成果が問われるため、責任重大であると感じている。

 

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

  ものづくり教育に携わる者として、ものづくり基盤技術振興基本法案(平成11年法律第2号)では、学習の振興等、特に学校教育等におけるものづくり基盤技術に関する学習の振興等が重要な柱となり、これまでに様々な試みに参画する機会を得つつある。 大学でのものづくり教育・研究活動での具体的な成果などをもとに,社会(地域)に貢献するように心掛けたい。具体的な内容はまだ決まっていないが、まず、

  1. 学内での学部学生や大学院生とのものづくり教育・研究活動を充実し、また従来通り、美術教育講座の内藤隆准教授との講座を超えた教育研究活動の充実を図り、社会(地域)貢献のための素材を充実し基盤を固める。
  2. 社会(地域)貢献として、ものづくり教育やこれに関する催し物への参画を通じて、徳島県ほか全国の現職教員ならびに地域住民、子供達、青少年とのと交流と連携を図りながら実施する。
  3. 地域の研究機関、例えば徳島県森林総合技術センターほかとの共同研究、技術相談等の受け入れを通して、社会(地域)貢献等を行う。

(2)点検・評価

  1. 学内での学部学生や大学院生とのものづくり教育・研究活動では、授業での指導を充実させることを念頭に置き、従来通り、美術教育講座の内藤隆准教授との講座を超えた教育研究活動の連携について充実を図り、また当研究室の卒業研究や修士研究においても、セミ生に対するその授業への参加とものづくり教育に配慮した基礎研究を行って、社会(地域)貢献のための素材を充実し基盤を固めた。
  2. この成果や開発した教材を鳴門市教育委員会等が主催する子供の町フェスティバルのものづくり活動他で本学学生らと共に活かした。またインテックス大阪で開催の機械展において、ものづくり製作の本学ブースを開設させて頂き、ポスター展示と来館者に対する本学の広報とものづくり体験活動で開発した教材を活用した。全国中学生ものづくり競技大会中国・四国地区大会、同全国大会の実行委員長と審査委員長等を担当し、これに関連した子供達への指導を徳島県下の現職教員と協力して実施した。
  3. 徳島県森林総合技術センター、徳島大学工学部、名古屋大学ほかとの交流と一部共同研究等の受け入れを通して、社会(地域)貢献を行った。

 

2.分野別

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  1. 講義・演習では討論を取り入れるなどの工夫を行い、基礎学力や応用力の定着を図る。
  2. 技術の専門科目では実習の科目が無く、学生の実技・実験等力量が大幅に低下しており、これらを改善するために、教育論演習等での実習内容の充実を図る。また従来通り、教員採用試験対策も積極的に取り入れて学生の能力向上を図る。
  3. 研究室配属学部生・院生の勉学と生活等相談、進路等就職支援の充実を図るとともに、3年次生クラス担当教員としても同様の指導を充実する。
  4. 弓道部顧問として、技術指導、年間行事に対する個別指導を行って活動の活性化を図りつつ学業、学生生活、就職等悩み相談にも応じる。
  5. 地域連携として実施する各種催し物や現職教員との交流等について、学部生や大学院生と共に、教育や学生生活支援の一環として位置づけながら実施したい。

(2)点検・評価

(教育)

  1. および2. 講義においては、演習やディスカッションを取り入れるなどの工夫を行って、基礎学力の定着や応用力の充実を図った。専門科目では、単位数の削減で実習の科目が無くなり、学生の実技や実験の力量が大幅に低下しているのが目立つので、教育論演習等でのこれらを改善する内容充実を図った。専修実地教育や教育論演習では、従来通り、教員採用試験対策を積極的に取り入れて学生の能力向上を図った。

※1-1.教育大学教員としての授業実践他を参照。

(学生生活支援)

  1. 研究室配属学部生・院生の指導教員と3年次生クラス担当教員としての対応では、忙しすぎてどのような指導を行ったかどうか、あまり記憶にない。心掛けたことは研究室配属学部生・院生に少なくとも1日1回は教育研究を配慮して声をかけるようにすること、学部3年生とは教育論の授業で会えるので、授業の前後に生活面や教員採用試験への準備状況、先輩4年生や大学院生達の教員採用試験での奮闘状況も交えて話をするように心掛けた。また講座教員間や就職委員、就職支援室との連携も図った。
  2. 弓道部顧問として、技術指導、年間行事に対する個別指導を行いたいと思っていたが十分に時間が取れなかった、しかし、土曜日午前中ほか時間外に弓道場に出向き、技術指導のほか、学業、学生生活、教員採用試験など就職等悩み相談にも応じた。 成果の一例として、弓道3段ほか段位合格者をはじめ、徳島県下大学リーグ戦で個人戦4位と5位入賞者(いずれも2年生)があり、平成20年度への期待が高まった。課外活動の内容ではないが、弓道部員の教員採用試験合格者が非常に多かった(広島県、岡山県、兵庫県、神戸市、大阪府、神奈川県の正採用と徳島県 B採用)。
  3. 全国中学生ものづくり競技大会の一環として、生徒に対する技術指導を、徳島県下、ならびに高知県ほかの全日中研究会現職教員と交流と連携を図りながら、実施した。結果、徳島県に加えてはじめて高知県から代表者を全国大会に送り、両者とも全国大会上位入賞を果たした。この全国中学生ものづくり競技大会ほか、ものづくり教育に関する地域の催し物に、研究室の学部・大学院学生とが積極的に参加するように促し、ボランティアとして現職教員、子供達や地域住民との交流を図ることができ、貴重な教育活動体験ができたと思う。(教員採用試験でのボランティア活動経験に位置づけさせるように配慮した。)

  これらの教育・学生生活支援の項目については、全般的に目標を達成できたと考えている。ただし、学外での活動に出かける時間的なゆとりが少なく、学外からの要望にきめ細かく十分に応えられないのが悩みである。

 

2-2.研究

(1)目標・計画

  1. 卒業研究と修士研究で、技術教育に関する教材開発、木材の機械加工に関する基礎研究を継続する。
  2. 上記と同様の技術教育に関する教材開発、木材の機械加工に関する基礎研究課題、または関連の研究課題について、学内外との共同研究として継続し実施する。
  3. 「技術科教員養成での修得基準の作成及びその基準による検定制度と競争的教育環境の構築」に関する研究分担者として継続研究する。
  4. 地域の研究機関から共同研究の依頼があれば、協力する。

(2)点検・評価

  1. 木材の曲げ加工または木材切削における切屑の物性に関する研究を継続研究し、日本木材学会、日本産業技術教育学会ほか研究会で発表した。
  2. 木材の機械加工に関する研究について、名古屋大学大学院生命農学研究科と共同研究を継続し、日本木材学会全国大会において連名で研究発表をおこなった。今後も共同研究を推進する。前記1とも関係するが、本年度から外部資金を得て、本格的に「阿波藍等の染色技術を応用した徳島県産木材の新しい着色技術の開発」に関する研究を開始し、興味深い結果を得た。この研究に関連して、徳島大学工学部等との実用化の関する情報交換や成果に対する意見交換が始まった。
  3. 平成17年度基盤研究(C)「技術科教員養成での修得基準の作成及びその基準による検定制度と競争的教育環境の構築」を研究分担者として継続研究し、その成果を報告書に纏め発行した。なお、この研究については、平成19年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(一般))研究の内定通知があり、平成22年度まで分担者として、継続研究することになった。早速、検定試験方法の開発と試験問題作成を担当し、原案を作成した。
  4. 上記2参照。常時、徳島県内の研究機関との情報交換等について、研究室の学部・大学院生の見学等を交えながら継続している。

 個人的に、非常に不満に思っているのは、上記に関する論文の投稿ができていないことである。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  1. 前年に引き続き各種委員会担当等で、学生の就職指導と大学院定員充足等本学の運営に貢献したい。
  2. 教育研究評議会にも属しており、第5部運営等では部長を補佐し、大学運営上の課題解決に寄与したい。

(2)点検・評価

  1. 上記目標の提出後に、講座主任になることが決まり、これに専念するために、各種委員会委員を講座の他の教員に担当して頂くことになった。しかしながら、これまでの委員会業務については、講座主任業務と平行して講座の委員と協力して、学生の就職と大学院定員充足等本学の運営に貢献しようと努力した。
  2. 教育研究評議会評議員として、また第5部運営等では部長を補佐し、大学運営上の課題解決に努力したつもりである。
  3. 学部と大学院生の教員採用等就職支援では講座教員と協力をし個人的に努力して、数値目標等についても成果を上げることが出来たと思うが、大学院定員充足では数値目標等達成を果たせず、十分に貢献できたとは思えない。とても申し訳ないと思っている。 次年度に向けて、新組織でどのように対応すべきかを検討したい。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  1. ものづくり教育等を通じて、附属学校教員や徳島県下の現職教員と連携し、現職教員の各種研究会活動等の充実に貢献する。
  2. 徳島県総合教育センターや鳴門市等を介して、地域社会の教育活動や催し物に出席し貢献する。
  3. 地域連携として全国中学生ものづくり競技大会の技術指導を徳島県下、中国四国地区9県、全国の全日中研究会現職教員と交流と連携を図りながら実施する。
  4. ものづくりに関する地域の催し物に研究室学生他と積極的に出席し、地域住民、子供達、青少年との交流を充実する。

(2)点検・評価

  1. ものづくり教育と全国中学生ものづくり競技大会実施等を通じて、附属学校教員と連携し研究会の充実に貢献した。また、附属中学校では、必修・選択の授業での指導・助言、各種研究会指導・助言者をつとめた。
  2. 3. および 4. 全国中学生ものづくり競技大会の実技指導、地域のものづくり体験活動の指導等を、徳島県総合教育センターや鳴門市等を介して、学生等と協力して実施した。 なお、全国中学生ものづくり競技大会中国・四国地区大会(高知)実行委員長と審査委員長、全国大会(つくば国際会議場)実行副委員長と審査委員長を担当し、競技の実施要領と評価基準作成も行った。 高知県での全日中技術家・庭科研究会全国大会開催に伴って、研究授業準備と研究会において、指導・助言者を担当した。

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

  1. 教育研究評議会評議員と講座主任を担当。
  2. 学部4年生2名全員が神奈川県と大阪府教員採用試験正規合格で、大学院長期履修2年生が神奈川県と大阪府教員採用試験に正規合格となった。
  3. 大学院定員充足のために大学と教育委員会等訪問を行ったが、コースとして大学院入学者4名しか得られなかった。
  4. 全国中学生ものづくり競技大会の審査委員長等役員担当と評価基準等作成等で全国組織である全日中技術・家庭科研究会現職教員との連携、本学附属中学校と徳島県下技術科担当教員との研究・教育での連携を行いながら、これらの事業を遂行した。
  5. 平成19年度科研費(平成22年度まで)採択され、現在、評価規準に基づく検定試験の準備を完了し、平成20年度に実際に実施する予定。
最終更新日:2010年02月15日

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