自己点検・評価報告書(綿引勝美)
報告者 綿引 勝美
1.学長の定める重点目標
1-1.教育大学教員としての授業実践
(1)目標・計画
- 教科教育論においては,教師としての説明責任を十全に発揮できる能力の育成につとめる。とりわけ,体育的な営みの歴史的視座の欠落を補うという意味から,体育科教育やスポーツ教育の歴史について理解を深められるような授業内容を構築する。
- さらに,体育の側面から,臓器移植や再生医療など,身体の人工的活用に関する倫理問題にもふれたい。
- 基礎知識の運用能力育成のために,問題場面対応型の表現・伝達・説得の基本スキルの養成を試みたい。
(2)点検・評価
- 体育科教員に必要な説明責任を果たし得る能力の育成にむけ,体育科教育の歴史についての授業内容を構築した。
- 身体の人工的な活用のテクノロジーが有する,倫理問題について,資料収集と授業での討議をおこなった。
- 問題場面対応型の基本スキルの養成については,「モンスターペアレント」のロールプレイングやプレゼンテーションスキル形成などの試みをおこなっている。
1-2.大学教員としての社会(地域)貢献
(1)目標・計画
- 就職支援活動に積極的に関わる。とりわけ,卒業生との交流をはかるなどして,学部学生の就職意欲の向上をはかる。
- 地域貢献としては,農林業従事者との積極的な交流をはかり,ボランティア活動の機会をつくるなかで,学生の実業体験の幅をひろげる。
- 国際交流の面では,ドイツライプチヒ大学スポーツ科学部との交流を促進し,交流事業の拡大と深化をはかり,学生のスポーツをとおした視野の拡大に貢献する。
(2)点検・評価
- 地域貢献としては、11月の柑橘果実収穫作業などのボランティアの体験活動を組織し,実業体験の機会をつくった。
- ライプチヒ大学での,インタビュー調査等を,国立スポーツ科学センターとの共同研究プロジェクトでおこなった。
- 日本コオーディネーショントレーニング協会主催の国際シンポジュームで講演をおこなった。また、総合型地域スポーツクラブ等の指導者との交流をとおして、指導力の向上への取組をおこなった。
2.分野別
2-1.教育・学生生活支援
(1)目標・計画
- 自然体験と実業体験を重視するという立場から,地域の農林業従事者との交流を積極的にはかれるような場をつくる。
- スポーツ活動の社会的な広がりのなかで,学校外のスポーツ事業にも関心をもたせるような指導を行う。
- moodleを活用した,コラボレーションサイトを充実させる。
(2)点検・評価
- 学生の体験活動を支援するという立場から,地域の農林業従事者に協力をお願いして,農作業の体験活動を組織した。
- ライプチヒスポーツ科学交流協会をとおして、ライプチヒ大学で開催されたトレーニング指導者養成のための国際集中講座に学生・院生を参加させた。
- moodleサイトの作成と更新を続けている。
2-2.研究
(1)目標・計画
- 旧東ドイツの選手選抜制度の資料の収集と解析
- 国立スポーツ科学センターとの共同研究プロジェクトの推進
- Webを活用した,研究成果のデータベース化と公表
(2)点検・評価
- 国際化推進事業の支援をうけて、110日間の短期在外研究を行い、トレーニング科学に関する博士論文、教授資格論文のオリジナルデータの収集を行った。
- 国立スポーツ科学センターとの共同研究プロジェクトを推進し、センター研究員の研究学習会で報告をおこなった。
- 日本コオーディネーショントレーニング協会主催の国際シンポジュームで講演をおこなった。
- 研究成果の電子化を推進し,Moodleサイトを通して公表した。
2-3.大学運営
(1)目標・計画
- 鳴門教育大学の知名度をあげるため広報活動(体育スポーツ関連雑誌への投稿)
- 教務委員として,授業改善に積極的に取り組む
(2)点検・評価
- スポーツメディスン誌に連載記事の執筆を続けている.また,ライプチヒスポーツ科学交流協会のブログサイトに投稿を続けている。
- 平成19年度の国際化推進事業が採択された。
- 平成19年度学生支援GP案を作成した。
- 大学院の応用実践科目として「教師のための声とからだとことば」を、他コースの教官と教導して企画し、採用された。
2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等
(1)目標・計画
- 付属中学校・大学共同研究を推し進める。
- ライプチヒスポーツ科学交流協会を通した,トレーニング科学の国際的な交流を促進する。
- 地元の農林業従事者との積極的交流を推進する。
(2)点検・評価
- 付属中学校の研究会に参加した。
- 国際化推進事業の支援をうけ、ライプチヒ大学スポーツ科学部に110日間の研修をし、資料収集等をおこなった。
- 日本コオーディネーショントレーニング協会主催の国際シンポジュームに、ライプチヒ大学の研究者を招聘するとともに、講演をおこなった。
- 地元の農林業従事者の協力をえて,学生のボランティア体験活動を組織することができた。
3.本学への総合的貢献(特記事項)
国立スポーツ科学センターとの共同研究プロジェクトが4年目をむかえ、ドイツにおける競技スポーツの科学支援についてのデータ蓄積をすすめている。そのなかでもとくに、1990年にいち早く我が国に紹介した、競技能力の中核をになう、コオーディネーショントレーニングの理論と方法が大きな影響を及ぼすようになってきた。とりわけ、学校体育の指導要領改訂では、こうした考え方が、「巧みな動きをたかめる」という表現で導入された。さらに、総合型地域スポーツクラブのプログラム(コオーディネーショントレーニング)としても全国的に受け入れられている。
最終更新日:2010年02月15日