自己点検・評価報告書(吉本佐雅子)

報告者  吉本 佐雅子

 

1.学長の定める重点目標

 

1-1.教育大学教員としての授業実践

(1)目標・計画

  豊かな教育実践力の養成には,授業のテクニックではなく,まず,学生自身が教科内容に関心をもち,そのことを子どもに教えたいという意欲が基盤として必要である。そのため以下のように授業の工夫を行う。

  1.  授業内容:教科内容の授業では,基礎知識をしっかり身につけることに重点を置く。教科教育の授業では体系的な授業の理論,進め方と教科内容との関連性を理解させる内容を教える。
  2.  授業方法:授業は講義方式を中心に行い,授業テーマに必要な基礎知識として,他分野との関わりなど話を広げながら多角的かつ包括的な理解が出来るようにする。学生の意欲を引き出す一つの方法として,授業毎にその日の授業内容に関する問題を学生自身に作成させ,他の学生に回答させ,評価させていく。また,「書く」能力を伸ばすため,板書を多くする。
  3.  成績評価;学習内容の理解とともに,人に説明できる能力をみるため,論文的筆記試験を行う。さらに,教員としての資質をみるため,出席状況,上記の様な授業への取り組み態度を含め総合的に評価する。

(2)点検・評価

  1.  授業内容: 毎年,担当各授業において,基礎知識が乏しい状況が見受けられた。そのため,テーマを絞り,会話,質問などを交え,理解度を確かめ,それに関する基礎知識から指導した。基礎知識の各論の内容に関心をもつ者が多くみられた。
  2.  授業方法: 学生同士互いに問題を作成させ,回答させる授業法に関しては,そのため時間が無く,口頭で質問させ,それに対して学生に考えさせる方式を取り入れることにした。この方法で学生自身が自分の理解度を認識できたようである。
  3.  成績評価: 小論的筆記試験の他,授業中の態度・取り組み姿勢,出席状況,から総合的に評価した。なお,比較的受講者の少ない授業ではこのような総合的評価は適正に行えたと考えるが,約160名を対象とした授業評価,特に授業中の態度・取り組み姿勢を個々に評価することは難しく,さらなる工夫を要した。

 

 

1-2.大学教員としての社会(地域)貢献

(1)目標・計画

  • 地域貢献として,H18年度に行った出前講師,アドバイザー等の活動機会をさらに増やすよう関係組織・委員会を通じて宣伝していく。
  • 養護教諭10年次研修会などの教員の研修会の講師を担当する。
  • 性教育,薬物乱用防止教育,生活習慣病などに関する地域の研修会,会議に積極的に参加する。
  • H18年度公開講座「ちょんかけごま」をH19年度も継続して行う。

(2)点検・評価

  1.  H18年度に行った出前講師,アドバイザー等の活動機会をさらに増やすよう,関係組織・委員会を通じて宣伝に極力務めたつもりである。しかし,本年度,依頼がなかった。次年度は,異なった方面からの宣伝を行う。
  2.  公開講座「楽しい伝承遊び入門」(ちょんかけごま)を開講し,定員を上回る受講者を確保した。
  3. 神戸市「神戸市開発審査会」委員,徳島県教育委員会「性教育の実践調査研究事業推進会議」委員,中国・四国発行保健学会理事,日本教育医学会に評議委員に就き,職務を全うした。また,H20年度第40回中国・四国発行保健学会の会長として,開催準備に務めた。

 

 

2.分野別

 

2-1.教育・学生生活支援

(1)目標・計画

  • 教科内容の授業では,基礎知識をしっかり身につけることに重点を置いた指導を行う。また,会話,質問などを絶えず盛り込み,学生の理解の程度を把握しながら進める。学生の意欲を引き出す一つの方法として,授業ごとにその日の授業内容に関する問題を学生自身に作成させ,他の学生に回答させ,評価させていく。(Ⅰ-1.目標・計画の再掲)
  • 授業では,自己の研究内容にも触れ,知識を深める意欲を引き出すような内容にする。
  • 健康に関する複数の授業を担当しているが,受講者の学年,選択必須にばらつきがある。これら授業に一貫性を持たせるよう,授業内容を工夫する。 * 学生が気軽に進路,悩みなどの相談に来られるよう,また,学生の様子を把握できるよう,日常的に学生とのコミュニケーションを図る。

2.点検・評価

  1.  「Ⅰ-1.大学教員としての授業実践」の点検・評価①の記載事項と同様
  2.  授業に専門分野である疫学的研究の必要性を取り入れところ,学生の関心を引き,質問など発言を促すきっかけになる場面が多くなったように思う。
  3.  保健に関する担当授業6コマを出来るだけ教科内容から健康教育へと進めるよう配分して計画した。しかし,受講者の構成により,同じ様な内容を重複して受講する者,初めての内容として受講する者が出てくるのはやむ得ないことであり,教養として,専門としての授業内容の体系的一貫性をもたせるための工夫をさらに思案しているところである。
  4.  クラス担任として,学生への日常の話しかけを増やすように努力した。実際,学生より,進路変更や教員採用試験の心構えなどの相談があり,それに応じた。
  5.  修士課程1年生2名(ストレート)の指導教員として,教育・研究の他,進路指導,生活指導も懇切丁寧に行った。
  6. H20年度からの連合大学院博士課程入学希望者(京都市教育委員会現職)の指導教員を依頼された。その入試のための受験勉強を指導し,入試に合格させることができた。

 

 

2-2.研究

(1)目標・計画

  • 以下の研究課題に関して,学会誌「学校保健研究」に投稿する。 ・従来からの研究テーマ,子どもの健康状態に関する疫学的研究 ・科研費(基盤―B:分担者)「学校における喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育とそのモニタリングに関する国際研究」の成果のまとめ
  • 科研費(基盤―C代表)「アレルギーのモニタリングとその予防のための包括的健康教育システムの構築」に関して,研究計画を遂行する。

(2)点検・評価

  1. 従来からの研究テーマについて,以下のアレルギー関係の3題を学会誌(小児アレルギー学会,学校保健,日本公衆衛生学会)へ投稿する準備を行った。次年度には投稿する計画である。「アレルギー疾患の定点的調査」,「血清IgEの予知因子としての意義に関する疫学的研究」, 「抗原特異的IgEとアレルギー疾患既往歴との関連性」
  2. 「高校生の喫煙,飲酒,薬物乱用の実態と生活習慣に関する全国調査」の,2004,2006年度調査{科研費:基盤―B:分担者)の結果を分析し,学会発表(日本学校保健学会)を行った。
  3. 科研費(基盤―C代表)「アレルギーのモニタリングとその予防のための包括的健康教育システムの構築」に関して,H19年度(最終年度)の研究計画どおり実施し,4月現,報告書を作成している。

 

2-3.大学運営

(1)目標・計画

  • 以下の委員を担当し,本学の運営に貢献する。

・ 保健体育4年生クラス担任

・ 施設・設備委員会委員,他未定であるが教務委員,入試委員を担当

  • 大学院生確保のための広報活動を行う。

(2)点検・評価

  1. 本年度は保健体育 講座主任,施設設備委員会委員を担当し,その業務に尽力した。
  2.  講座主任として,講座教員の院生の入学勧誘活動,広報活動を促し,H20年度院入試の受験者および合格者は定員(11名)を上まわる13名を確保することが出来た。なお,そのうち入学に至った者は9名であった。今後は,合格者全員の入学を目指した活動にも力を入れたい。
  3.  本年度は,講座から役職者,海外出張者が輩出し,講座業務を担当できる教員の数が少ないことから,講座主任として,これまで以上に,講座教員間の協力・連携の円滑化に尽力した。
  4.  保健体育3年生クラス担任として,学生の相談,生活指導,担任業務に尽力した。
  5.  本講座教員の昇任人事の選考委員会の主査,他講座教員の昇任人事の選考委員会委員を勤めた。
  6.  大学が開催する全学集会,講演会などに可能な限り出席・参加し,大学の教育研究に関わる運営について自らの意識向上を図った。

 

2-4.附属学校・社会との連携、国際交流等

(1)目標・計画

  • 附属学校との懇談会,研究会,実地教育指導に積極的に参加し,附属・大学の連携体制が必要な課題を見つける。
  • 18年度公開講座「ちょんかけごま」をH19年度も継続して行う。
  • 留学生(本学修士課程修了)の博士課程進学に向けて,指導を行う。
  • 性教育,薬物乱用防止教育,生活習慣病などに関する地域の研修会,会議に積極的に参加する。

(2)点検・評価

  1. 附属学校との懇談会に参加し,情報・意見交換を行った。また,附属小学校の授業研究会に参加した。これらより,現行の連携体制は,もっと焦点を絞っていく必要性があることが考えられた。
  2. 山本貞美名誉教授と協力し,H19年度公開講座「「楽しい伝承遊び入門」」を昨年度に引き続き開講した。定員を上回受講者を確保でき,盛大に開催することが出来た。
  3. 神戸市「神戸市開発審査会」委員,徳島県教育委員会「性教育の実践調査研究事業推進会議」委員を努めた。

 

 

3.本学への総合的貢献(特記事項)

講座主任として,大学・講座・学生間の協力・連携体制の円滑な運営に努めた。

最終更新日:2009年03月18日

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